Nokiaスマートフォンを無料GPSナビとして使う方法――海外ドライブで通信費ゼロを実現
筆者は基本的にスマートフォンが好きではありません。好みのタイプではないのです。とはいえ、洪水がときに人類に恩恵をもたらすように、スマホも役立つ場面があります。
筆者はNokia E71というフルキーボード搭載の端末を持っています。入手経緯はさておき、海外へ出かけることになり、見知らぬ土地で車を運転しなければなりませんでした。昔なら地図を広げたり道行く人に尋ねたりしたところですが、今では衛星測位ナビゲーション、いわゆるGPSが主流の時代です。
Nokiaのスマートフォン(E5x〜E9xシリーズ)をお持ちの方なら、追加費用なしで端末をGPSとして活用できます。レンタカー会社に高額でナビを頼んだり、自分用に購入したりする必要はありません。もちろん「無料」の定義は、端末自体にお金を払っていることを除いて、という条件付きです。プレゼントや業務支給でもらったのであれば、実質タダ同然ですね。
GPSソフトウェア
ここではE71を例に説明します。この端末にはGPSユーティリティが最初からインストールされており、メニューにも独立したカテゴリがあります。アプリを開き、「Maps」を選べば準備完了……と言いたいところですが、少し待ってください。

すぐに使い始めてはいけません!GPSを有効化する前に、やっておくべき設定がいくつかあります。具体的には、海外での帯域消費を最小限に抑えるGPS設定、オフライン用の地図ダウンロード、音声ナビなどの各種プロパティの設定です。順番に見ていきましょう。
内蔵GPSのみを有効化する
Bluetooth、アシストGPS(A-GPS)、内蔵GPS、ネットワークベースなど、利用可能なすべての測位方式を使わせると、地図更新データなどのダウンロードで大金を浪費しかねません。海外でスマホを使うのは非常に高くつきます。これは絶対に避けたいところです。
必要なのは「Integrated GPS(内蔵GPS)」以外をすべて無効化することです。「GPS > GPS Data > Options > Positioning Settings」から設定できます。これがセットアップの第一歩です。
内蔵GPSのみを使う最大のメリットは、通信費がゼロになることです。デメリットは、使用のたびに位置が再校正されるまで1〜2分ほど待つ必要があるかもしれない点です。
地図をオフラインでダウンロードする
スマホには3GやWi-Fiといったネットワーク接続機能があるでしょう。3Gは高額なので使いたくありません。地図データは数百MBになることもあり、通信プランの上限を超える可能性があります。まして海外では、余分な1バイトごとに法外な料金を請求されます。そこで、Wi-Fi経由(できれば自宅のネットワーク接続中)で地図をダウンロードするか、Nokia Ovi Suiteソフトウェアで端末を管理しましょう。
Ovi SuiteはWindows専用なので、端末管理の方法が制約される可能性があります。一方で、デスクトップPC上で動かせば、ほぼコストゼロでデータをダウンロードできます。ソフトの詳細な使い方は割愛します(機会があれば別記事で)。ここでは必要な地図をダウンロードし、端末にコピーする方法に焦点を当てます。

次回の同期時に地図が端末へコピーされます。端末とPC間でデータを同期するには、Nokia側に追加ソフトが必要な場合があります。繰り返しますが、PCでパッケージをダウンロードしてから端末へ転送するのが賢明です。
ここで少しだけ脱線して、ソフトをダウンロードして端末にインストールする方法をご紹介します。後ほどもうひとつのGPSソフトを紹介する際に必要になる情報です。
ソフトのダウンロードとインストール
Nokia端末はSymbian OSで動いています。特に面白みはありませんが、Nokia向けパッケージは.sis拡張子で識別できる点が特徴です。必要なプログラムをダウンロードしたら、USBケーブルで端末を接続します。接続すると、どの方式で接続するか尋ねられます。

Ovi Suiteを使いたい場合は「PC Suite」を選択します。ただし、端末へのデータ転送には「Mass storage(マスストレージ)」モードが必要です。これを選ぶと、端末はUSBメモリのようなフラッシュメモリデバイスとして認識されます。
PC上で端末を見つけ、インストールパッケージをフォルダのひとつにコピーします。次に端末側でアップロードしたパッケージを探します。「Office > File Manager」で端末のディレクトリを閲覧できます。


