SSDとSSHD徹底比較:ハイブリッドドライブは今でも選ぶ価値があるのか?

ここ数年で、ソリッドステートドライブ(SSD)はノートパソコンの標準ストレージとして、従来の磁気式ハードディスクドライブ(HDD)をほぼ置き換えました。そんな中、SSDとHDDそれぞれの長所を兼ね備えた「ソリッドステート・ハイブリッドドライブ(SSHD)」という新たな選択肢が登場しています。
では、どちらが優れているのでしょうか。その答えを見つけるには、実際の性能を直接比較するしかありません。本記事では、速度・ロード時間・価格・寿命という4つの観点から、SSDとSSHDを徹底的に比較していきます。
SSDとSSHDの違い
SSDはUSBメモリと同じフラッシュストレージの一種ですが、NAND型メモリを採用しているため、はるかに高速です。一方のSSHDは、通常のハードディスクとNANDメモリ(キャッシュバッファとして機能し、一般的に8GB程度)の両方を搭載しています。HDDとは異なり、SSHDではSSD部分とHDD部分が1台のハードウェアとして一体化されている点が特徴です。
どちらのドライブも2.5インチと3.5インチのサイズ展開がありますが、SSDはさらに小型のM.2フォームファクタでも提供されています。

容量面では、8GBのSSDキャッシュを備えた最大14TBのSSHDが存在する一方、SSDは2TB程度が上限となることが多いです。
また、SSDにはSATA接続とNVMe接続の2種類がありますが、SSHDはSATA接続のみです。

1. ベンチマークによる速度比較
SSDの実効的な読み書き速度は、PassMarkなどのベンチマークサイトで確認できます。同様に、SSHDの速度も各種ランキングサイトで比較可能です。現在使っているハードディスクの速度を測りたい場合は、PassMark Softwareが提供する無料ツールをダウンロードして計測するのも有効な方法です。
以下のテストでは、2013年発売の240GB Seagate製SSDと、2016年モデルの2TB Seagate FireCuda SSHDを比較しました。テストに使用したSSDは全1,026製品中404位、SSHDは全1,015製品中71位というランキングです。

その結果、ランクの低い旧型SSDであっても、新型で高ランクのSSHDに対して読み込み速度で約3.2倍、書き込み速度で約2.7倍もの差をつけることがわかりました。つまり、純粋な速度だけを重視するなら、旧型SSDでも新型SSHDより優れているということです。

2. ロード時間の比較
ゲームメディアのEurogamerは、CPU速度などを統一した共通のテスト環境で、4本の大作ゲームのロード時間を計測しました。比較に使用されたのは、SATA接続のSSD「OCZ Trion 100」、前述のSeagate FireCuda 2TB SSHD、そして500GBのHDDです。

結果を見ると、初回ロード時間の比較では、すべてのゲームにおいてSSDがSSHDを一貫して上回りました。SSHDの場合、アプリケーションの初回起動時はHDD側から読み込まれるため、どうしても時間がかかります。
SSHDのSSD部分には「頻繁にアクセスされるデータ」と「起動データ」が割り当てられます。前者の例として、5回目のロードテストでは、すべてのゲームがSSDとほぼ同等の時間で読み込まれました。これは学習機能によって頻用データがフラッシュ側にキャッシュされたためです。
起動データについては、Seagate自身が実施したHDD・SSHD・SSDの比較テストが参考になります。Intel Core i5プロセッサとWindows 7の環境で、7,200RPMのHDD、Seagate Desktop SSHD、Intel 320 SSDを比較したところ、OS起動時間(2番目の縦棒グラフ)はSSHDとSSDでほぼ同じでした。これは起動時に使用されるのがフラッシュ部分だけだからです。

3. 価格と容量の比較
500GBクラスのSSDなら80ドル未満で手に入りますし、1TBのSATA接続SSDも100ドル未満で購入できます。しかし、2TBクラスの大容量SSDになると価格は250ドルを大きく超え、特にNVMe SSDは高額になります。
一方、Seagate FireCudaのような2TB SSHDは、1TB SSDとほぼ同じ価格で購入できます。500GBのSSHDなら60ドル未満です。1GBあたりのコストでは、常にSSHDがSSDを上回ります。
大量のデータを扱うなら、学習機能による高速ロードというメリットもあるため、SSDよりもSSHDを検討する価値は十分にあります。
4. 寿命:SSDとSSHD
「SSDは使うたびにNANDセルが劣化するため、時間とともに消耗する」(USBメモリと同様)という認識が広く浸透しています。初期のモデルでは確かにその傾向がありましたが、近年の世代では故障率が大幅に低下しています。現在市販されているSSDは、現実的な使用期間において十分な耐久性を備えています。
SSDの寿命を測る重要な指標がTBW(Terabytes Written:総書き込み量)です。これは、ドライブの生涯に書き込めるデータ量をテラバイト単位で示したものです。例えば320TBWのBarracuda SSD 500GBを考えてみましょう。仮に毎日100GBのデータを書き込み続けても(消費者環境ではまずあり得ません)、このSSDの寿命に達するまで約8.7年かかる計算になります。最新の推計では、SSDの寿命は10年前後とされています。

それでも、SSHDの方がさらに長寿命です。例えばSeagate FireCuda SSHDのデータシートによると、ロード/アンロードサイクルは60万回とされています。
これはソフトウェア制御による電源オン/オフのサイクル数を指します。仮に1日に150回もシステムを再起動し続けても(これも消費者環境ではまずあり得ません)、SSHDは約10.9年持ち続ける計算で、SSDを上回ります。実際には、定格サイクル数を超えてもSSHDは動作し続けます。SSD部分とHDD部分を効率的に使い分けることで、プログラムサイクルによる故障率は、両者を別々に運用する場合よりもはるかに低くなります。

現在、SSDもSSHDも非常に高い寿命値を持っています。どちらをたっぷり使っても、ハードディスクの故障を過度に心配する必要はありません。ただし、寿命という点では依然としてSSHDが優位です。
結論:最適なストレージはどれ?
純粋な速度を最優先するなら、間違いなくSSDが最適です。
予算が限られている場合や、高速な起動時間とよく使うアプリへの素早いアクセスを保ちながら、より多くのストレージ容量が必要な場合は、SSHDがおすすめです。
とにかく容量が欲しいだけなら、SSDとHDDを組み合わせる(HDDをセカンダリドライブにする)方法もあります。SSDにはシステムファイルやアプリケーションを、HDDには写真や動画などのバックアップデータを保存すれば、コストと性能のバランスが取れた構成を実現できます。
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