個人データを安全に保ちたい?ファイル暗号化の基本とWindows・Macでのやり方
誰にでも、特に大切で機密性の高いファイルがあるものです。金融関係の記録、家族の古い写真、あるいは親しい友人にも知られたくない趣味のデータなど、その種類はさまざまです。
しかし、こうしたファイルをノートパソコンやデスクトップPCに保存しただけでは安全とは言えません。デバイスの盗難リスクは常にあり、ネット閲覧中のちょっとしたミスから、ハッカーに完全にアクセスされてしまう可能性もあります。ファイルやフォルダを完全に保護する最善の方法、それが「暗号化」です。
ファイル暗号化とは?
ファイルを暗号化すると、中身が判読不能な状態に変換されます。そして、暗号鍵(パスワードやコード)を使うことで元の状態に復号できます。つまり、暗号鍵を持つ許可された人だけがデータにアクセスできるようになるのです。
暗号化の速度や強度は、鍵の長さや暗号化方式など、さまざまな要因によって異なります。
いずれにせよ、暗号化によって「ファイル全体を守る」必要がなくなり、「パスワードさえ守ればよい」という状態になるのが大きなメリットです。
なぜファイル暗号化が必要なのか?
ファイルを暗号化すべき理由はいくつもあります。
外出先での利用
ノートパソコンを持ち歩いたり、カフェなどの公共の場で使ったりすることがあるなら、プライベートなファイルの暗号化は必須です。万が一デバイスを盗まれたり、オープンWi-Fi経由でスパイウェアを仕込まれたりしても、データは守られます。
データの転送
クラウドストレージやオンライン共有サービス、USBメモリ、メールなど、ファイル共有の手段はどれも完全無欠ではありません。送信前にファイルを暗号化しておけば、たとえ途中で傍受されても内容は安全に保たれます。
多層防御
サイバーセキュリティは多層的に機能します。ハッカーがあなたのファイルにアクセスするには、複数の防御壁を突破しなければなりません。機密情報を含むファイルを暗号化すれば、もうひとつの防御層が加わり、攻撃者の仕事は格段に難しくなります。
整合性の維持と規制への対応
機密情報を含むファイルを暗号化しないまま放置すると、データの整合性が重要となる場面で、そのファイルが役に立たなくなる恐れがあります。
どのファイルを暗号化すべき?
どのファイルにより強固なセキュリティが必要かは、主観的な問題です。何を一番大切にし、どの程度のプライバシーを求めるかによって変わってきます。
ただし、誰もが暗号化すべきファイルも存在します。例えば以下のようなものです。
- 金融情報やその記録
- 法的文書
- 個人を特定できる情報(PII)
- 機密プロジェクトのファイル
- バックアップやアーカイブ
要するに、なりすましか脅迫まで、あなたに対して悪用され得るコンテンツは、暗号化を検討すべきだということです。
ドライブ全体を暗号化してはいけないのか?
ドライブ全体を暗号化する「フルディスク暗号化」は、重要度にかかわらずすべてのファイルとデータを保護できる優れたソリューションのように思えるかもしれません。
しかし、一般的なユーザーにはおすすめできません。デバイスの動作が大幅に遅くなり、バックアップやデータ復旧が複雑になる上、転送や共有の際はファイルが保護されず、無防備な状態になってしまうからです。
すべてのデータが極めて機密性が高く、動作が遅くなっても構わない高性能なデバイスを持っているのでなければ、フルディスク暗号化は過剰対策と言えるでしょう。
ファイルを暗号化する方法
ファイルの暗号化には専用ソフトを使うのがベストです。ここでは、WindowsとMacそれぞれでのやり方を見ていきましょう。
Windowsでファイルを暗号化する方法
WinRARは、Windowsデバイスにプリインストールされていることも多い、有名なデータ圧縮ツールのひとつです。ファイルの圧縮だけでなく、安全なパスワードによる暗号化も可能です。
展開時に整理された状態を保つためにも、暗号化したいファイルをひとつのフォルダにまとめておきましょう。その後、WinRARで暗号化する手順は以下の通りです。
- ファイルまたはフォルダを右クリックします。
- 「アーカイブに追加」をクリックします。
- アーカイブ形式でZIPを選択します。
- 「パスワード設定」をクリックします。
- 強力なパスワードを入力し、「ZIPレガシー暗号化」にチェックを入れます。
- パスワード入力ウィンドウと元のウィンドウで「OK」をクリックします。
これでWinRARが自動的にファイルを圧縮・暗号化してくれます。処理時間はファイルサイズによって、数秒から1時間以上かかる場合があります。
