あなたのDNAは「売り物」になる?遺伝子検査データの行方と削除方法

インターネット上には、DNAからご先祖様のルーツを解き明かしてくれると謳うウェブサイトが数多く存在します。その仕組みはシンプルで、キットを購入してDNAを採取し、分析のために送り返すだけ。しかし、サンプルを送った後、企業があなたのデータをどう扱っているのか考えたことはありますか?実は、あなたのDNAは市場において一定の価値を持つのです。
この記事では、大手祖先追跡サービスの影の部分を掘り下げるとともに、望むなら自身のデータを記録から消去する方法についてもご紹介します。
なぜ企業はあなたのDNAに関心を持つのか?
DNAキットを使って自分のルーツを調べると、その情報は後の利用のためにデータベースに保存されます。組織がこのデータを利用する目的は、主に次の2つです。法執行(捜査)と創薬です。
法執行機関がDNAデータを求める理由
もちろん、法執行機関がDNAデータを求める場合、それ自体で企業が直接利益を得ることはありません。しかし、こうしたサービスを利用すると、実際にそのような事態が起こりうることは知っておく価値があります。

警察がDNAデータを照会するのは、通常、解決したい事件があり、DNAの痕跡しか手がかりがない場合です。これはあなた自身が容疑者でなくても起こり得ます。警察が遺伝情報の類似性を調べる過程で、あなたが犯人の親族であることが判明すれば、詳細を聞くために接触してくる可能性があるのです。
法執行機関が自由にDNAデータベースへアクセスできるわけではありませんが、裁判所命令が出れば企業は従わざるを得ません。この手法は実際に機能し、かつて連続殺人犯の特定にも使われたため、警察は時折この手段を用いるのです。
製薬会社があなたのデータを欲しがる理由
ここが、検査会社があなたのDNAから収益を上げるポイントです。遺伝情報は製薬会社にとって非常に有用であり、より優れた薬の開発のためにDNAデータが求められています。

例えば2018年、人気のDNA検査サイト23andMeに対し、グラクソ・スミスクライン(GSK)が3億ドル規模の出資を行いました。その狙いは、GSKがDNAデータを活用して新薬を開発することでした。
実際、DNAデータベースは創薬に非常に有効だったため、2020年初頭には23andMe自身が、自社で開発した薬の権利をスペインの製薬会社アルミラル(Almirall)に販売するという動きを見せました。
これらのサービスは利用すべきか?
確かに企業はあなたのDNAデータから利益を得ていますが、「それは必ずしも悪いことではない」と考える人もいます。あなたのDNAが連続殺人犯の逮捕や新薬開発に役立つのであれば、何が問題だと言うのでしょうか?

結局のところ、利便性とプライバシーのどちらを重視するかはあなた次第です。ただし、データを提供するのは簡単でも、企業に削除してもらうのは難しいというのが実情です。
そのため、信頼でき、プライバシーを尊重する企業にDNA検査を依頼することが大切です。先祖を知りたいけれどデータの提供には抵抗がある方は、プライバシー配慮型のDNA検査サイトのおすすめ記事もぜひ参考にしてください。
大手サイトから自分のデータを削除する方法
すでに大手企業にDNAサンプルを提出しており、データを削除したい場合は、データベースからの情報削除をリクエストする窓口が用意されています。
Ancestryの場合
Ancestryについては、AncestryDNAのサポートページで詳しい情報を確認できます。手順としては、設定ページにアクセスし、「Delete DNA Test Results and Revoke Consent to Processing(DNA検査結果の削除および処理への同意撤回)」まで画面をスクロールして操作します。
23andMeの場合
幸い、23andMeは以前に比べてDNAデータの削除プロセスを大幅に簡素化しています。サポートページによると、アカウントサービスにアクセスしてアカウント自体を削除すれば、データベースからあなたのDNA情報を消去できます。
DNAの主導権はあなたの手に
DNAキットはあなたのルーツについて多くを教えてくれますが、同時に創薬研究を通じて検査企業に大きな利益をもたらしています。DNA企業があなたのデータをどのように活用しているのか、賛否はともあれ、今回でその実態を理解できたはずです。
ちなみに、先祖のルーツを調べる以外にも、DNAそのものにデータを保存できることをご存知でしたか?
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