【Flutter】アプリ内アップデートの実装方法:新バージョンをユーザーに効果的に通知する2つのパッケージ徹底解説
新しいバージョンのアプリをリリースするとき、必ずユーザーにそのことを知ってほしいものです。重大なバグを修正したのか、新しい機能を追加したのか、あるいはアプリがよりスムーズに、より速く動くようになったのか――どんな内容であれ、ユーザーに伝える必要があります。
アプリ開発者として、すべてのユーザーに最新バージョンを使ってほしいと考えるのは自然なことです。
では、どうすればユーザーに新しいバージョンの存在を確実に知ってもらえるのでしょうか?
答えはシンプルです。新バージョンがリリースされたときに、アプリ内で直接通知すればよいのです。
その方法は主に2つあります。
- プッシュ通知を利用する
- アプリ起動時に知らせる
本記事ではプッシュ通知については扱わず、パッケージを活用してダイアログを表示し、「新しいバージョンが利用可能であること」と「アップデートへの対応方法」をユーザーに伝える方法に焦点を当てて解説します。
OS標準機能ではダメなの?
こうした機能は、モダンなモバイルOSにはすでに組み込まれていると思われるかもしれません。実際、その通りですが、Androidだけの話です。
iOSは(現時点では)開発者がアプリの新バージョンを検出してユーザーに通知する仕組みを提供していません。一方Androidには、Google Playライブラリの一部として「In-App Update(アプリ内アップデート)」ライブラリが用意されています。
そこで、Flutterが両プラットフォームをサポートしていることも踏まえ、アプリのバージョン更新処理に役立つ代表的な2つのパッケージを紹介します。
- Upgrader
- In App Update
どちらも目的の結果は得られますが、その実現方法は大きく異なります。
重要な前提条件
始める前に、テスト対象のアプリがGoogle Playストアから直接インストールされたものである必要がある点を理解しておきましょう。これは、両パッケージともGoogle Playサービスに依存しており、アプリの所有者確認を行うためです。
この条件を満たしていない場合、パッケージ使用時に次のようなエラーが発生します。
Install Error(-10): The app is not owned by any user on this device.
An app is "owned" if it has been acquired from Play.
In App Update パッケージの使い方
まず知っておくべき点として、このパッケージはAndroidでのみ動作します。内部でAndroidのアプリ内アップデートライブラリに依存しているためです。
このパッケージは、事実上Androidライブラリのラッパーであり、以下のAPIメソッドが公開されています。
Future<AppUpdateInfo> checkForUpdate(): アップデートが利用可能かどうかをチェックするFuture<AppUpdateResult> performImmediateUpdate(): 即時アップデート(フルスクリーン表示)を実行するFuture<AppUpdateResult> startFlexibleUpdate(): 柔軟なアップデート(バックグラウンドダウンロード)を開始するFuture<void> completeFlexibleUpdate(): 利用可能な柔軟なアップデートを実際にインストールする
✋ 即時アップデートと柔軟なアップデートの違いについて詳しく知りたい方は、Googleの公式ドキュメントを参照してください。
パッケージのセットアップ
まず、pubspec.yamlファイルにパッケージを追加します。
dependencies:
flutter:
sdk: flutter
in_app_update: ^3.0.0
その後、flutter pub getを実行します。
アプリ内でアップデート処理を行いたい箇所に、次のインポート文を追加します。
import 'package:in_app_update/in_app_update.dart';
最初に、アプリにアップデートがあるかどうかをチェックするロジックを追加します。これにはcheckForUpdateメソッドを使用します。戻り値はFutureで、アップデートの利用可能性や進行状況に関する情報を含んでいます。
updateAvailabilityプロパティを使えば、アップデートが利用可能かどうかを判定できます。アップデートが利用可能な場合、この値はUPDATE_AVAILABLEになります。したがって、メソッドは次のようになります。
InAppUpdate.checkForUpdate().then((updateInfo) {
if (updateInfo.updateAvailability == UpdateAvailability.updateAvailable) {
// アップデートを実行するロジック
}
});
次に、即時アップデートと柔軟なアップデートのどちらをトリガーするかを決める必要があります。
即時アップデートは、ユーザーにとって重要なアップデートのためのものであるべきです。たとえば、重大なバグを修正するバージョンや、重要な新機能を提供するバージョンなどが該当します。
即時アップデートを開始するには、performImmediateUpdateメソッドを使用します。このメソッドはAppUpdateResult列挙型を返し、アップデートが成功したかどうかを教えてくれます。
このメソッドを呼び出す前に、即時アップデートが許可されているかどうかを確認する必要があります。それは、AppUpdateInfoオブジェクトのimmediateUpdateAllowedフラグにアクセスすることで行えます。
柔軟なアップデートをトリガーしたい場合は、startFlexibleUpdateメソッドを使用します。これはバックグラウンドで動作し、即時アップデートメソッドと同様にAppUpdateResult列挙型を返します。
この場合、アップデートが成功したら、completeFlexibleUpdateメソッドを呼び出して、アップデートをアプリにインストールする必要があります。
以上のコードをまとめると、各タイプのアップデートのロジックを含めたコードは次のようになります。
InAppUpdate.checkForUpdate().then((updateInfo) {
