TCPポートとUDPポートとは?Windows 11/10でポートを開放・ブロックする方法
ネットワークエンジニアの方でも、一般ユーザーの方でも、アプリケーションのためにTCPやUDPなどの仮想ポートを検索・開放・ブロックする必要に迫られることがあります。仮想ポートは、ネットワーク機器やソフトウェアが扱う情報トラフィックを管理するための重要な仕組みです。わかりやすく例えるなら、仮想ポートとはウェブサイトへのアクセス、メールの受信、ファイル転送など、特定の通信のための専用レーンのようなものです。
仮想ポートには主にTCPとUDPの2種類があります。TCPはTransmission Control Protocol(伝送制御プロトコル)、UDPはUser Datagram Protocol(ユーザーデータグラムプロトコル)の略称です。TCPとUDPは、情報トラフィックの扱いにおいて異なるネットワークプロトコルを使用します。ネットワークプロトコルとは、ある情報をどのように送受信するかを定めたルールや規則の集合体のことです。ただし、TCPポートやUDPポートの基盤となっているのはIP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)です。
それでは、この2つのポートが機能面でどのように異なるのかを見ていきましょう。
TCPポートの仕組み
TCPポートでは、送信側マシンと受信側マシンの間に接続を確立する必要があります。これは電話をかける動作に非常に似ています。送信者と受信者の間で接続が確立されると、外部から接続が切断されるまで、双方向で情報のやり取りが可能になります。
TCPはトランスポート層プロトコルの中で最も複雑ですが、同時に最も信頼性の高いプロトコルでもあり、エラーのない情報を受信できる点が大きな特徴です。このプロトコルは、宛先のマシンがデータグラムの受信を確認応答(ACK)した後にのみ情報を送信します。そのため、UDPよりもTCPの方が広く利用されています。
UDPポートの仕組み
一方、UDPポートでは、情報を送信するために送信者と受信者の間で接続を確立する必要がありません。しかしTCPポートとは異なり、UDPポート経由で送信された情報が必ずしも受信者に届くとは限りません。これは手紙を郵送することに似ています。相手がその手紙を受け取ったかどうかは保証されないのです。そのため、不特定多数へ配信すべき情報(ブロードキャスト)はUDPポート経由で送信されます。指定されたUDPポートをリスニング(待ち受け)しているユーザーだけが情報を受信できます。
UDPは低遅延で、一定の情報ストリームを提供します。したがって、ライブ配信などのストリーミング、オンラインゲーム、VoIP(Voice over IP)通話などに最適な選択肢となります。結果として、UDPポートは送信する情報に特別な要件がある場合にのみ使用されます。
適切なポート番号を把握する
PCには0から65535までの多数の仮想ポートが用意されていますが、それぞれのポートには一定の標準があり、特定のアプリケーションに割り当てられています。その中でも、以下の代表的なポートはTCPおよびUDPで使用されています。
- 20(TCP):FTP(File Transfer Protocol/ファイル転送プロトコル)
- 22(TCP):SSH(Secure Shell/セキュアシェル)
- 25(TCP):SMTP(Simple Mail Transfer Protocol/簡易メール転送プロトコル)
- 53(TCP・UDP):DNS(Domain Name System/ドメインネームシステム)
- 80(TCP):HTTP(Hypertext Transfer Protocol)
- 110(TCP):POP3(Post Office Protocol)
- 143(TCP):IMAP(Internet Message Access Protocol)
- 443(TCP):HTTPS(HTTP Secure)
Windows PC上のどのポートが開いていて、どのポートが閉じているかを確認することができます。特定のTCPまたはUDPポートをブロックまたは開放したい場合は、以下の手順に従ってください。
開いているTCP・UDPポートを確認する方法
スタートメニューを開き(Windows 10の場合はWindowsキーを押す)、CMDと入力します。表示された「コマンドプロンプト」を右クリックし、管理者として実行を選択してください。
