MBRとGPTの違いとは?パーティション方式の基礎知識と選び方を徹底解説
PCを自作する際、「オペレーティングシステムをMBRとGPTのどちらでインストールしますか?」と尋ねられた経験はありませんか?
MBRとGPTというパーティション方式の違いは実はシンプルです。しかし、それぞれのパーティションテーブルに関する背景知識を理解しておくと、どちらを選ぶべきかがより明確になります。
この記事では、パーティションとは何か、MBRとGPTの違い、一方からもう一方へ移行すべきかどうかなどを詳しく解説していきます。
パーティションとは何か?
パーティションとは、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)を仮想的に分割したものです。各パーティションはサイズを自由に設定でき、通常はそれぞれ異なる用途で使われます。
例えばWindowsでは、小さな「回復パーティション」と、C:というラベルの付いた大きなファイルシステム用パーティションが作成されるのが一般的です。C:ドライブはプログラムのインストール先やファイルの保存場所となるため、最も馴染み深いパーティションでしょう。

Linuxの場合は、ルートパーティション(/)、メモリ管理を支援するスワップ領域、そして大きな/homeパーティションが典型的な構成です。/homeパーティションは、WindowsにおけるC:ドライブと同様に、プログラムやファイルを保存する場所として機能します。

市販のPCを購入してOSがプリインストールされている場合、パーティションはメーカー側ですでに設定済みです。同じHDDやSSD上でWindowsとLinuxをデュアルブートしたいといった特別な要件がない限り、意識する必要はありません。
自分でOSをインストールする場合でも、多くのケースではインストーラーがデフォルトのパーティション構成とサイズを提案してくれるため、基本的には調整不要です。
パーティションの全体像がつかめたところで、MBRとGPTの違いについて詳しく見ていきましょう。
注: 以下では、HDDとSSDの両方を指す言葉として「ドライブ」という表現を使用します。
MBRとGPTの基本概要
ドライブを個別のパーティションに分割する前に、特定のパーティションスキーム(パーティションテーブル)を使用するよう設定しておく必要があります。
パーティションテーブルとは、ドライブ上のパーティションやデータがどのように整理されているかをOSに伝えるものです。前述のスクリーンショットでは、ドライブ上のパーティションテーブルが表示され、個々のパーティションが長方形のブロックとして示されています。
パーティションテーブルには主に2種類あります。それがMBRとGPTです。
MBR(Master Boot Record)は、ドライブの先頭に確保された領域で、パーティションの構成情報が格納されています。MBRにはOSを起動するためのコードも含まれており、「ブートローダー」と呼ばれることもあります。
GPT(GUID Partition Table)は、MBRに代わりつつある比較的新しい規格です。
MBRとは異なり、GPTはすべてのパーティションの構成情報とOS起動のためのデータをドライブ全体に分散して保存します。そのため、一部のパーティションが消去または破損しても、起動やデータ復旧が可能になる場合があります。
ここ5年以内に購入したPCであれば、古いMBRではなくGPTパーティションテーブルを使用している可能性が非常に高いです。
MBRとGPTの主な違い
MBRとGPTにはいくつかの重要な違いがあります。ここでは主要なポイントを紹介します。
1. 最大容量
まず、MBRパーティションテーブルの最大容量は約2TBまでです。2TBを超えるドライブをMBRで使用することは可能ですが、認識されるのは最初の2TBのみで、残りのストレージ容量は無駄になってしまいます。
一方、GPTパーティションテーブルは最大9.7ZB(ゼタバイト)まで対応しています。1ZBは約10億TBに相当するため、容量不足に悩まされることはまずないでしょう。
2. 最大パーティション数
次に、MBRパーティションテーブルで作成できるパーティションは最大4つです。ただし、そのうち1つを拡張パーティションとして設定すれば、さらに23個の論理パーティションに分割できます。つまり、MBRの理論上の最大パーティション数は26個です。
GPTパーティションテーブルなら最大128個のパーティションを作成でき、実際の使用場面では十分すぎるほどです。
3. 対応するBIOSの種類
MBRは古い規格であるため、従来型のLegacy BIOSシステムと組み合わせて使われることが多く、GPTは新しいUEFIシステムで採用されています。このため、MBRの方がソフトウェア・ハードウェア両面での互換性に優れていますが、GPTも対応環境を着実に広げています。
Legacy BIOSとUEFIについては、記事の後半で簡単に説明します。
MBRからGPTへアップグレードすべきか?
現在MBRパーティションテーブルを使用しているドライブがある場合、「新しいGPT規格に移行すべきだろうか?」と考えるかもしれません。
結論から言えば、基本的にはその必要はありません。「壊れていないものは直さない」ということわざ通りです。
ドライブのMBRセクタは非常に壊れやすく、一度損傷すると起動できなくなる恐れがあります。その場合、WindowsやLinuxで回復用USBメモリを作成してMBRの修復を試みるか、ドライブを完全に初期化してOSを再インストールするしかありません。
筆者の経験から言っても、その手間とリスクを冒す価値はありません。
ただし、MBRからGPTへの移行を検討すべきケースもあります。例えば、2TBを超える大容量ドライブに換装したい場合や、26個以上のパーティションが必要な場合などです。こうした場合でも、ハードウェアがGPTパーティションテーブルとUEFI BIOSに対応していることを必ず確認してください。
調査を重ねた結果、GPTへの移行を決断した場合は、必ずドライブと重要データのバックアップを取っておきましょう。最悪の事態が発生しても、すべてを再インストールして一からやり直すことなく復旧できます。
BIOSとは何か?
これまでBIOSという言葉が何度か登場しました。本題から少し逸れますが、MBRとGPTの最後の重要な違いを理解するには、BIOSの基礎知識が必要です。
BIOS(Basic Input/Output System)は、コンピュータのマザーボード上のチップに格納されたソフトウェアで、電源投入時に最初に実行されます。

