PC不要!AndroidスマホだけでADBコマンドを直接実行する方法

公開日:2023年4月14日
ADB(Android Debug Bridge)は、コマンドラインからAndroidデバイスと通信できる強力なユーティリティです。ADBを使えば、アプリのインストール、不要なプリインストールアプリ(bloatware)の削除、システムアプリの無効化、特定アプリへの特別な権限の付与など、さまざまな操作が可能になります。
通常、ADBコマンドはUSBケーブルでPCと接続して実行するのが一般的ですが、実はPCがなくても、Android単体で同じ機能を提供するスタンドアロンアプリが存在します。この記事では、コンピューターなしでADBを使う方法を詳しく解説します。
ADB ShellアプリでADBコマンドを実行する
始める前に、デバイスがAndroid 11以降で動作していることを確認してください。それより前のバージョンの場合は、アップデートが配信されていないか確認し、適用しておきましょう。
本ガイドでは、Google Playストアから無料でダウンロードできる「ADB Shell」アプリを使用します。
ダウンロード:ADB Shell(無料、アプリ内課金あり)
ステップ1:Android端末で開発者向けオプションを有効にする
Android端末でADBを使用するには、まず「開発者向けオプション」を有効化する必要があります。設定アプリを開き、「デバイス情報」セクションに進み、「ビルド番号」の項目を見つけて7回連続でタップします。確認メッセージが表示されれば成功です。
ステップ2:ワイヤレスデバッグを有効にする
開発者向けオプションを有効にしたら、「設定 > システム > 開発者向けオプション」に移動し、「デバッグ」セクションまでスクロールして「ワイヤレスデバッグ」のトグルをオンにします。ポップアップが表示されたら「許可」をタップしてください。
なお、OnePlus端末の場合は、「ワイヤレスADBデバッグ」という項目があればそちらを有効にしてください。
ステップ3:ADB Shellアプリをインストールしてセットアップする
次に、Google PlayストアからADB Shellアプリをインストールして起動します。アプリを開くと、接続先デバイスの「IPアドレス」と「ポート」の入力が求められます。Android 11以降のデバイスを使用している場合は、「ペアモード」のトグルもオンにする必要があります。

では、IPアドレスとポートの情報はどこで確認できるのでしょうか?
- まず「設定 > システム > 開発者向けオプション」に移動します。
- 「デバッグ」セクションまでスクロールし、「ワイヤレスデバッグ」をタップして、「ペアリングコードでデバイスをペア設定する」を選択します。
- 表示される「デバイスのペア設定」ダイアログに、IPアドレスとポート番号が記載されています。後ほど必要になるWi-Fiペアリングコードもここに表示されます。
ステップ4:ADB Shellとワイヤレスデバッグを分割画面で開く
「デバイスのペア設定」ポップアップを閉じると、ペアリングコードやポート番号は変更されてしまいます。
ペアリング作業中にこれらの情報が変わらないようにするには、ADB Shellアプリとワイヤレスデバッグ画面を分割画面(スプリットスクリーン)モードで同時に表示しましょう。これにより、同じ画面上で2つのAndroidアプリを並行して操作できます。機種によって操作方法が異なるため、やり方がわからない場合はAndroidの分割画面モードの使い方ガイドを参考に設定してください。
ステップ5:IPアドレスとポートを入力する
分割画面モードを設定したら、ワイヤレスADBのためにAndroidデバイスをペアリングできます。
この時点で「デバイスのペア設定」ポップアップは閉じているはずなので、「ワイヤレスデバッグ」ページで再度「ペアリングコードでデバイスをペア設定する」を開きます。表示されているIPアドレスをADB Shellアプリの入力欄に入力し、コロンで区切られた5桁のポート番号も同様に入力します。「ペアモード」トグルが有効になっていることも忘れずに確認してください。
ステップ6:Wi-Fiペアリングコードを入力する
次に「ペア」ボタンをタップします。ヘルプページへ誘導するポップアップが表示された場合は「キャンセル」を押してください。
表示された画面にはターミナルウィンドウがあり、「ペアリングコードを入力」するよう求められます。「デバイスのペア設定」ポップアップに表示されていた6桁の「Wi-Fiペアリングコード」を入力し、入力欄の右側にある「Enter」ボタンを押しましょう。
これで準備完了です。ADB Shellで「ls」と入力してEnterを押すと、ペアリングが正常に完了しているか確認できます。このコマンドを実行すると、Androidデバイスの内部ストレージ内のフォルダとファイルの一覧が表示されます。
ステップ7:スマホでADBを使う
これで、アプリ内で一般的なADBコマンドを入力できるようになりました。たとえばFacebookのようなアプリを無効化したい場合は、パッケージ名を指定して以下のコマンドを実行します。
pm disable-user --user 0 com.facebook.katana
また、アプリに権限を付与したい場合は、ADBを使ってAndroidで権限を付与する方法のガイドが非常に役立ちます。
PCなしでADBを使えるその他のおすすめアプリ
ADB Shellは、コンピューターなしでAndroid上からADBを使える数少ないアプリの一つですが、他にも選択肢があります。別のアプリを試したい方は、以下をチェックしてみてください。
1. LADB

