Windows 8.1/8で複数の同時RDPセッションを有効にする方法
Windows 8および8.1では、従来のMicrosoftクライアントOSと同様に、同時に受け付けられるRDP接続は1つだけです。つまり、リモートデスクトップを使って同時に接続できるのは1人のユーザー(1セッション)のみとなります。多くの場合これで十分ですが、複数のリモートユーザーがそれぞれ自分のセッションで同時に作業できれば便利な場面もあります。例えば、PCをメディアセンターとして使い、本体のコンソールセッションで動画を再生しながら、テレビの再生を中断することなくリモートで作業したいケースなどが良い例でしょう。
前提条件と注意事項
ヒント: RDPによるリモートアクセスにはWindows 8のProまたはEnterpriseエディションが必要で、Homeエディションでは利用できません。
Windows 8.1 / 8のPCに対して2つ目のRDPセッションを開始しようとすると、「別のユーザーがサインインしています。続行すると、そのユーザーは切断されます」というメッセージが表示されます。

ヒント: 事前に、コンピューターのプロパティの「リモート」タブでRDPアクセスを有効にし、必要なユーザーアカウントをローカルグループ「Remote Desktop Users」に追加しておきましょう。ローカルのAdministratorsグループに属するユーザーは、デフォルトでリモートRDPアクセスが許可されています。また、システムプロパティでRDPを有効にすると、WindowsファイアウォールはローカルTCPポート3389への着信トラフィックを許可するルールを自動的に有効化します。環境によっては、このルールを手動で確認する必要がある場合もあります。
ちなみに、サーバー版のWindowsでは、個別のセッションを持つ2つの同時管理接続が標準でサポートされています(ターミナルRDSサーバーとして構成すれば、さらに多くの同時接続が可能です)。
制限を解除するパッチについて
この制限を回避できる特別なパッチがWeb上で公開されています。このパッチを適用すると、複数のユーザーがRDP経由でWindows 8 / Windows 8.1のPCに同時に接続できるようになります。
重要: このパッチの使用は、Microsoft製品のライセンス契約および使用条件に違反します。以下で説明するすべての操作は、自己責任で行ってください。
パッチは、リモートデスクトップサービスが使用するシステムファイル %SystemRoot%\System32\termsrv.dll を修正済みのものに置き換える仕組みです。
修正済みライブラリのダウンロードリンクは以下の通りです。
- Windows 8 – windows8-termsrv.dll.zip
- Windows 8.1 – windows8.1-termsrv.dll.zip
手順1:元のtermsrv.dllをバックアップする
ライブラリを置き換える前に、必ず元のtermsrv.dllをバックアップしましょう。コマンドプロンプトで以下を実行します。
copy c:\Windows\System32\termsrv.dll termsrv.dll_old

こうしておけば、何か問題が発生したときも、現在のファイルをバックアップした termsrv.dll_old に戻すことで、いつでも元の状態へロールバックできます。
次に、お使いのWindowsバージョンに対応したパッチ適用済みtermsrvライブラリのアーカイブをダウンロードしてください。
手順2:レジストリ値を変更する(Windows 8の場合)
Windows 8では、まず HKLM\System\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\ にある以下のキーの値を変更します。
- fDenyTSConnections(DWORD)— 0(PCのRDPを有効にするためのキー)
- fSingleSessionPerUser(DWORD)— 0(ユーザーごとの単一セッション制限を解除)

同じ操作は、コマンドプロンプトから以下のコマンドでも実行できます。
REG ADD "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server" /v fDenyTSConnections /t REG_DWORD /d 0 /f
REG ADD "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server" /v fSingleSessionPerUser /t REG_DWORD /d 0 /f
手順3:termsrv.dllのアクセス権限を変更する
次に C:\Windows\System32 フォルダーを開き、termsrv.dll ファイルを見つけてプロパティを表示します。

デフォルトでは、このファイルの所有者は TrustedInstaller になっており、管理者権限を持っていてもファイルを置き換えることはできません。

「セキュリティ」タブを開き、「編集」ボタンをクリックします。アクセス許可の一覧からローカルのAdministratorsグループを選択し、このファイルへの「フルコントロール」を付与して変更を保存します。

手順4:サービスを停止してファイルを置き換える
ファイルを置き換える前に、サービス管理コンソール(services.msc)を開き、「Remote Desktop Services」を停止します。

その後、ダウンロードしたアーカイブから、お使いのWindowsバージョン用のtermsrv.dllを %SystemRoot%\System32\ へコピーします(上書き)。
注意: Windows 8.1 用のアーカイブには、32ビット版と64ビット版それぞれに対応した 32_termsrv.dll と 64_termsrv.dll の2つのファイルが含まれています。アーカイブを解凍し、お使いのシステムに合った方のファイル名を termsrv.dll に変更してから使用してください。
手順5:動作を確認する
ファイルを置き換えたら、Remote Desktop Servicesを起動し、パッチを適用したPCに対して異なるアカウントから2つのRDPセッションを確立してみてください。すべて正しく設定されていれば、2つの独立したリモートデスクトップセッションが開くはずです。

ヒント: 設定を反映させるために、PCの再起動が必要な場合があります。
パッチ適用の注意点とより安全な代替策
重要な注意点! パッチ適用済みのtermsrv.dllを使用することにはいくつかの欠点があります。最大の問題は、Windows 8.1 / 8のセキュリティ更新プログラムを適用すると、このファイルが上書きされてしまう可能性があることです。その場合は、新しいファイルをHEXエディターで自分で修正するか、お使いのWindowsビルドに対応した修正済みの termsrv.dll をインターネットで探し直す必要があります。
Windowsアップデートによるtermsrv.dllの上書きを避けたい場合の安定的な解決策としては、オープンソースの RDP Wrapper Library(GitHubで公開)の利用をおすすめします。このツールはtermsrv.dllを置き換えることなく、ターミナルサービスとSCM(サービスコントロールマネージャー)の間で動作するレイヤーとして機能するため、アップデートの影響を受けにくいのが特徴です。RDP Wrapper Libraryの詳細な使い方は、こちらの関連記事を参照してください。
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