シリコン防音Modとは?自作キーボードの打鍵音を劇的に変える改造方法

カスタムメカニカルキーボードの最大の魅力のひとつは、キーを叩くたびに響く独特な打鍵音です。「トッキー」「クラッキー」と呼ばれる心地よい音に魅了され、この趣味の世界へ足を踏み入れた方は少なくありません。より良いサウンドを追求する多くの愛好家は、防音材を使ってキーボードを改造しており、その中でも特に人気が高いのがシリコンです。
シリコン防音Modは、キーボードの音響特性を改善する改造手法です。シリコンシートを基板(PCB)とケースの間の空きスペースに充填することで、キーボード特有のこもった音や金属的な「ピンギー」音を解消します。他の防音テクニックと同様、ベストな結果を得るには自分のキーボードに合わせてシートをオーダーメイドで作成する必要があります。
キーボードコミュニティで近年大きな人気を集めているのが、このシリコン防音Modです。カスタムキーボードのサウンドチューニングで定番となっているフォーム(ウレタン)防音Modと非常に似たアプローチですが、仕上がりには明確な違いがあります。
このModは、カスタマイズ手法の中でもやや上級者向けの部類に入ります。ケースとPCBの間に収まるシリコンシートを自分で作る必要があるためです。とはいえ時間のかかる作業であるにもかかわらず、多くのユーザーがフォームよりもシリコンを選んでいます。大金をかけずとも、どんなキーボードでも高級感のあるサウンドに仕上げられるのが最大の魅力だからです。
本記事では、キーボード防音材としてのシリコンの革新的な活用方法について解説します。Modを実施するために知っておくべき詳細情報や、検討すべきメリット・デメリットについてもご紹介します。
キーボードケース防音材とは?なぜ重要なのか
防音材はキーボードケース内部の中空スペースを埋め、キーボードが安っぽく、あるいは空洞っぽく鳴るのを防ぎます。また、ケースピングと呼ばれる不要な金属音の除去にも効果的です。
最近のキーボードキットには、最初から防音材が付属しているものも多いことに気づいた方もいるでしょう。代表的な例がNovelkeys NK65で、キットにシリコン防音パッドが同梱されています。
メーカーによっては、防音材を別売りのアクセサリーとして販売している場合もあります。RAMA WORKS®のW02-A Internal Dampenerは、同社のキーボード専用に設計された製品です。KBDFansも、多くのキーボードキット向けにフォーム防音材を販売しています。
キーボード防音材は、カスタムキーボードと既成品の両方において重要な役割を果たしてきました。Ducky、Filco、Leopoldといったハイエンドな既成品ブランドは、カスタムキーボード文化が流行する前から、長年にわたり防音材を採用しています。
カスタムキーボードコミュニティでは、梱包用発泡スチロール、ネオプレーン、ソルボセインなど、さまざまなケースフォームでの実験が行われてきました。その効果の高さから、現在では防音材の使用はキーボード組み立てにおける必須要素となっています。
シリコン防音Modとは?
シリコン防音Modの最初の動画は、YouTubeユーザーのSerendipity氏によって投稿されました。彼女はTofu60カスタムキーボードキットにこのModを施しており、その着想はRAMA WORKSが内蔵ウェイトの代わりにシリコン防音材を使用していたことから得たものです。
このModは瞬く間に話題となり、キーボードコミュニティ全体でさまざまなキーボードへの適用が試みられました。成功率の高さから、シリコンは定番の防音材のひとつとして確立されることになりました。
シリコン防音Modにより、ケースピングやケースの残響といった不要なノイズを排除できます。さらに、キーボード全体の音を深みのある、まとまりのあるものへと変化させます。
加えて、オーダーメイドのシリコンシートは見た目の美しさというボーナスもあります。フォームはLEDを遮りがちですが、シリコンならRGBアンダーグロー(基板下面のLED)の光をしっかり通すことができます。シートの取り扱いも容易で、頻繁にキーボードを分解・改造するユーザーにとって嬉しいポイントです。
Modに必要な材料
予想通り、オリジナルのシリコン防音材を作るにはシリコン製作キットが必要です。また、家庭用化学薬品を扱う際は保護具の使用をおすすめします。有害な蒸気や液体との接触を避けるため、手袋と高フィルター性能のマスクを必ず準備しましょう。加えて、粘着テープとカッターナイフ(Exactoナイフ)もあると作業がスムーズになります。
キーボードのマウント方式やシートの作り方によっては、消せるマーカーや、PCBを保護するためのラップフィルムも必要になることがあります。
