Androidでプライバシーを守りながらFacebookを使う方法――超軽量アプリ「Tinfoil for Facebook」活用ガイド
近年、NSA(米国家安全保障局)による監視問題やユーザーデータの共有に関する報道が相次ぎ、オンライン上での自分の情報の扱いに不安を覚える人は少なくありません。実はスマートフォンも、私たちが想像する以上にさまざまな形で行動を追跡しています。
その代表格とも言えるのがFacebookです。ネット上のあらゆる行動を追跡していることで有名ですが、アカウントを完全に削除しなくても、追跡されずにFacebookへアクセスする方法はあります。それがAndroid向け代替アプリ「Tinfoil for Facebook」です。
まず「権限」について理解しよう
Androidの権限(パーミッション)は、スマートフォンとアプリの間にある唯一の防御ラインです。悪意あるアプリでも、侵入的な権限を許可してしまえば、トラブルの原因になり得ます。
これは単なる理論ではありません。懐中電灯アプリ「Brightest Flashlight Free」は、ライト機能にまったく不要な一連の権限を要求し、それを使ってユーザーの位置情報を取得して広告主に販売していました。影響を受けたのは5,000万人。彼らはアプリをインストールすることで自ら同意していたのです。Google Playにはこれ以外にも問題がありますが、権限が「全部かゼロか」である以上、インストールするアプリには細心の注意が必要です。
参考までに、同じ懐中電灯アプリでも「Holo Torch」のようにカメラへのアクセスだけで動作するものもあります。権限リストを見比べれば、その差は歴然です。
残念ながら、GoogleはPlayストアでの権限の表示方法を変更しました。個々の権限を詳しく示す代わりに、種類ごとにまとめた大まかな表示になっています。さらに、インターネットアクセス権限はあまりに一般的なため、目立たない「その他」グループへ移動されました。さらに厄介なことに、すでに承認済みの権限と同じグループに属する新たな権限であれば、ユーザーの承認なしにアップデートで追加されてしまうこともあります。
Facebook公式アプリが要求する膨大な権限
権限の重要性を踏まえて、本題のFacebook公式アプリを見てみましょう。どれほどの権限を求めているのか、その一覧はスクリーンショット4枚分に及びます。
具体的に整理すると、Facebookは以下へのアクセスを持っています。
- 連絡先・カレンダー: 端末内の連絡先の閲覧・変更・追加が可能。あなたの知り合いの情報を把握できます。
- 正確な位置情報: あなたが今どこにいるのかを常に把握できます。
- カメラ・マイク: いつでも写真や動画の撮影、マイクからの録音が可能です。
- SMS・通話: テキストメッセージや通話履歴の閲覧、電話番号への発信もできます。
- 内部ストレージ: ファイルの閲覧はもちろん、削除まで許可されています。
- ネットワーク等: 常時インターネット接続、壁紙の変更、他アプリ上への表示、ファイルのダウンロードなど、ユーザーに知られない細かな操作が可能です。
Facebookは一部の権限について説明を公開しています。
注目したいのがSMSアクセスの例です。「確認コードの自動入力」のような数秒を節約するだけの小さな利便性のために、テキストメッセージへの無制限アクセスを永久に許可する価値はあるでしょうか。一度許可すると、その権限は消えません。説明が真実だったとしても、何を求められているのかを真剣に考えるべきです。
他のアプリがここまでのアクセスを求めてきたら、ほとんどの人は敬遠するでしょう。しかし、ユーザーデータの活用で広告収益を上げることで知られるFacebookは、Androidアプリの5億人以上の利用者の端末に対し、上記すべての情報へアクセスできる状態なのです。
さらに悪化する音声認識機能
ShazamやSoundHoundのような音楽認識アプリをご存じでしょうか。Facebookは公式アプリにこの機能を搭載しました。ステータスを投稿する際、アプリが周囲で流れている曲やバックグラウンドのテレビ番組を判別し、投稿に自動タグ付けするというものです。
Facebookは「この機能は常時聴取しているわけではなく、オプトイン方式だ」と説明しています。しかし、同社にはオプトイン機能に関する不信な実績があります。かつて氏名検索からタイムラインを保護する設定は削除され、全ユーザーが元々オプトインだったGraph Searchを受け入れることを強制されたのです。
仮に「常時聴取していない」という説明が真実だとしても、Androidの仕組み上、マイクへのアクセス権を持つアプリは、いつでもアクセスできる能力を持っています。能力があるという事実自体がリスクなのです。
解決策は「Tinfoil for Facebook」
ここまで読んで公式アプリを削除したくなったかもしれません。ご安心ください。公式アプリを手放しても、モバイルでのFacebook体験は十分に保てます。しかもTinfoil for Facebookはバッテリー消費が少なく、バックグラウンドで常駐せず、アプリサイズも公式より大幅に小さいのです。
その権限リストを見てください。必要なのはインターネットアクセスのみで、任意で「おおよその位置情報」を許可できる程度です。開発者によると、位置情報権限はチェックイン機能を有効にしない限り使用されないとのこと。チェックインを無効にしていれば、機能は実際に動作しません。ソースコードも公開されているので、疑問があれば自分で確認できます。
Tinfoilの仕組みはシンプルで、Facebookのモバイル版ウェブサイトを包むラッパー(容器)にすぎません。モバイルブラウザでFacebookを開くのと同じことです。使い終わったらメニューから終了でき、常駐や同期もしません。
使い勝手は公式アプリと比べてどう?