端末本体とメモリカードを行き来する必要があるかもしれません。正しいインストールパッケージを見つけて「Options > Install」を選びます。詳細は後述します。青くマークされたWAZE.SISというパッケージは、今のところヒント程度に思っておいてください。
地図同期に必要なソフトをインストールしたら、同期させましょう。地図が端末にアップロードされます。ただし容量には限りがある点に注意してください。世界地図は簡単に数百MBになりますから、十分な空き容量を確保しておきましょう。
地図のダウンロードと同期には「Nokia Maps Loader」というツールも検討の価値があります。フル機能のOvi Suiteの代替になり得ます。Linuxで端末を接続する方法については、携帯電話バックアップのハウツー記事を参照してください。
GPSナビゲーションの設定
最後のステップはナビゲーションのセットアップです。GPSアプリを開き、「Options > Settings」を選択すると、Internet、Navigation、Route、Map、Synchronizationの各メニューがあります。それぞれ簡単に見ていきましょう。
Internet
接続方式を指定できます。海外では常に「Offline」を使用しています。デフォルトのアクセスポイントの設定や、ローミング警告の表示も可能で、不要な出費を防ぐのに役立ちます。

Navigation
音声を選択できます。筆者はいつも英国RP(容認発音)の女性ボイスです。気品あるブリティッシュアクセントは血が騒ぎますよ。徒歩ナビ、ホーム地点、ズーム、交通状況による再ルート、時間表示、速度制限警告なども設定可能です。交通情報更新機能もありますが、インターネット接続が必要なので、海外では控えめに。交通による再ルートも同様です。
Route
移動手段、経路選択、走行したい道路の種類を選べます。たとえば高速道路のみで、有料道路や未舗装路は避ける、といった具合です。デフォルトではフェリー、列車フェリー、トンネルを含むすべての選択肢が有効になっています。デフォルトの経路選択は「最速ルート」です。
Maps
配色、最大メモリ使用量、デフォルトカテゴリ(ホテル、病院など)、計測単位系を選択できます。単位系はメートル法とヤード・ポンド法の2種類です。スクリーンショットは省略しますが、イメージはつかめるでしょう。
Synchronization
GPSソフトと地図の更新タイミング(手動、起動時・終了時など)を選べます。Oviサイトと同期するにはログイン情報が必要で、それに応じたインターネット接続の設定も必要です。海外では非推奨です。以上で設定完了。さあ、ドライブに出かけましょう!

いよいよGPSを使う
準備万端です。ノルウェーやアメリカなどどこへでも行き、GPSの電源を入れ、数分待って位置が正しく校正されたら、目的地を選んで発進です。
筆者は実際にこのソフトを試しましたが、非常によく動作します。地図はかなり正確で、ソフトの判断も合理的です。音声の選択も最高です。小さい画面でも40〜50cm離れた場所からはっきり視認できます。

観光スポットの検索、地図の拡大、2D/3D表示、お気に入り地点の保存など、多彩な機能を備えています。派手ではありませんが、コストゼロを考えれば極めて優秀です。

場所の検索のコツ
重要な注意点:観光スポットなどを検索する際は、できるだけ詳細に入力してください。オフラインモードでは、最後に把握した衛星測位位置の近辺しか検索対象にならないため、600km先の場所は見つからないことがあります。しかし都市名や国名まで指定すれば、検索成功率は格段に上がります。これはオフラインモードの小さな欠点ですが、海外での法外な通信料を考えれば十分に割に合います。
代替GPSソフト:Waze
これで終わりだと思ったら大間違い。ここまで詳細で完全なチュートリアルを提供するのは当ブログだけです。内蔵ソフトの使い方を示しただけでなく、Oviソフトが気に入らない方のために、もうひとつのプログラムを紹介します。さらにNokia端末へのパッケージインストールの手順も学べます。
紹介するのはWazeです。無料のクールなGPSソフトで、多くの地域と言語に対応しています。便利なのは、ユーザーがリアルタイムの交通情報を送信できる点で、いわばコミュニティ型GPSです。ただし、動作にはネットワーク接続が必要です。
興味があれば続きを読みましょう。先ほどのスクリーンショットでWAZE.SISを目にしましたね。いよいよインストールです。何より、Symbianパッケージのインストール練習にもなります。信じられないかもしれませんが、他のインストールと何ら変わりません。インストールを確認し、インストール先(端末メモリまたはメモリカード)を選んで実行するだけです。


次に「Installations」からプログラムを起動します。

その後、アカウントを作成し、利用オプションをカスタマイズしてスタートです。繰り返しますが、ネットワーク接続が必須のため、自国での利用が最も適しているでしょう。それでも検討する価値のある選択肢です。以上です。

まとめ
長くなりましたが、有益な内容だったと思います。見知らぬ外国の土地で迷わずドライブするための無料の選択肢がたくさん手に入りました。筆者のおすすめは内蔵ソフトです。オフラインモードと高いカスタマイズ性が決め手です。加えて、よく動作し、シンプルで、正確かつ詳細です。Windowsソフトのインストールに抵抗があっても、全体的な統合性は良好です。
最後に、端末のあの素敵なスクリーンショットをどう撮ったのか気になる方もいるでしょう。それは次回の記事でお楽しみに。それでは、良いナビゲーションを!
それではまた。
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