SNMPとは?意味や仕組み、基本コマンドをわかりやすく解説
SNMP(Simple Network Management Protocol:簡易ネットワーク管理プロトコル)とは、クライアント・サーバー型の通信プロトコルのことです。ネットワーク管理者が、ネットワークスイッチ、プリンター、電話機など、ネットワークに接続されたさまざまなデバイス(SNMPエージェントとも呼ばれます)の情報を収集するために使用します。
なお、Windows 10ではSNMPはデフォルトで無効になっており、Microsoftは代わりにCIM(Common Information Model)の利用を推奨しています。
ネットワークにおけるSNMPとは?
SNMPはクライアント・サーバー型のプロトコルです。つまり、ネットワーク管理者は「マネージャー」と呼ばれるSNMPサーバーをインストール・設定し、ネットワーク上のSNMP対応デバイスに関する詳細情報を継続的に収集する仕組みを構築する必要があります。
SNMPサーバーは、すべてのSNMPエージェントに関する情報を収集・保存します。このネットワーク管理プロトコルを活用すれば、過剰なネットワークトラフィックを発生させることなく、各デバイスのリアルタイム情報を簡単に収集できます。
SNMPエージェントとは、ネットワークに接続され、SNMPによるネットワーク監視をサポートするデバイスのことです。代表的なSNMPエージェントには以下のようなものがあります。
- パソコン
- プリンター
- ネットワークスイッチ
- ワイヤレスアクセスポイント
- VoIP電話機
- IPタイムクロック(IP対応勤怠管理時計)
SNMPの仕組み
各SNMPエージェントには、メーカーごとに異なりますが、ネットワーク管理者がSNMPコマンドでアクセスして情報を取得できるオブジェクトの一覧が用意されています。これらのデータは、SNMPサーバー上で以下のようなツリー構造で整理されます。
- 管理情報ベース(MIB):プリンターやパソコンなど、特定の種類のデバイスを整理して管理する最上位のグループです。
- ノード:各MIBの中には、ネットワーク上の個々のデバイスを表すノードが含まれます。
- オブジェクト識別子(OID):MIB内の個々のノードにアクセスするための固有のアドレスです。OIDを使うことで、管理者はノードに関する情報を要求するコマンドを発行できます。
SNMPサーバーでデバイスを監視するための条件は、そのデバイスがSNMPプロトコルに対応していることだけです。VoIP電話機やプリンターなど、多くのデバイスではSNMPが初期状態で有効になっています。一方、Windows 10のパソコンのように、手動で有効化が必要なデバイスもあります。具体的な手順は、各デバイスの取扱説明書を確認してください。
SNMPトラップとは?
SNMPプロトコルの最大のメリットは、消費するネットワーク帯域が非常に少ないことです。これは「トラップ」と呼ばれる仕組みによって実現されています。
一般的なクライアント・サーバーシステムでは、サーバーは中央データベースを更新するたびに、ネットワーク上の多数のデバイスへポーリング(情報の要求)を行います。しかし、ほとんどのネットワークには大量の情報を提供するデバイスが数多く存在するため、サーバーがそれらすべてを継続的にポーリングするのは非現実的です。そのような運用では、ネットワークのパフォーマンスが大幅に低下してしまいます。
そこでSNMPでは、ネットワーク上のすべてのSNMPデバイスが、要求されることなく自動的に情報を「トラップ」としてSNMPマネージャーへ送信します。SNMPクライアント・サーバーモデルにおける典型的な通信の流れは以下のとおりです。
- SNMPエージェントはイベントをトラップし、自発的な更新情報をSNMPマネージャーに送信します。
- SNMPマネージャーは、トラップイベントを受信すると、追加情報を求めるフォローアップ要求を自動的に送ることがあります。
- ネットワーク管理者は、SNMPマネージャーを使ってデバイスを手動でポーリングし、トラブルシューティングや管理作業を行えます。
このアプローチにより、ネットワークに負荷をかけることなく、大量の情報を効率的に監視・管理することが可能になります。
Windows 10でSNMPトラップを有効にするには、「設定」を開き、「アプリ」>「オプション機能」>「機能の追加」の順に進み、「Simple Network Management Protocol (SNMP)」を検索してインストールします。
基本的なSNMPコマンド
SNMPサーバーの設定が完了し、ネットワーク上にエージェントが配置されると、ネットワーク管理者はネットワーク監視ツールの一環として、複数のコマンドから目的に合ったものを選択して使用します。特によく使われるSNMPコマンドには以下のようなものがあります。
- GET:1つ以上の監視対象の値を取得します。
- GET NEXT:デバイスのMIBツリー内で次のOIDの値を取得します。
- GET BULK:大量のデータ値を一括で取得します。
- SET:デバイス上の変数に値を設定します。
さらに、監視対象のデバイスに応じて、デバイス固有のSNMPコマンドも用意されています。例えば、ネットワークスイッチを監視する場合、管理者は以下のコマンドを利用できます。
- Configure Terminal:コマンドプロンプトをグローバルコンフィギュレーションモードに切り替えます。
- Show Running-Config:現在の設定エントリを確認できる一覧を表示します。
- Copy Running-Config Startup-Config:実行中の設定を保存し、スイッチ再起動後も同じ設定が適用されるようにします。
利用可能なSNMPコマンドの一覧や詳細な使い方については、デバイスメーカーが公式ドキュメントを提供しています。詳しくは、メーカーのウェブサイトでユーザーマニュアルを確認してください。
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