コマンドプロンプトのウィンドウが開いたら、netstat -abと入力してEnterキーを押します。すると、IPアドレスやその他の詳細情報とともに、TCPおよびUDPポートの一覧が表示され始めます。
待つ時間が長くなるほど、開いているポートのリストは大きくなります。完全なリストがウィンドウに表示されるまで待ちましょう。リストがすべて表示されたら、Ctrl+Cでコピーし、Ctrl+Vでメモ帳などのテキストエディタに貼り付けて保存しておくと便利です。
上記の出力結果では、括弧内の情報が、開いているTCPまたはUDPポートを使用しているプログラム名を示しています。プロトコル名の横にはIPアドレスが表示され、コロンの後ろの数字がポート番号です。たとえば192.168.0.107:50741の場合、192.168.0.107がIPアドレスであり、50741がポート番号を意味します。
ブロックされているTCP・UDPポートを確認する方法
Windowsファイアウォールによってどのポートがブロックされているかを確認するには、次の手順に従います。
最初の手順は、開いているポートを確認する場合と同じです。スタートメニューを開き、CMDと入力して、管理者として実行を選択します。
コマンドプロンプトのウィンドウが開いたら、次のコマンドを入力します。
netsh firewall show state
一部のポートは、ルーターやISP(インターネットサービスプロバイダー)によってブロックされている場合があり、上記のコマンドの結果には表示されないことがあります。そうしたポートを確認するには、次のコマンドを入力してください。
netstat -ano | findstr -i SYN_SENT
このコマンドが何も返さない場合、ルーターやISPによってブロックされているポートはないことを意味します。
TCP・UDPポートを開放またはブロックする方法
ここまでで、Windows PC上のTCPポートとUDPポートの確認方法がわかりました。続いて、最も重要な操作であるポートの開放とブロックの手順を解説します。
まず、アプリケーションをスムーズに動作させるためにポートを開放する必要がある場合があります。逆に、使用されていないポートは脅威への侵入経路となる可能性があるため、ファイアウォールによってブロックしておくことが推奨されます。
TCPまたはUDPポートを開放・ブロックするには、以下の手順に従ってください。
Windowsキーを押してスタートメニューを開き、Windows Defender ファイアウォールと入力します。検索結果からセキュリティが強化された Windows Defender ファイアウォールを選択してください。
次のウィンドウが開きます。
左側のメニューにある受信の規則タブをクリックします。
右側の操作ウィンドウから新しい規則...をクリックします。ウィザードが開いたら、ポートのラジオボタンを選択して次へをクリックします。
新規の受信の規則ウィザードの画面が表示されます。ここで、開放またはブロックしたいポートの種類(TCP / UDP)を選択できます。また、選択した種類のすべてのポートを対象にするか、特定のローカルポートのみを対象にするかも指定できます。開放またはブロックしたいローカルポートの番号、または範囲(例:5000-5010)を入力して、次へをクリックしましょう。
次の画面では、接続を許可するまたはセキュリティで保護されている場合は接続を許可するのラジオボタンを選択することでポートを開放できます。指定したポートをブロックしたい場合は、3番目の接続をブロックするを選択してください。
続いて、この規則をドメイン、プライベート、パブリックのどのネットワークプロファイルに適用するかを選択し、次へをクリックします。
次の画面で、この新しい受信の規則にわかりやすい名前を付けます。説明欄には、どのポートをブロックまたは開放したのかを記録しておくと、後の管理に役立ちます。
完了をクリックすると、新しい受信の規則が作成されます。
なお、特定のポートをブロックした後、アプリケーションが正常に動作しなくなったり、特定のリソースへの接続に問題が発生したりすることがあります。これは、ブロックしたポートが実際には開放されている必要があったことを意味します。その場合は、同じ手順で規則を削除または無効化すれば、いつでもポートのブロックを解除できます。
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