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Facebookの顔認識データ削除はユーザーのセキュリティにどんな影響を与えるのか?

Facebook(現・Meta)は、親会社の新名称「Meta」の発表で大きな注目を集めました。長期的な構想として掲げられているのは、人々やブランドが仮想空間で交流する「メタバース」と呼ばれる世界の実現です。しかし、それ以外にも、より早く訪れる変化があります。それがFacebookの顔認識機能の終了です。

では、この変更は私たちにとって何を意味するのでしょうか? そして、セキュリティ面にはどのような影響があるのでしょうか?

これまでのFacebookの顔認識機能とは?

Facebookは顔認識技術を複数の目的で活用してきました。たとえば、視覚に障害のある方や目の不自由な方のために、写真内に大学時代の同級生や同僚が写っているかどうかを伝える画像説明の生成などが挙げられます。

また、友人が自分が写った写真を投稿した際に自動で通知を受け取れる機能や、写真アップロード時のタグ付け候補の提案にも、裏側で顔認識技術が使われていました。

顔認識機能で何が変わるのか?

今回の変更で最も重要なのは、サービス利用に同意した10億人以上の人々の顔認識用テンプレート(識別データ)が削除されるという点です。これはFacebookの全ユーザーの3分の1以上に相当する規模です。

その結果、視覚障害者向けの画像説明には人物名が含まれなくなり、写真や動画のアップロード時に自動タグ付けの候補も表示されなくなります。

今後もFacebookは顔認識を使うのか?

結論から言えば、Facebookはコンテンツ内に誰かが写っていることを検出する目的での顔認識技術への依存をやめると発表しています。ただし、会社全体として顔認識技術から手を引くわけではありません。特定の場面では引き続き使用する意向です。

Facebookの企業ブログには次のように記されています。

「顔認識の利用を限定的なユースケースに絞ることが適切だと考えています。具体的には、ロックされたアカウントへのアクセス支援、金融サービスにおける本人確認、個人デバイスのロック解除などのサービスです。」

さらにこう続けています。

「これらは顔認識が多くの人にとって広く価値があり、慎重に運用すれば社会的にも受け入れられる領域です。こうしたユースケースへの取り組みは続けますが、自動的に認識されるかどうかについて、ユーザーが透明性とコントロールを持てるようにします。」

この変更はFacebookの世間のイメージに影響するか?

エンゲージメントを促進するアルゴリズムに関する数々の批判的な報道により、Facebookは良くない意味でスポットライトを浴びてきました。

状況がさらに悪化したのが、2021年10月4日に発生した6時間以上に及ぶ世界的なサービス障害です。InstagramなどMeta傘下の他社サービスにも影響が及び、アナリストの試算では約6,000万ドルの収益損失が発生したとされています。

最近ではCNNの世論調査で、回答者の76%が「Facebookは社会を悪くしている」と考えていることが明らかになりました。そのうち55%は主な原因をサイトの使い方にあるとし、残りの45%はSNS運営側の問題だと指摘しています。

また、Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)のプライバシー問題を受けてConsumer Reportsが2019年に実施した調査では、Facebookが収集・保存する個人情報の量について「非常に懸念している」「極めて強い懸念がある」と答えた人が約25%に上りました。

興味深いことに、データの使われ方が気に入らないとしながらもプラットフォームを使い続けた人が多く、Cambridge Analytica問題を知って実際に利用をやめた人はわずか10人に1人程度でした。

当時もFacebookは、データやプライバシー設定を選びやすくするといったセキュリティ面の改善を行っています。そう考えると、顔認識データの削除による「セキュリティ強化」の公約も、企業イメージの立て直しを図る一環ではないかと疑うのは自然かもしれません。ただし、この変更だけで人々の見方が好転するかどうかは、まだ判断するには早い段階です。

大きなセキュリティ向上は期待できない

Facebookの顔認識に関するニュースの見出しだけを読めば、経営陣が本気で改善を目指しているという印象を受けるかもしれません。

しかし忘れてはならないのは、会社が適切と判断した場面では依然として顔認識技術が使われるということです。Facebookの過去の経緯を踏まえれば、「許容できる利用」の定義が、多くのユーザーが納得できるものとは異なる可能性も十分に考えられます。

今後も新しい顔認識機能へのオプトイン(同意)は行われるため、プロフィールで新機能を有効にする前に、必ず詳細な条件をよく読んで確認することが重要です。

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