公式アプリの方が見た目はやや洗練されていますが、Tinfoilも十分実用的です。ステータスの投稿や写真のアップロードも簡単で、グループ、イベント、設定にもすべてアクセスできます。ボタンの配置など細部が多少異なる程度で、パフォーマンス面の差はほぼありません。
メニューは少し分かりにくいものの、画面右端からスワイプすればいつでも開けます。ニュースフィードや通知への素早いジャンプ、アプリの各種設定、終了操作が可能です。
メッセージ送信、コメントでの友達タグ付け、人物や場所の検索にも対応しており、モバイル版Facebookに期待できる機能はひと通り備えています。
Tinfoilのデメリット
公式アプリからの乗り換えにおける欠点はごくわずかです。Tinfoilはあくまでモバイル版サイトのラッパーなので、Facebook側のサイトに問題が起きればTinfoilも使えなくなります。とはいえ、実際に長期間使用していて、それが問題になったことはありません。全体的に公式アプリよりやや洗練度で劣ると感じるかもしれませんが、1週間も使えば気にならなくなるレベルです。
通知はどうなる?
モバイル版サイトに欠けている唯一の大きな機能が通知です。リアルタイムのFacebook通知が必要な方にとっては、これがネックになるかもしれません。しかし心配はいりません。自動化サービス「IFTTT」を使えば解決できます。
IFTTTはAndroid向けアプリもリリースしており、新しい「Android Notifications Channel」を使えば、Facebook通知を受け取ったときの独自アラートを作成できます。
まず、FacebookのWeb版にログインし、通知ページを開きます。
ページ内のRSSリンクをクリックすると文字列が表示されますが、内容は気にせず、そのページのURLをコピーしてください。これがあなた専用の通知フィードになります。RSSの知識は特別に必要ありません。
次に、IFTTTのレシピでこのフィードをスマホに届けます。既成のスクリプトを利用すれば、URLを貼り付けるだけで設定完了です。
以降、Facebookに通知が届くたびに、IFTTT経由でスマホの通知バーに表示されるようになります。
公式アプリを完全に排除する
Tinfoilを使い始めても、公式アプリが端末に残っていては意味がありません。まずは端末から取り除きましょう。自分でインストールした場合は、「設定 > アプリ」(機種により名称は異なります)からFacebookを探して「アンインストール」をタップします。運が良ければ、これだけで完了です。
多くの機種のようにFacebookがプリインストールされている場合、この方法では削除できません。端末のroot化が済んでいれば、Titanium Backupなどを使って削除できます。
Android 4.0(Ice Cream Sandwich)以降であれば、不要なアプリを「無効化」する選択肢もあります。ストレージは空きませんが、アプリの動作を停止させ、アプリ一覧からも消せます。Facebookのアプリページを開き、通常「アンインストール」がある場所の「無効にする」をタップしてください。
無効化もできない場合は、アップデートをアンインストールして、権限が少なかった初期バージョンへロールバックするのが精一杯です。その後、「設定 > アカウントと同期 > Facebook」から「アカウントを削除」をタップし、同期を止めましょう。
これらの手順により、公式アプリ経由でのデータ同期を止められます。完全な削除がこれほど難しいのは残念ですが、Tinfoilを使うという目的は達成できます。
まとめ:プライベートなFacebookライフを楽しもう
プライバシーを重視する方、バッテリー持ちを改善したい方、Facebookに生活を支配されたくない方にとって、Tinfoil for Facebookは優れた選択肢です。公式アプリの細かな機能がいくつか使えなくなるかもしれませんが、最小限の権限リストは、その不便を十分に補って余りあります。
※本記事は執筆当時の情報に基づいています。現在のAndroidのバージョンやアプリの提供状況については、最新情報をご確認ください。
あなたは代替のFacebookアプリを使っていますか?Facebookのプライバシー侵害が気になりますか?Tinfoilを試してみたいと思いますか?ぜひコメントで教えてください!
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