Windows 11/10でMicrosoft Edgeの「about:flags」ページにアクセスして活用する方法
Windows 11およびWindows 10では、ChromiumベースのMicrosoft Edgeが標準ブラウザとして採用されています。Edgeには数多くの便利な機能が搭載されていますが、他の人気ブラウザと比べると物足りない部分もあります。こうした不足を補うため、Edgeは拡張機能や各種Web標準技術に対応しており、さらに一般ユーザーにはあまり知られていない開発者向け設定ページ「about:flags」を備えています。本記事では、Windows 11/10環境でMicrosoft Edgeのabout:flagsページにアクセスし、活用する方法を詳しく解説します。
Microsoft Edgeのabout:flagsページとは
ChromeやFirefoxなど他のブラウザに隠し設定ページが存在するのと同様に、Edgeにもabout:flagsページが用意されています。ここからは、ブラウザの開発者向け設定(実験的機能)にアクセスできます。アクセス方法は非常に簡単で、Edgeを起動してアドレスバーに「about:flags」と入力し、Enterキーを押すだけです。
表示されたページには多数の設定項目が並んでいます。各機能を利用するには、項目横のプルダウン(下向き矢印)をクリックし、「有効(Enabled)」を選択するだけでOKです。変更後はブラウザの再起動を求められる場合があるため、画面の指示に従ってください。
なお、about:flagsで提供される項目はEdgeのバージョンによって異なり、現在のバージョンでは一部のフラグが削除・変更されている点にも留意してください。
これらはあくまで実験的な機能です。有効・無効を切り替える前に、各項目の説明をよく確認するようにしましょう。
1. edge:// URLでの拡張機能実行(Extensions on edge:// URLs)
拡張機能が明示的に権限を要求している場合に、edge://スキームのURL上でも拡張機能を実行できるようにします。MacとWindowsの両方のプラットフォームで動作します。
2. タブホバーカード(Tab Hover Cards)
タブにマウスカーソルを合わせたときに、タブ情報を含むポップアップを表示します。従来のタブ用ツールチップが置き換えられます。
3. ソフトウェアレンダリングリストの上書き(Override software rendering list)
内蔵のソフトウェアレンダリングリストを上書きし、公式にサポートされていないシステム構成でもGPUアクセラレーションを有効にします。
4. 高速化2Dキャンバス(Accelerated 2D canvas)
ソフトウェアレンダリングの代わりにGPUを使って2Dキャンバスの描画を行います。図形、テキスト、画像などのオブジェクト描画に使用されます。
5. 部分スワップ(Partial swap)
部分スワップの動作を設定します。
6. WebRTC新エンコードCPU負荷推定(WebRTC new encode CPU load estimator)
エンコーダーのCPU負荷を推定する新しい仕組みを有効にします。評価・テスト目的の機能で、画面キャスト時の精度向上が期待できます。
7. スムーススクロール(Smooth Scrolling)
システムに負荷がかかっている状況でも、Webページを上下になめらかにスクロールできるようにします。ページコンテンツのスクロールが滑らかにアニメーション化されます。
8. 最新安定版JavaScript機能(Latest stable JavaScript features)
一部のWebページは、最新のJavaScript機能と競合する可能性がある旧式または非標準のJavaScript拡張を使用しています。このフラグを無効にすると、そうしたページとの互換性を保つために最新機能への対応をオフにできます。
9. 実験的WebAssembly(Experimental WebAssembly)
Webページが実験的なWebAssembly機能を使用できるようにします。この新しい標準は「Web版の仮想CPU」とも呼ばれています。
10. 実験的Webプラットフォーム機能(Experimental Web Platform features)
その名の通り、開発中の実験的なWebプラットフォーム機能を有効にします。
11. 開発者ツールの実験機能(Developer Tools experiments)
DevToolsの実験的機能を有効にします。「デベロッパーツール」の「設定」パネルから、個々の実験機能をオン/オフできます。
12. フォーカスモード(Focus Mode)
PWA(プログレッシブWebアプリ)のように、タブを独立したウィンドウとして分離できます。有効にすると、フォーカスモードへ切り替え可能になります。
13. ハードウェアアクセラレーテッドビデオエンコード(Hardware-accelerated video encode)
H.264/AVCやHEVCコーデックで動画を書き出す際などに、ハードウェアによるエンコード処理の高速化を利用します。