BIOSは、キーボードやマウスなどのハードウェアの設定、システムクロックの設定、メモリのテストなどを行います。その後、ドライブを検出し、ドライブ上のブートローダー(MBRまたはGPTパーティションテーブル)を読み込みます。
PCの電源を入れたとき、通常はPCメーカーやマザーボードメーカーのロゴが表示されますよね。
ロゴの下に「BIOS設定画面を開くには○キーを押してください」というメッセージが表示されることも多いです。このキーはDelete、Esc、F2キーであることが多いですが、メーカーによって異なります。
前述の通り、BIOSには主に2種類あります。Legacy BIOSとUEFI BIOSです。


Legacy BIOSは古いタイプで、完全にキーボード操作のみで動作します。UIはシンプルで、背景色は黒または青(いわゆるブルースクリーン)であることが多いです。
UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)は、新しい世代のBIOSと捉えることができます。ファンの回転数、温度、CPUクロック速度などをグラフィカルに表示し、マウスやトラックパッドで操作できる場合もあります。
MBR・GPTとBIOSの関係
MBRは古い規格であるため、Legacy BIOSシステムと組み合わせて使用されます(Legacy BIOSはMBRパーティションのドライブしかアクセスできません)。これは必ずしも悪いことではなく、Legacy BIOSの方が対応機種が多いという利点があります。
しかし繰り返しになりますが、MBRパーティションの最も明白な制限は、2TBまでのドライブしか扱えない点です。
新しいGPT規格はUEFI BIOSシステムと組み合わせられます。GPTとUEFI BIOSの対応状況はまだMBR/Legacy BIOSほど普及していませんが、着実にシェアを伸ばしています。
より多くのメーカーがUEFI BIOSへ移行しており、それに伴いドライブにも新しいGPTフォーマットが求められるようになっています。ただし、GPTフォーマットのドライブが必要になる代わりに、大幅に高い最大容量と最大128パーティションというメリットが得られます。
まとめ
MBRとGPTパーティションの違いを理解することは、玉ねぎの皮を剥くように何層にも分かれていますが、この記事が皆さんの理解の一助となれば幸いです。
MBRとGPTの違いを手軽に確認したい方のために、早見表を用意しました。
| MBR | GPT | |
|---|---|---|
| 最大容量 | 2TB | 9.7ZB(約97億TB) |
| 最大パーティション数 | 26 | 128 |
| パーティション/起動データの保存場所 | ドライブの先頭 | ドライブ全体に分散 |
| 対応BIOS | Legacy BIOS | UEFI |
最後にひとつだけ。若い頃の筆者のような失敗はしないでください。パーティションをいじる前には必ずバックアップを取りましょう。いや、バックアップは2つ取っておくのが安全です。
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