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FAT(ファイルアロケーションテーブル)とは?種類と特徴をわかりやすく解説

ファイルアロケーション・テーブル(FAT:File Allocation Table)は、1977年にMicrosoftが開発したファイルシステムです。現在でもフロッピーディスクなどの記録メディアや、USBフラッシュドライブ、SDカードをはじめとするポータブル型の大容量ストレージデバイスで、標準的なファイルシステムとして広く利用されています。

FATファイルシステムとは?

FATは、MS-DOSからWindows MEに至るまで、Microsoftのコンシューマー向けOSにおいて主力のファイルシステムとして採用されてきました。近年のMicrosoft製OSでも引き続き選択肢の一つとしてサポートされていますが、現在の主流はNTFSへと移行しています。

FATファイルシステムは、時代とともに進化を重ねてきました。その背景には、大容量ハードディスクドライブや巨大なファイルサイズへの対応需要の高まりがありました。

以下では、FATファイルシステムの各バージョンについて詳しく見ていきます。

FAT12(12ビット ファイルアロケーションテーブル)

初めて広く普及したFATのバージョンがFAT12です。1980年、DOSの初期バージョンとともに登場しました。

FAT12はMS-DOS 3.30までのMicrosoft OSにおける主要なファイルシステムでしたが、MS-DOS 4.0までの多くのシステムでも引き続き使用されました。現在でも、ごくまれに目にするフロッピーディスクでは、このファイルシステムが使われています。

対応するドライブ容量とファイルサイズは、4KBクラスタ使用時に最大16MB、8KBクラスタ使用時に最大32MBです。また、1ボリュームあたりに格納できるファイル数は、8KBクラスタ使用時で最大4,084個となります。

ファイル名には「8.3形式」と呼ばれる制限があり、本体8文字+拡張子3文字までしか指定できません。

なお、隠しファイル・読み取り専用・システム・ボリュームラベルといった各種ファイル属性は、FAT12で初めて導入されました。

補足:1977年に登場したFAT8は、FATファイルシステムの最初の正式バージョンですが、当時の端末型コンピュータシステムの一部でしか利用されず、普及には至りませんでした。

FAT16(16ビット ファイルアロケーションテーブル)

FATの第2世代にあたるのがFAT16で、1984年にPC DOS 3.0およびMS-DOS 3.0で初めて実装されました。

FAT16を改良したFAT16Bは、MS-DOS 4.0からMS-DOS 6.22までの主力ファイルシステムとなりました。さらにMS-DOS 7.0とWindows 95以降では、改良版のFAT16Xが採用されています。

FAT16でフォーマット可能なドライブの最大容量は、OSやクラスタサイズによって異なり、2GB〜16GBの範囲です(16GBは256KBクラスタを使用するWindows NT 4のみ)。

ファイルサイズの上限は、「ラージファイルサポート(Large File Support)」を有効にすると4GB、無効の場合は2GBです。

1つのFAT16ボリュームに格納できるファイル数の上限は65,536個です。ファイル名はFAT12と同じく8+3文字に制限されていましたが、Windows 95以降は255文字まで拡張されました。

また、アーカイブ属性はFAT16で新たに追加されました。

FAT32(32ビット ファイルアロケーションテーブル)

FAT32は、FATファイルシステムの最新バージョンです。1996年にWindows 95 OSR2/MS-DOS 7.1向けに導入され、Windows MEまでのコンシューマー向けWindowsで標準的なファイルシステムとして使われてきました。

対応ドライブ容量は標準で最大2TB、64KBクラスタを使用すれば最大16TBまで拡張できます。

ファイルサイズの上限はFAT16と同様に、「ラージファイルサポート」有効時は4GB、無効時は2GBです。ただし、改良版の「FAT32+」では約256GBに迫る巨大ファイルも扱えます。

