【初心者向け】Hyper-Vを使ってWindows 10でLinuxディストリビューションを実行する方法
Windowsのすべての機能を探索し終えたと思った矢先、さらに楽しめる隠れた機能が現れることがあります。例えば、Microsoft純正のソフトウェアだけで、Windows上でUbuntuをはじめとする各種Linuxディストリビューション——さらには他のOSまで——を実行できることをご存じでしたか?この記事では、その具体的な手順を詳しく解説します。
Hyper-Vとは?Microsoftが提供する仮想化ソリューション
あなたは今、OSがインストールされたコンピュータでこの記事を読んでいるはずです。コンピュータの基本的な役割は、ユーザーがファイルを閲覧・編集・実行できる閉じた環境を作り出すことにあります。しかし、1台のPCに複数のOSを導入しているユーザーは、実はごく少数派です。
注意: Microsoftによると、Hyper-VはWindows 8以降の64bit版Professional、Enterprise、Educationエディションでのみ利用可能です。Homeエディションでは使用できませんので、事前にご自身のエディションをご確認ください。
一見不要に思えるかもしれませんが、仮想マシン(OSを含むディスクイメージ全体をシミュレートするプログラム)は、一般ユーザーにもパワーユーザーにも驚くほど実用的なツールです。安定性が未知数のソフトウェアを安全に試したい、迷惑なテレマーケティング業者への対応用に隔離環境が欲しい、Windowsデスクトップから快適にLinuxディストリビューションを体験したい——こうした用途はほんの一例にすぎません。
本題に入る前に、押さえておきたいポイントを1つ。新しいLinuxディストリビューションを試したい場合でも、ハードディスクをフォーマットしたり、デュアルブート環境を構築したりする必要は一切ありません。サードパーティ製のインストーラーすら不要です。
Hyper-Vのインストール手順
Hyper-Vのインストール方法はいくつかありますが、最も簡単なのはPowerShellとWindowsの機能を使う2つの方法です。
PowerShellを使う場合: スタートメニューを開き、「powershell」と入力します。検索結果の「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行」を選択し、以下のコマンドを入力してください。
Enable-WindowsOptionalFeature -Online -FeatureName:Microsoft-Hyper-V -All
Enterキーを押すと、Hyper-Vのダウンロードが開始されます。
GUI(グラフィカルインターフェース)を使う場合: スタートメニューに「windows features」と入力し、「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択します。
一覧から「Hyper-V」にチェックを入れ、「OK」をクリックすればダウンロードとインストールが完了します。
なお、BIOS/UEFIでCPUの仮想化機能(Intel VT-xまたはAMD-V)が無効になっている場合は、事前に有効化しておく必要がありますので、Hyper-Vが認識されない場合はそちらも確認してみてください。
Hyper-VでLinuxを実行する
それでは早速始めましょう。仮想マシンソフトウェアの経験がある方なら、Hyper-Vの操作はすぐに慣れるはずです。初めての方でも、仕組みはシンプルなので安心してください。まず「Hyper-V マネージャー」を開きます。スタートメニューに「hyper v」と入力すれば、該当アプリが表示されます。
次に、ISOイメージから仮想マシンを作成します。ウィンドウ左側の「DESKTOP」(Hyper-Vマネージャーの直下)を右クリックし、「新規」→「仮想マシン」を選択してください。ウィンドウ右側の「操作」メニューからも同じ操作が可能です。
これで「仮想マシンウィザード」が起動し、作成プロセス全体を順番に案内してくれます。
ウィザードに沿って進めながら、以下の2項目には特に注意しましょう。
