C++のSTLでスタックを実装するサンプルプログラム【初心者向け解説】
スタック(Stack)は、操作を行う順序があらかじめ決まっている線形データ構造です。この順序は「LIFO(Last In First Out:後入れ先出し)」または「FILO(First In Last Out:先入れ後出し)」と呼ばれ、最後に追加した要素が最初に取り出されるという特徴を持ちます。本記事では、C++の標準テンプレートライブラリ(STL)に含まれる stack を使って、スタックの基本操作を実装するサンプルプログラムを紹介します。
アルゴリズム
このプログラムでは、STLのstackオブジェクトを宣言し、ユーザーが選択した番号に応じてswitch文で各操作を呼び出します。使用する主なメンバ関数は以下の通りです。
s.size():スタックのサイズ(現在の要素数)を返します。s.push():スタックの末尾に要素を挿入します。s.pop():スタックの最上位(最後に挿入された)要素を取り除きます。s.top():スタックの最上位要素への参照を返します。
サンプルコード
以下は、メニュー形式でスタック操作を試せるC++プログラムです。なお、元のコードでは空チェックの前にtop()を呼び出していましたが、空のスタックに対するtop()やpop()は未定義動作となるため、ここではempty()による空チェックを先に行うよう修正しています。
#include <iostream>
#include <stack>
#include <string>
#include <cstdlib>
using namespace std;
int main() {
stack<int> s; // int型のスタックを宣言
int c, i;
while (1) {
cout<<"1.Size of the Stack"<<endl;
cout<<"2.Insert Element into the Stack"<<endl;
cout<<"3.Delete Element from the Stack"<<endl;
cout<<"4.Top Element of the Stack"<<endl;
cout<<"5.Exit"<<endl;
cout<<"Enter your Choice: ";
cin>>c;
switch (c) {
case 1:
cout<<"Size of the stack: ";
cout<<s.size()<<endl;
break;
case 2:
cout<<"Enter value to be inserted: ";
cin>>i;
s.push(i); // 要素を挿入
break;
case 3:
if (!s.empty()) { // 空チェックを先に行う
i = s.top();
s.pop(); // 最上位の要素を削除
cout<<i<<" Deleted"<<endl;
} else {
cout<<"Stack is Empty"<<endl;
}
break;
case 4:
cout<<"Top Element of the Stack: ";
cout<<s.top()<<endl; // 最上位の要素を表示
break;
case 5:
exit(1); // プログラムを終了
default:
cout<<"Wrong Choice"<<endl;
}
}
return 0;
}
実行結果
(メニュー部分は操作のたびに繰り返し表示されるため、以下では省略しています)
Enter your Choice: 1 Size of the stack: 0 Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 1 Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 7 Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 6 Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 10 Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 4 Enter your Choice: 1 Size of the stack: 5 Enter your Choice: 3 4 Deleted Enter your Choice: 4 Top Element of the Stack: 10 Enter your Choice: 5 Exit code: 1
実行例を見てみましょう。最初にサイズを確認すると「0」です。続いて1→7→6→10→4の順に5つの要素を挿入すると、サイズは「5」と表示されます。次に削除操作を選ぶと、最後に挿入した「4」が取り除かれ(4 Deleted)、その直後にトップ要素を参照すると「10」が返ります。これは、最後に入れた要素が最初に出てくるというスタックのLIFO特性そのものです。
コードのポイント
- stack<int> s;:STLのstackはクラステンプレートであり、デフォルトではdequeを内部コンテナとして利用します。
- s.empty():スタックが空の場合にtrueを返します。空のスタックに対して
top()やpop()を呼び出すと未定義動作になるため、操作前に必ずチェックしましょう。 - exit(1):<cstdlib>ヘッダで提供される関数で、プログラムを即座に終了させます。
このように、STLのstackを使えば、わずかなコード量で安全かつ効率的なスタックを実装できます。競技プログラミングや実務でのデータ管理など幅広い場面で活用できる基本テクニックなので、ぜひ実際に手を動かして動作を確かめてみてください。
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