14. タッチ操作によるドラッグ&ドロップ(Touch initiated drag and drop)
ドラッグ可能な要素を長押しすることで、タッチ操作によるドラッグ&ドロップを開始できるようにします。
15. ネイティブ通知の有効化(Enable native notifications)
対応プラットフォームにおいて、OSネイティブの通知トーストや通知センターの利用を可能にします。
16. スレッド化スクロール(Threaded scrolling)
このフラグを無効にすると、すべてのスクロールイベントがメインスレッドで処理されるようになります。ほとんどのサイトでスクロール性能が大幅に低下するため、テスト専用の機能です。
17. 拡張機能コンテンツ検証(Extension Content Verification)
Webストアから入手した拡張機能のディスク上ファイルの内容が、期待されるものと一致しているかどうかを検証します。この機能を有効にすることはできますが、無効にすることはできません(マルウェアによって設定が改ざんされる恐れがあるため)。
18. サイト分離の無効化(Disable site isolation)
サイト分離(SitePerProcess、IsolateOriginsなど)を無効にします。プロセス外iframeに起因する不具合の診断を目的とした機能です。コマンドラインスイッチや企業ポリシーでサイト分離が強制されている場合、この設定は効果がありません。
19. OpenVRハードウェアサポート(OpenVR hardware support)
有効にすると、Microsoft EdgeがVR用途でOpenVRデバイスを使用します(Windows 10以降のみサポート)。
20. Webコンテンツの強制ダークモード(Force Dark Mode for Web Contents)
有効にすると、すべてのWebコンテンツが自動的にダークテーマで描画されます。PC版の「Dark Reader」拡張機能のような働きをします。
21. 実験的Web Payments API機能(Experimental Web Payments API features)
Web PaymentsはW3Cが策定を進める新しいWeb標準です。オンライン決済の簡素化と、より多くの事業者がWeb決済エコシステムへ容易に参入できることを目指しています。このフラグにより、Edge Chromiumで実験的なWeb Payments API機能を有効にできます(#enable-web-payments-experimental-features)。
22. クレジットカード自動入力アブレーション実験(Credit card autofill ablation experiment)
有効にすると、Edgeがクレジットカードの自動入力候補を表示しなくなります。
23. オムニボックスUI候補ファビコン表示(Omnibox UI Show Suggestion Favicons)
アドレスバー(オムニボックス)の候補リストで、汎用的なベクターアイコンの代わりにサイトのファビコンを表示します。
24. 遅延画像読み込みの有効化(Enable lazy image loading)
「loading=lazy」属性が付いた画像の読み込みを、ページをスクロールして画像が近づくまで遅延させます。ページの表示速度改善に役立ちます。
25. タブ破棄の有効化(Enable Tab Discarding)
メモリが不足した際に、使用していないタブの内容を破棄できるようにします。RAMの節約に役立つフラグです。
26. グローバルメディアコントロール(Global Media Controls)
ツールバーにグローバルメディアコントロールUIを表示します。
以上が主なフラグですが、リストはこれで全てではありません。Edge Chromiumでabout:flagsページを開けば、すべての項目を確認できます。
必要があれば、後述の方法でabout:flagsページ自体へのアクセスを無効化することも可能です。
Microsoft Edgeのフラグは安全?
はい、基本的に安全です。それぞれのフラグには明確な目的があり、変更してもブラウザがクラッシュすることはありません。ただし、実験的なフラグの中にはブラウザを不安定にするものもあるため、必ず説明を読んでから変更するようにしましょう。
Microsoft Edgeのフラグを無効にするには?
他のユーザーにabout:flagsページへアクセスさせたくない場合は、グループポリシーで制限できます。
- 「ファイル名を指定して実行」(Win + Rキー)にgpedit.mscと入力し、Enterキーを押してグループポリシーエディターを開きます。
- [コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Windowsコンポーネント] > [Microsoft Edge] の順に移動します。
- 「Microsoft Edgeのabout:flagsページへのアクセスを禁止する」というポリシーを見つけて、「有効」に設定します。
ヒント:関連する便利な設定
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