iCloudとAppleエコシステムからの正しい乗り換え方法を徹底解説
iCloudとAppleのエコシステムからの移行を決意した理由は人それぞれでしょう。WindowsやAndroidへの乗り換えを考えている方もいれば、データの保存先についてより多くの選択肢と自由度を求めている方もいるはずです。
理由が何であれ、AppleとiCloudのエコシステムから抜け出すこと自体はそれほど難しくありません。ただし、いくつかのステップを踏む必要があります。
ご安心ください。この記事ではその手順を丁寧に解説します。iCloudをどれだけ長くデータ保存に使っていても、すべてのデータを自分で選んだ新しい場所へ移行できます。
連絡先とカレンダーの移行
連絡先の移行方法は複数あります。名前と電話番号を手作業で書き写して、新しいスマホに一つずつ登録する時代はもう終わりました。連絡先が数件だけという方はほとんどいないでしょうし、すべて手動で移す時間も労力もありません。
代わりに、PCやノートパソコンからiCloud.comにサインインすれば、作業は格段に楽になります。
iCloudで「連絡先」をクリックすると、iPhone・iPad・Macの連絡先の最新リストが表示されます。キーボードのControlキーを押しながら、エクスポートしたい連絡先をカーソルで選択していきましょう。
選択が完了したら、画面左下の「歯車」ボタンをクリックし、「vCardを書き出す」を選択します。これで連絡先がすべてPCにダウンロードされるので、その後iCloudから削除しても問題ありません。
VCFファイルは、ほぼすべてのサービスにインポートできます。
例えば、ブラウザでcontacts.google.comにアクセスします。左メニューの「インポート」を選択し、「ファイルを選択」をクリック。先ほどダウンロードしたvCardファイルを選んで「インポート」を押せば完了です。
あるいは、FinderやiTunes経由で連絡先を同期する方法もあります。その場合は、まずiCloud同期を無効にする必要があります。iPhoneの「設定」から「iCloud」を選び、「連絡先」のトグルをオフにしてください。
次に、パソコンのFinderまたはiTunesを開き、iPhoneを接続します。概要ページで「情報」を選択すると、連絡先の自動同期が始まります。同期先のプラットフォーム(Windows、Outlook、Googleなど)を選択すれば、あとはパソコンが処理してくれます。
この方法はカレンダーの同期にも使えるため、GoogleやWindowsなど、好きなプラットフォームへカレンダーを移行できます。
Macの場合はiTunesにアクセスできません。その場合は、iOSデバイスにGoogleカレンダー(無料)をダウンロードしてログインし、以下の手順に従ってください。
- 左上のハンバーガーアイコンをタップします。
- メニュー下部の「設定」をタップします。
- 「アカウントを管理」をタップします。
- 「アカウント > iPhone」で「iCloud同期」をオンにします。
これでカレンダーのデータがGoogleカレンダーに取り込まれ、Mac・Windows PC・どんなスマホからでもアクセスできるようになります。
音楽ファイルをiTunesから取り出す
スマホを乗り換えるなら、音楽ファイルをiTunesから取り出して新しいスマホに移すのは、ほんの数ステップで完了します。
まず、新しいスマホをストレージデバイスとしてPCに接続し、エクスプローラーで開いてMusicフォルダを見つけます。
次に、別のエクスプローラーウィンドウで「This PC > Music > iTunes > iTunes Media > Music」(Windowsの場合)を開き、iTunesから新しいスマホへファイルをコピーします。Macの場合はFinderを開き、「移動 > ホーム > ミュージック > iTunes」を選択してください。
これで完了です。
メールの移行
幸い、AndroidとWindowsのスマートフォンは、IMAPやPOP3アカウントと同様に、iCloud.comのメールアカウントをサポートしています。以下の手順に従えば、iCloudメールの送受信がそのまま可能になります。
Appleはサードパーティアプリに対して、アプリ固有のパスワードを要求します。ここでは例として、iCloudメールをGmailで使う場合を紹介します。
appleid.apple.comにアクセスしてiCloudアカウントにサインインします。「セキュリティ」セクションで「アプリ固有パスワードを生成」をクリックし、「Gmail」など分かりやすいラベルを付けましょう。
すると、ハイフンで区切られたパスワードが表示されます。ハイフンを含めずにGmailのIMAP・SMTP設定に入力することが非常に重要です。ハイフンを含めると動作しません。
次に、受信メール用のIMAP設定を行います。
- サーバー名: imap.mail.me.com
- SSL: はい
- ポート: 993
- ユーザー名: メールアドレスの@icloud.comより前の部分。例えばjohndoe91@icloud.comなら「johndoe91」
- パスワード: 生成されたアプリ固有パスワード(ハイフンなし)
受信設定が完了したら、送信メール用のSMTP設定を行います。
- サーバー名: smtp.mail.me.com
- SSL: はい
- ポート: 587
- SMTP認証が必要: はい
- ユーザー名: iCloudメールアドレス全体。例:johndoe91@icloud.com
- パスワード: アプリ固有パスワード(ハイフンなし)
これでiCloudメールアドレスがGmailに設定され、Gmailアプリから送受信できるようになります。
写真と動画の移行