シリコン防音Modの手順
シリコン防音Modでは、キーボードのケース自体をシリコンシートの型として使用します。まず、テープでケースの穴をすべて塞いでください。USBポートの切り欠きや、シリコンが漏れ出す可能性のある箇所を忘れずに覆います。
ほとんどのキーボードケースには角度がついているため、紙の束やコースターなどの道具を使ってキーボードを水平に置きます。こうすることで、シリコンがケースとPCBの間の空間を均等に満たします。好みの厚みがある場合は、ホワイトボードマーカーなどでシリコン充填の終端ラインを設定してもよいでしょう。
次に、シリコンキットの「Part A」と「Part B」の2つの容器を混ぜ合わせます。キットごとに取扱説明書が付属しているので、推奨される計量を守ることを強くおすすめします。液体を扱う際は、手袋とマスクによる安全対策を忘れずに行ってください。
シリコンを流し込む際は、ネジ用のスタンドオフ(支柱)にかからないように注意しましょう。再組み立てがしやすくなります。硬化後はカッターナイフで必要に応じてトリミングし、PCBにぴったり収まるように調整してください。
シリコン防音Modのメリットとデメリット
シリコン防音Modのメリット
シリコン防音Modには、音響面の改善以外にも多くの利点があります。ひとつは優れた光拡散性です。透明な仕上がりにより、RGBアンダーグロー搭載機やクリアアクリルケースのキーボードは、美しいライティングを損なうことなく防音効果を得られます。
さらに、丁寧に成型されたシリコンシートは、フォーム防音材よりも洗練された外観になります。正しく施工すれば、シリコンはケースとPCBの間に完璧にフィットするためです。そして最後に、シリコン防音材は一般的なフォームよりもはるかに重く、これが高級感のある打鍵感・安定感の実現に貢献しています。
シリコン防音Modのデメリット
シリコン防音Modの主なデメリットは、作業に時間がかかる点です。完璧なシリコンシートを作るには綿密な準備が必要で、硬化にも半日から丸1日程度かかることがあります。
また、このModにはいくつかの小さなリスクもあります。液状のシリコンを流し込む際にPCBを取り付けたまま作業すると、基板を破損する恐れがあります。
最後に、シリコン防音Modを施したキーボードは、他の同様のMod済みキーボードと音が似通ってしまう傾向があります。もちろん、PEフォームModと同様、これは非常に主観的な問題です。
シリコン防音Modに関するFAQ
シリコン防音Modはキーボードの耐久性に影響しますか?
シリコン防音Mod自体がキーボードの耐久性に影響を与えることは基本的にありません。唯一の例外は、作業中にミスをしてしまうケースです(HipyoTech氏のような事例もあります)。繰り返しになりますが、十分な注意を払い、手順に従えば問題ありません。
シリコン防音Modの代替手段はありますか?
シリコンが手に入らない場合や、キーボードケースの形状・サイズ的にこのModが難しい場合は、従来の防音フォームを使用できます。ただし注意点として、ソルボセイン、EVA、ネオプレーンなどのフォームは光透過性がないため、RGBアンダーグローを確実に遮ってしまいます。また、オーダーメイドのシリコンシートのような美的価値も期待できません。
シリコン防音Modに対応していないキーボードはありますか?
シリコン防音Modに対応していないメカニカルキーボードは存在しません。ただし、一部のキットや既成品には最初からケースフォームが搭載されているため、シリコンシートに切り替える場合はそれらを取り除く必要があります。
また、キーボードケース用のシリコンシート作成の難易度は、マウント方式によって異なります。トレイマウント式のキーボードは、シリコンの型として使う際の調整がほとんど不要なため、最も簡単に施工できます。
まとめ
シリコン防音Modは、ハイエンドカスタムキーボードに採用されているシリコン防音材を再現することを目指した、やや複雑な改造テクニックです。キーボード内部の空きスペースを埋めることでサウンドプロファイルを改善します。シリコンシートはフォーム防音材と同様に、各キー入力時の振動を拡散する働きがあり、残響やその他の不要なノイズを効果的に除去します。
シリコンシートは、アンダーグロー照明を備えたキーボード、特にアクリル底面のケースを持つモデルに最適です。素材の透明性がRGBライトの拡散を助けます。また、着脱が簡単なため、頻繁にキーボードをカスタマイズする愛好家にもおすすめのModです。
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