また、32KBクラスタを使用する場合、1つのFAT32ボリュームに最大268,173,300個のファイルを格納できます。

exFAT(Extended File Allocation Table)

exFATは2006年に登場した、Microsoftが開発したもう一つのファイルシステムです。ただし、FAT32の「次世代バージョン」という位置づけではありません。

exFATは主に、USBフラッシュドライブやSDHCカード・SDXCカードといったポータブルメディアデバイス向けに設計されています。公式には最大512TiBのストレージデバイスをサポートし、理論上は64ZiBものドライブにも対応可能です。これは現時点で市販されているどのメディアよりもはるかに大きな容量です。

255文字の長いファイル名への対応と、1ディレクトリあたり最大2,796,202個のファイル管理に対応している点も、exFATの注目すべき特長です。

exFATは、ほぼすべてのバージョンのWindows(旧バージョンではオプションアップデートが必要)、Mac OS X 10.6.5以降、さらには多くのテレビやメディア再生機器など、幅広いデバイスでサポートされています。

NTFSからFATへファイルを移動する際の注意点

ファイルの暗号化、ファイル圧縮、オブジェクト権限、ディスククォータ、インデックス属性といった機能は、NTFSファイルシステム限定のものであり、FATでは利用できません。前述のような一般的な属性については、NTFSでも同様に利用可能です。

この違いにより、NTFSボリューム上の暗号化済みファイルをFATフォーマット領域へ移動すると、暗号化状態が失われ、通常の暗号化されていないファイルと同じように扱われます。この方法による復号が許されるのは、元々ファイルを暗号化したユーザー本人か、所有者から権限を付与されたユーザーだけです。

暗号化ファイルと同様に、FATは圧縮をサポートしないため、圧縮ファイルをNTFSボリュームからFATボリュームへコピーすると、自動的に解凍されます。たとえば、NTFSハードディスク上の圧縮ファイルをFATフォーマットのフロッピーディスクへコピーすると、保存先のFATファイルシステムが圧縮ファイルを保持できないため、書き込み前に自動的に展開されます。

FATについてさらに学ぶには

本記事で扱った基礎的な内容を大きく超える話題になりますが、FAT12・FAT16・FAT32でフォーマットされたドライブの内部構造に関心がある方は、Andries E. Brouwer氏による「The FAT Filesystem」を参照するとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

ファイルアロケーションテーブルを修復するには?

Windowsのチェックディスクコマンドを使うことで、FATのエラーを修復できます。コマンドプロンプトでCHKDSK X: /F /Rと入力してください(Xは対象のドライブ文字に置き換えます)。これによりドライブのエラーがスキャン・修復されます。

AndroidはどのFAT系ファイルシステムを使う?

最近のAndroidデバイスのほとんどは、exFATファイルシステムに対応しています。

  1. Windows 10で「暗号化ファイルシステム(EFS)」のポップアップが表示される原因と解決方法

    Windows 10を使用している多くのユーザーから、「暗号化ファイルシステム(EFS)」に関するポップアップが表示されるという報告が寄せられています。本来、このポップアップは暗号化済みファイルのバックアップを促すための単なるリマインダーなので、表示されても問題はありません。ところが、ファイルを暗号化した経験がなく、BitLockerなどの暗号化ソフトも一切使用していないユーザーまでこのポップアップが表示されるケースがあり、中にはWindows 10をクリーンインストールした直後から表示されるという例もあります。EFS(暗号化ファイルシステム)とは?Encrypting File System

  2. ファイルシステムとは?仕組みと代表的な種類をわかりやすく解説

    パソコン上のすべてのファイルは、ハードディスクやSSDなどのストレージデバイスに保存されています。これらのファイルを整理された形で管理するためには、専用の仕組みが必要です。それが「ファイルシステム」です。ファイルシステムとは、ドライブ上のデータを分割し、個別のファイルとして保存するための方式のこと。ファイル名や種類、アクセス権限などの属性情報もすべてファイルシステムに記録されます。さらに、各ファイルの保存場所のインデックス(索引)を管理しているため、OSはディスク全体を走査しなくても目的のファイルをすぐに見つけられます。ファイルシステムにはさまざまな種類があり、OSとファイルシステムの互換性が