Windows 10のユーザープロファイルを移行する方法を徹底解説
自分好みにPC環境を整えるには、かなりの時間と手間がかかります。設定が完了した頃には、最初に電源を入れたときの真っさらなOSとはまったく別物になっていることでしょう。
だからこそ、新しいPCへの移行や、同じマシン上でのアカウント複製は面倒な作業になりがちです。設定アプリの項目を一つひとつ確認したり、膨大なファイルや写真を転送したりするために何日も費やしたい人はいないはずです。
幸い、そんなに時間をかける必要はありません。Windows 10のユーザープロファイルは、実はとても簡単に移動できます。この記事では、試せるいくつかの方法をご紹介します。
まず知っておきたい基礎知識
各手法の解説に入る前に、背景となる仕組みについて簡単に説明しておきましょう。クリーンインストールしたWindows 10には、5〜6個のシステムフォルダーが作成されます。
- PerfLogs — システムのパフォーマンスや問題に関する記録が保存されるフォルダー
- Program Files — Windowsがほとんどのアプリをインストールする場所
- Program Files (x86) — x64以外のアプリケーションがインストールされる場所(x64コンピューターのみ存在)
- Windows — OS本体のファイルとデバイスドライバーが格納されるフォルダー
- ProgramData — 一部のアプリケーションのデータや設定が保存される場所
- Users(ユーザー) — 個人のファイルやメディア、そして重要なAppDataフォルダーの所在地
技術的には、これらのフォルダーはどれでも新しいマシンへ移動できます。しかし実際には、PerfLogs、ProgramData、Program Files、Program Files (x86)、Windowsを移動するのは避けるべきです。移動先で多くの変数が絡み、問題が発生するリスクが高すぎます。
一方で、Users(ユーザー)フォルダーだけは移動可能です。以降では、このフォルダーに焦点を当てて解説していきます。
「Windows 転送ツール」は廃止された
以前のバージョンのWindowsでは、ユーザーフォルダーの移動は簡単でした。Microsoft純正の「Windows 転送ツール(Windows Easy Transfer)」というツールがOSに同梱されており、データファイルやフォルダー、ユーザーアカウント、Windowsとアプリの設定情報、レジストリデータまでまとめて移動できたのです。
しかしこのツールは、Windows XPからWindows 8.1まで長年搭載されながら、現在は廃止されました。そのため、代わりの方法を使う必要があります。以下に、特におすすめの3つの方法を紹介します。
注意:次に紹介するいずれの手順を実行する前に、必ずシステムの復元ポイントを作成し、すべてのデータの完全なバックアップを取ってください。
同一PC内の別ドライブへの移動方法
まずは、同じマシン内の異なるドライブへフォルダーを移動する方法を見ていきましょう。
このテクニックは、SSDとHDDを両方搭載している場合に特に役立ちます。SSDは容量が限られているうえ、書き込み回数が多いと劣化しやすいため、ユーザーフォルダーはHDD側に置く方が賢明です。
作業を始めるには、「Profile Relocator」という無料のサードパーティーツールをダウンロードします。インストール不要のポータブルアプリなので手軽に使えます。
アプリを起動すると、「Unsupported operating system, continue at own risk.(サポート対象外のOSです。自己責任で続行してください)」という警告メッセージが表示されます。これは無視してチェックボックスにチェックを入れ、先へ進みましょう。
次の画面でフォルダーの新しい保存先を選択し、Startボタンをクリックすれば、あとはアプリが自動的に処理してくれます。
補足:この設定を行うと、今後作成される新しいプロファイルはすべて、指定した移動先に保存されるようになります。
新しいPCへの引っ越し方法
Profile Relocatorは1台のマシン内でのファイル移動に便利ですが、まったく別のコンピューターへ移行したい場合はどうすればよいのでしょうか。結論から言うと、別のツールが必要になります。
おすすめは「Transwiz」です。Profile Relocatorと同様、ダウンロードも利用も完全無料です。
このアプリを使用するには、プロファイルが現在ある元のマシンと、移行先のマシンの両方にダウンロードしてインストールしておく必要があります。
なお、元のPCにユーザープロファイルが1つしかない場合は、新たにもう1つ作成してください。このアプリは使用中のプロファイルを転送できないためです。使用中のプロファイルを転送しようとすると、「The profile is currently in use.(プロファイルは現在使用中です。転送するには、ユーザーがサインオフしていることを確認してから再試行してください)」というエラーメッセージが表示されます。
最初の画面で、操作しているのが元のPCか移行先のPCかを尋ねられるので、I want to transfer data to another computer(別のコンピューターにデータを転送したい)を選択します。
続いて、移動したいプロファイルを選択してNextをクリックし、作成されるZIPファイルの保存先を指定します。プロファイルを覗き見から守るためのパスワードを設定するかどうかも、ここで尋ねられます。
アプリがプロファイルをZIPフォルダーに圧縮します。ユーザープロファイルのサイズによっては、数分かかることもあります。
処理が完了したら、ZIPファイルをUSBメモリーに保存しましょう。
次に移行先のPCでアプリを起動します。今度は最初の画面でI have data I want to transfer to this computer(このコンピューターに転送したいデータがある)を選択し、ZIPファイルの場所を指定するよう求められます。
次の画面では、プロファイルに新しい名前を付けたり、そのプロファイルをPCの既定のプロファイルにするかどうかを決めたりできます。内容に問題がなければNextをクリックします。
あとはTranswizがプロファイルを展開するのを待つだけです。処理が完了すると、サインイン画面から作成したプロファイルにログインできるようになります。
Transwizは、ユーザーフォルダーをPC間で移動する以外にも、さまざまな機能を備えています。役立ちそうな機能をいくつか紹介しましょう。
- Windows XPやVistaからの移行の場合、ユーザープロファイルをWindows 7、8、10互換の形式に変換できる
- プロファイルのバックアップ機能があり、外部ドライブ、内部ドライブ、各種リムーバブルメディアにバックアップを作成できる
- 有料のPro版では、コマンドラインインターフェース、複数プロファイル対応、ファイル除外機能などが使える
オールインワンの解決策が必要なら
ユーザープロファイルだけでなく、他のファイル、設定、複数のプロファイル、アプリケーションまでまとめて移したい場合は、45ドルの有料ツール「PCmover Express」が最適です。驚くことに、この高価なアプリこそがMicrosoft公認のソリューションであり、事実上、Windows 転送ツールの正式な後継製品にあたります。
強力で総合的なツールであることは間違いありませんが、一度きりの作業のために高い費用を払う必要があるのは、ほとんどの個人ユーザーにとって過剰でしょう。検討すべきなのは、複数のアカウントやソフトウェアをまとめて移行したい場合、たとえば従業員のPCを一斉に入れ替える中小企業のオーナーなどです。
あなたはどのツールを使っている?
今回はユーザープロファイルの移動に役立つ3つのツールを紹介しましたが、同じ目的で使えるツールは他にもあります。
上級者であれば、クリーンインストール、監査モード(Audit Mode)、メモ帳、コマンドプロンプトを駆使してフォルダーを移動することも可能ですが、その手順は本記事の範囲を大きく超えてしまうため割愛します。
あなたはディスク間やマシン間でユーザープロファイルを簡単に移行するために、どんな方法を使っていますか?ぜひコメント欄でアイデアを共有してください。
画像クレジット:Milan Ilic Photographer/Shutterstock
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