写真や動画をGoogleへ移行したい場合は、Googleフォトアプリをダウンロードし、iCloudの写真をGoogleに移す手順に従ってください。
Googleフォトに移行したくない場合は、Dropboxを試すのも一つの手です。iPhoneにDropboxをダウンロードすると、写真や動画を自動検出して、同期するかどうか尋ねてきます。「はい」を選択し、PCやMacでDropbox.comにアクセスして、すべてアップロードされているか確認しましょう。
写真を自分宛てにメールで送る方法もありますが、かなりの時間がかかる作業になります。
個人データの移行
メール、メディア、カレンダー、連絡先をAppleのエコシステムから移行できたら、次はファイルや書類、ヘルスケアデータ、ウォレットデータ、iCloudバックアップなどの個人データを移行しましょう。
方法はいくつかあります。
ファイルと書類
FinderやiTunesですべてのファイルと書類を同期し、iCloudからPCの個人フォルダへ、あるいはGoogleドライブ・OneDriveなどのクラウドストレージへ、ドラッグ&ドロップで移動できます。
あるいは、写真や動画のときと同じように、自分宛てにメールで送ることも可能です。
ヘルスケアデータ
ヘルスケアデータは、健康状態の記録を長年積み重ねてきた人にとって非常に重要なものです。残念ながら、ヘルスケアデータの移行は簡単にはいかず、公式の方法は存在するものの、ほとんど上手くいきません。
最も確実なのは、保存されているヘルスケアデータを書き留めておき、移行先の新しいサービスに手動で入力することです。それでも自動転送を試したい場合は、以下の手順に従ってください。
- 「設定 > 一般 > 自動ロック」で「しない」に設定します。エクスポート中にiOSの画面がロックされると、処理が失敗しやすいからです。
- 「ヘルスケア」アプリを開き、右上のApple IDアイコンを選択します。
- 画面下部の「すべてのヘルスケアデータを書き出す」を選択します。
- 表示されるエクスポートメニューから送信先を選びます。自分宛てにメールで送る、利用中のファイルストレージに保存する、などが選べます。
ただし、GoogleスプレッドシートもMicrosoft Excelも、書き出されたXMLファイルを直接読み込んでスプレッドシートに入力することはできません。通常はサードパーティアプリを使った回避策が必要ですが、これらのアプリの成功率は非常に低く、オンラインの事例を見ても、XMLのエクスポートを試みたほとんどの人が予測不能な手間に悩まされています。
結局のところ、別のヘルスケアアプリへ乗り換えるか、Excelやスプレッドシートで作成した表にすべてのデータを手動入力するのが最善です。時間はかかりますが、少なくとも後でデータが失われる心配はありません。
ウォレットデータ
残念ながら、Appleはウォレットデータの扱いに厳しく、簡単なエクスポート手段が用意されていません。最善の方法は、取引履歴などのウォレットデータのスクリーンショットを撮り、スプレッドシートや家計簿アプリに手動で入力することです。
iCloudバックアップ
こちらも、サードパーティアプリなしでiCloudバックアップをエクスポートする簡単な方法はありません。最善の選択肢は、必要なデータだけを自分宛てにメールで送るなどして、手動で取り出すことです。
ゲームの進行状況の移行
モバイルゲーマーにとって痛いところですが、ゲームの進行状況を移行できる保証はありません。iOS、Android、その他のプラットフォームはまったく異なるファイル形式を使用しているため、進行状況の移行可否は完全にゲーム次第です。
幸い、ほとんどのモバイルゲームはソーシャルネットワーク経由の連携に対応しており、進行状況はクラウドストレージに保存されます。
Game Centerは進行状況を保存しません。ゲームアプリ自体は、プラットフォームに応じてPlayストアやApp Storeの購入履歴として保存されますが、各ゲーム内の実際の進行状況は通常デバイス側に保存されています。
選択肢は、個々のゲームを対応するソーシャルネットワークアカウント(通常はFacebook)に接続することです。その後、新しいスマホでFacebook経由で接続すれば、データが引き継がれるはずです。プレイ中のゲームがこの連携に対応していない場合、残念ながら進行状況は失われます。
メモ、リマインダー、パスワード
メモとリマインダーは、iCloudでオンにすれば自動的にクラウド経由で同期されます。「設定 > Apple ID > iCloud」に移動し、「メモ」と「リマインダー」をオンにしてください。PCからiCloudにアクセスすれば、メモとリマインダーを選択して新しいデバイスへ移動できます。
一方、パスワードは残念ながら移行できません。「設定 > Apple ID > iCloud」からアクセスできるiPhoneのキーチェーンは、すべてのパスワードをデバイス上に保存しますが、LastPassなどのパスワードマネージャーへエクスポートすることはできず、手作業で書き写せるパスワード一覧も表示されません。
最善の選択肢は、LastPassなどのパスワードマネージャーに乗り換えて、将来同じ状況に陥らないようにすることです。ただし、その際は多くのウェブサイトやアプリで「パスワードを忘れた」から再設定を行う必要があるかもしれません。
まとめ:Appleエコシステムからの卒業
これらの手順をすべて終えれば、Appleのエコシステムから解放され、新しいデバイスや代替サービスへ完全に移行できるはずです。
なお、iPhoneで購入したアプリは、新しいスマホで同じアプリを使いたい場合、再購入が必要になる可能性が高い点には注意しましょう。
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