- メモリの割り当て: 仮想マシンに起動時のRAM容量を割り当てます。このRAMは仮想マシンの実行時に確保されるため、割り当て量が仮想マシン全体の速度を左右します。完璧な性能よりも実用性を優先するのがおすすめです。目安としては、4GBあれば標準的なアプリケーションが快適に動作し、リソースを大量に消費するゲームなどでも8GB程度あれば十分です。仮想マシンをスムーズに動かしたい場合は、「この仮想マシンに動的メモリを使用する」オプションに必ずチェックを入れましょう。
- 仮想ハードディスクの接続: 「仮想ハードディスクを作成する」を選択します。「サイズ」を設定する際は、OS本体のサイズに加えて、ファイルやプログラム用の余裕分も含めて指定してください。例えばWindows 10の64bit版だけでも約20GBを消費します。
さらに進んで「インストールオプション」の画面に到達したら、「ブート可能なCD/DVD-ROMからオペレーティングシステムをインストールする」を選択します。続けて「イメージファイル(.iso)」のラジオボタンをオンにし、「参照」ボタンからお好みのISOファイルを指定しましょう。
上記の例では「Elementary OS」を使用しています。無料で利用でき、洗練されたデザインが魅力のLinuxディストリビューションです。もちろん、UbuntuやFedoraなど、好きなISOファイルを自由に選べます。
仮想マシンの起動と使い方
仮想マシンを作成したら、実際に使用するために起動して接続する必要があります。
メインの「仮想マシン」画面に、作成したOSが一覧表示されているはずです。対象の仮想マシンを右クリックして「開始」を選択すると、仮想マシンが起動します。「状態」が「実行中」に変わったら、再度右クリックして「接続」を選択してください。これでISOイメージが開き、インストール画面が表示されます。
あとは、普段どおりの手順でOSをインストールするだけです。これで、Microsoft純正の仮想マシン環境でLinuxディストリビューションを自由に操れるようになりました。Linuxの最大の魅力は、なんといっても選択肢の豊富さです。デザイン重視の美しいディストリビューションから、開発者向けの本格的なものまで、あなたのニーズにぴったり合う1つが必ず見つかるはずです。
「Windowsの中にLinuxが!」
1つのOSより素晴らしいものは何でしょうか?答えは、信頼できる1つのアプリケーションの中で連携して動作する2つのOSです。これで、安定版かどうかにかかわらず、安全な隔離環境でLinuxディストリビューションをお試しできます。もちろん、Linux以外のOSでも同じことが可能です。さあ、今すぐ試してみませんか?
なお、Linuxを本格的に体験するもう1つの定番手段として、Windowsとのデュアルブート環境の構築もあります。パフォーマンスを最大限に引き出したい方は、こちらも検討してみてください。
あなたのお気に入りの仮想マシンソフトウェアは何ですか?ぜひコメント欄でお知らせください!
-
Windows 10の仮想デスクトップ活用ガイド|作成・切り替え・削除の基本とショートカット
仮想デスクトップを活用すれば、物理的なディスプレイの制限を超えて、仮想ワークスペースを自由に管理できます。アプリやウィンドウを用途ごとに整理し、素早くアクセスできるため、特にモニターが1台しかない環境で大きな効果を発揮します。 仮想デスクトップは、デスクトップ領域を拡張してくれる仕組みです。関連するウィンドウをデスクトップごとにグループ化できるので、目的のウィンドウやウィンドウ群へ素早く移動・切り替えが可能になります。作業内容の変化に合わせて、グループの再編成やウィンドウの移動も簡単に行えます。 たとえば私自身は、常に2〜3個の仮想デスクトップを使い分けています。1つは個人用アプリと仕事用アプ
-
Windows 10のタスクビュー機能を使いこなす方法|仮想デスクトップとタイムライン活用ガイド
Windows 10の「タスクビュー」は、起動中のアプリを素早く切り替えられる機能です。さらに、仮想デスクトップの管理や、過去の作業の再開にも対応しており、複数のファイルやアプリケーションを同時に扱うマルチタスク作業を大幅に快適にしてくれます。アプリケーション間の移動も、複数のデスクトップ間の移動も、シームレスに行えます。 2018年4月の大型アップデート(April 2018 Update)以降、タスクビューには「タイムライン」という新機能が追加されました。これはいわばPC版のタイムマシンのようなもので、Microsoftアカウントでサインインしていれば、過去に自分のPCや他のPCで行ってい