if (updateInfo.updateAvailability == UpdateAvailability.updateAvailable) {
if (updateInfo.immediateUpdateAllowed) {
// 即時アップデートを実行
InAppUpdate.performImmediateUpdate().then((appUpdateResult) {
if (appUpdateResult == AppUpdateResult.success) {
// アップデート成功
}
});
} else if (updateInfo.flexibleUpdateAllowed) {
// 柔軟なアップデートを実行
InAppUpdate.startFlexibleUpdate().then((appUpdateResult) {
if (appUpdateResult == AppUpdateResult.success) {
// アップデート成功
InAppUpdate.completeFlexibleUpdate();
}
});
}
}
});
Upgrader パッケージの使い方
1つ目のオプションとは対照的に、こちらはiOSとAndroidの両方に対応したソリューションです。ストアからデータを収集し、アプリ自体の現在の情報と照合することで動作します。
データを照会するためのAPIを持つ代わりに、このパッケージはロジックを内部で処理するウィジェットを提供しています。
パッケージのセットアップ
まず、pubspec.yamlファイルにパッケージを追加します。
dependencies:
flutter:
sdk: flutter
upgrader: ^5.0.0
その後、flutter pub getを実行します。
アプリ内のアップデート処理を行いたい箇所に、次のインポート文を追加します。
import 'package:upgrader/upgrader.dart';
両者の主な違いはUIの部分にあるので、自分に合った方を選びましょう。
このパッケージを統合するには、bodyウィジェットをUpgradeAlertまたはUpgradeCardでラップする必要があります。以下はその例です。
class MyApp extends StatelessWidget {
@override
Widget build(BuildContext context) {
return MaterialApp(
title: applicationName,
home: UpgradeAlert( /// <------------------
child: MainPage(
key: Key("YOUR_KEY"),
title: applicationName
),
)
);
}
}
ストアに新しいバージョンが存在する場合、ユーザーの画面にはアップデートを促すダイアログが表示されます。
テスト時の注意点
動作をテストする際は、main.dartファイルのmainメソッド内に次のコードを追加してください。
await Upgrader.clearSavedSettings();
なお、Upgraderパッケージには非常に多くの設定項目があります。詳細は公式ドキュメントで確認することを強くおすすめします。
パッケージのテスト方法
どちらのパッケージを選んでも、ロジックが正しく機能することを確認する必要があります。
しかし、公式版をリリースせずにどうやってテストすればよいのでしょうか? 答えは、Google Play Consoleの「内部テスト」機能を使うことです。内部テスター向けにアプリの新バージョンをリリースすれば、公開版にはならず、アップグレード機能をテストできます。
手順は以下の通りです。
- Google Play Consoleアカウントにログインし、アップデートロジックを実装したアプリのページに移動します。
- [設定] → [アプリ内共有] から [テスターを管理] を開き、テスターが共有アプリをダウンロード・インストールできるようにします。リンク経由でもメールでも設定できます。
- 次に、[テスト] → [内部テスト] に移動し、右上の [新しいリリースを作成] ボタンをクリックします。
- リリースを作成したら、内部テストのメインページに戻り、[テスター] タブをクリックします。そこにテスターのメールアドレス一覧が表示されるので、青い矢印アイコンをクリックします。
- この画面で、[メールアドレスを追加] から自分自身を内部テスターとして登録できます。
- 完了したら、内部テスト画面に戻り、一番下までスクロールすると [テスターがテストに参加する方法] のセクションに [リンクをコピー] ボタンがあります。
このボタンをクリックして、自分宛てにリンクを送信すれば、アプリの新バージョンをダウンロードできるようになります。
よくあるエラーと対処法
上記の手順を1つでも飛ばすと、生成されたリンクは404エラー(ページが見つかりません)につながるので注意してください。
また、次のようなエラーが表示された場合は:
Install Error(-6): The download/install is not allowed, due to the current device state
(e.g. low battery, low disk space, …).
エミュレーター上でアプリを実行している可能性があります。エミュレーターにGoogle Playストアがインストールされ、ログイン済みであることを確認しましょう。
まとめ
本記事では、Flutterアプリにアプリ内アップデート機能を実装するための2つの主要パッケージ「Upgrader」と「in_app_update」を解説しました。
- Androidのみ対応で、Google Playのネイティブなアップデート体験を提供したいなら → in_app_update
- iOSとAndroid両方に対応させたいなら → upgrader
筆者自身も自作アプリにアプリ内アップデートパッケージを統合する際に同じプロセスを経験したことがあり、その経験をもとにこの記事を書きました。皆さんのアプリ開発の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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