Macでファイルを暗号化する方法
Macでファイルやフォルダを暗号化する場合、macOSではサードパーティ製ソフトなしで、直接圧縮してパスワード保護できます。
同様に、まず暗号化したいファイルをデスクトップ上のひとつのフォルダにまとめておくと便利です。その後、以下の手順に従います。
- CommandキーとSpaceキーを同時に押して検索バーを開きます。
- 「ターミナル」と検索します。
- ターミナルウィンドウでcd Desktopと入力し、Enterを押します。
- zip -e [zipファイル名.zip] [ファイル名]というコマンドを入力します。
- Enterを押します。
- Enter passwordの後にパスワードを入力し、Verify passwordでもう一度同じパスワードを入力します。
- Enterを押します。
これでOSがファイルまたはフォルダを暗号化し、デスクトップに保存します。
また、ターミナルを使わずにMacでファイルを暗号化することも可能です。iZIPやBetterZipといったサードパーティ製ソフトを利用する方法があります。
データを守るその他の重要な方法
ファイルやフォルダの暗号化は、守りたい部屋や箱に南京錠をかけるようなものです。それ自体、ほとんどの攻撃者を防ぎ、挫折させる優れたセキュリティ対策となります。
しかし、それだけで満足してしまうと、ファイル暗号化がもたらす多くのメリットを逃してしまいます。
パスワードを使い分ける
ログイン用パスワードと同じように、ファイル暗号化に使う鍵も、暗号化ごとに異なるものを使用しましょう。
パスワードマネージャーを活用する
暗号化するファイルが増えてパスワードを覚えるのが大変になったら、パスワードマネージャーの出番です。できれば、ログイン情報を管理しているものとは別のものを使うのがおすすめです。
共有は慎重に
暗号化したファイルへのアクセスを誰かに許可したい場合、暗号鍵を共有する必要があります。
オンラインでファイルを共有するときは、万一漏洩した場合に備えて、ファイル送信に使ったものとは別の通信手段でパスワードを送るようにしましょう。
デバイスを保護する
時間と適切なツールがあれば、どんなに強力な暗号化でも破られる可能性があります。ファイルを安全に保つための最初で最後のルールは、物理的・デジタルの両面で保護することです。
ノートパソコンやハードディスクを人の目につく場所に放置しないことはもちろん、フィッシングメールやオープンネットワークによるハッキングにも最大限注意しましょう。
暗号技術についてさらに学ぼう
ファイルの暗号化は、デジタル資産を守るための第一歩です。しかし、汎用ソフトを使うだけで暗号化が完了するわけではありません。
暗号技術の用語、鍵とは何か、暗号アルゴリズムとは何かについて学んでみましょう。さまざまな暗号化方式の違いを理解することは、自分のファイルに合った正しい暗号化を選ぶ確かな助けになります。
-
Androidのゲストモードを使って個人データをしっかり保護する方法
新しいスマートフォンを友人や家族に見せびらかしたくなるのは自然なことですが、いざ端末を渡そうとすると、保存されているデータが気になってためらってしまうことはありませんか?相手がどこをタップするかわからない以上、非公開のメッセージや画像、動画を見られてしまう不安は拭えません。一度端末を手渡してしまえば、覗き見を止めることはできません。 しかし、この問題には解決策があります。それがAndroidに標準搭載された「ゲストモード」です。個人データを守るための万能な機能といえます。 Androidのゲストモードとは? ゲストモードはAndroid 5.0で初めて導入された機能で、端末およびそのデータへの
-
覗き見から重要なファイルを守る!Advanced System Optimizerでファイルを暗号化する方法
大切なファイルを保護したいとき、フォルダにロックをかける方法と、暗号化して鍵を持たない人には無意味なデータに見せる方法があります。しかし、ロックは解除されたりハッキングされたりする恐れがあるため、ファイルを守るなら暗号化の方が確実です。強力な暗号化を施せば、正しいソフトウェアとパスワードを持たない人にとって、そのファイルは完全に無用なものになります。本記事では、Windows 10パソコンでファイルを暗号化・復号化する方法を詳しく解説します。 Advanced System Optimizerで覗き見から重要なファイルを暗号化する手順 Advanced System Optimizerのような