LADBは内蔵のADBサーバーを備えており、ワイヤレスADBデバッグ機能を最大限に活用できます。こちらもADB Shellアプリと同様に、分割画面でのセットアップが必要です。Playストアでは有料アプリですが、GitHubページではオープンソースとして公開されており、自分でコードをコンパイルできれば無料で利用することも可能です。
機能面では、ストレスなくADBコマンドを実行でき、困ったときのためのヘルプセクションも用意されています。特に、LADBを使えば隠しAndroid設定の変更や不要アプリの削除を、root化やPCなしで行えます。
さらに、以前接続したことのあるデバイスとは、再ペアリングなしで自動的に再接続してくれるのも便利なポイントです。
ダウンロード:LADB($2.99)
2. Bugjaeger Mobile ADB
Bugjaeger Mobile ADBは、USB経由とWi-Fi経由のADBコマンドを組み合わせて使える多機能アプリです。画面ミラーリング、スクリーンショット撮影、リモートデバイスでのADBコマンド実行、OTG経由で2台のAndroidデバイスを接続するなど、独自の機能が多数搭載されています。
他のアプリでは接続情報を手入力する必要がありますが、Bugjaegerではネットワーク上で検出されたADBデバイスを検索して接続できるのが特徴です。
使い勝手を向上させるため、多くのワンタップコマンドが用意されており、いちからコマンドを打ち込む手間がありません。Android上級者にとってはまさに総合的なツールボックスであり、カスタムコマンドショートカットを作成できる点も見逃せません。プレミアム版にはさらに多くの機能が用意されています。
ダウンロード:Bugjaeger Mobile ADB(無料、プレミアム版あり)
3. Remote ADB Shell
その名の通り、Remote ADB ShellはADBコマンドを実行して別のデバイスを操作するためのアプリです。旧式の「adb tcpip」接続方式を使用するAndroid 10以前のデバイスに適しています。基本的には、接続先デバイスのIPアドレスとデフォルトのポート番号「5555」があれば接続できます。
さらに嬉しいことに、複数デバイスへの同時接続に対応しており、アプリがバックグラウンドでも接続を維持してくれます。加えて、15件のコマンド履歴を保持しているため、過去のコマンドを再利用して時間と手間を節約できます。
ダウンロード:Remote ADB Shell(無料)
スマホから直接ADBを使おう
コンピューターなしでADBコマンドを実行できるAndroidアプリが揃っていることで、利便性は格段に向上しました。しかも、これらのアプリを最大限に活用するのに、Androidデバイスのroot化は必要ありません。ワイヤレスデバッグを使えば、断線したUSBケーブルを心配する必要もなくなります。
さあ、自分に合ったアプリを選んで、PCなしでADBコマンドを実行したいときの定番ツールにしましょう。
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