Windows 10で夏時間(DST)設定によりCPUとメモリの使用率が高くなる原因と対処法
サマータイム(夏時間、DST:Daylight Saving Time)とは、暖かい季節に時計を進めることで、日中の明るい時間を有効活用する制度です。Windows 10でサマータイム(DST)が設定されている環境において、CPUやメモリの使用率が異常に高くなる現象に遭遇した場合は、この記事が役立つでしょう。本記事では、この問題の考えられる原因を特定し、回避策と恒久的な解決策の両方をご紹介します。
発生する典型的なシナリオと主な症状
まず、Windows 10でサマータイム(DST)設定によりCPU・メモリ使用率が高くなる問題が発生しやすい典型的なシナリオを見てみましょう。
コンピューターがWindows 10を実行しており、そのタイムゾーンではサマータイム(DST)の切り替えが午前2時ではなく深夜0時(午前12時)に行われる場合に、以下のような問題が発生することがあります。
症状1:
TaskHostw.exeプロセスがCPUリソースの100%を消費します。その結果、システムパフォーマンスとバッテリー駆動時間が大幅に低下します。特に小型デバイスでは、プロセスが時刻変換の計算をループし続けるため、熱管理(サーマルマネジメント)にも悪影響を及ぼす可能性があります。
症状2:
ページファイルが過剰なディスクリソースを消費し、ディスク使用率が高くなります。
症状3:
メモリが過剰に使用されます。
症状4:
ディスク、CPU、メモリの過剰な使用により、コンピューターがフリーズしたりハングアップしたりします。
DST設定によりCPU・メモリ使用率が高くなる原因
この問題は、Windowsサービス用の汎用ホストプロセスであるTaskHostW.exeプロセス内の競合状態(レースコンディション)が原因で発生します。このプロセスはenergy.dllに関連するスケジュールされたタスクの1つを実行しており、このタスクはコンピューターに設定された時刻に従って実行されます。この問題は、DSTが切り替わる当日にのみ発生するという特徴があります。
DSTの切り替えが午前2時ではなく深夜0時に行われる場合に、energy.dllファイルが読み込まれることで問題が引き起こされます。
この問題に直面している場合は、以下で説明する推奨ソリューションまたは回避策(状況に応じて選択)を試して問題を軽減できます。
解決策:Windows 10を最新バージョンにアップグレードする
この問題を恒久的に解決するには、コンピューターを最新バージョンのWindows 10にアップグレードしてください。
何らかの理由で現在のWindows 10環境を維持したい場合や、既に最新バージョンを使用しているのに問題が解決しない場合は、以下の回避策をお試しください。
回避策:「電源効率の診断」タスクを無効化する
この問題を回避するには、以下のいずれかの方法で「電源効率の診断(Power Efficiency Diagnostics)」タスクを無効化する必要があります。
- タスクスケジューラのUI(ユーザーインターフェース)を使用する
- コマンドプロンプトを使用する
それでは、それぞれの方法について具体的な手順を詳しく見ていきましょう。
方法1:タスクスケジューラのUIを使用する
タスクスケジューラを使って「電源効率の診断」タスクを無効化するには、以下の手順を実行します。
- Windowsキー + Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- ダイアログに taskschd.msc と入力し、Enterキーを押してタスクスケジューラコンソールを開きます。
- タスクスケジューラコンソールで、以下の場所に移動します。
タスク スケジューラ ライブラリ > Microsoft > Windows > Power Efficiency Diagnostics
- 中央のペインでAnalyzeSystemを選択して右クリックします。
- 「無効(Disable)」をクリックします。
これでタスクスケジューラコンソールを終了できます。
方法2:コマンドプロンプトを使用する
コマンドプロンプトを使って「電源効率の診断」タスクを無効化するには、以下の手順を実行します。
- Windowsキー + Rを押して、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- ダイアログボックスに cmd と入力し、Ctrl + Shift + Enterを押して、管理者(昇格)モードでコマンドプロンプトを開きます。
- コマンドプロンプトウィンドウで、以下のコマンドをコピー&ペーストしてEnterキーを押します。
schtasks /Change /TN "\Microsoft\Windows\Power Efficiency Diagnostics\AnalyzeSystem" /DISABLE
コマンドの実行後、コマンドプロンプトを終了できます。ただし、変更が正しく適用されたことを確認したい場合は、以下のコマンドでタスクの状態を照会できます。
schtasks /Query /TN "\Microsoft\Windows\Power Efficiency Diagnostics\AnalyzeSystem"
出力は次のように表示されるはずです。
Folder: \Microsoft\Windows\Power Efficiency Diagnostics
TaskName Next Run Time Status
===================== =========== ===============
AnalyzeSystem N/A Disabled
以上で完了です!
回避策または解決策の適用後、サマータイム(DST)設定によって引き起こされるWindows 10でのCPU・メモリ使用率の高騰の問題は解決されるはずです。
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