【C++】STLのpriority_queue(優先度付きキュー)の使い方と実装例
プライオリティキュー(priority_queue)とは
プライオリティキュー(優先度付きキュー)は、C++標準テンプレートライブラリ(STL)が提供するコンテナアダプタの一種です。通常のキューが先入れ先出し(FIFO)方式であるのに対し、プライオリティキューでは常に最も大きな値を持つ要素が先頭に配置されます。優先度の高い要素が低い要素よりも先に取り出される仕組みで、内部的にはヒープ構造によって管理されています。
デフォルトでは最大値が先頭に来る「最大ヒープ」として動作しますが、比較関数を指定することで最小ヒープとして利用することも可能です。タスクのスケジューリングやダイクストラ法など、優先順位付けが必要なアルゴリズムで広く活用されています。
使用する主なメンバ関数
- pq.size() … キューに格納されている要素数を返します。
- pq.push(v) … 要素vをキューに挿入し、内部のヒープを再構築します。
- pq.pop() … 最も優先度の高い(先頭の)要素を削除します。
- pq.top() … 先頭要素への参照を返します(削除は行いません)。
- pq.empty() … キューが空かどうかを判定します。
サンプルコード
以下は、メニュー形式で対話的に操作できるサンプルプログラムです。要素の挿入・削除・先頭要素の参照・サイズの確認が行えます。なお、top()やpop()を呼び出す前には必ずempty()で空チェックを行うことで、未定義動作を防げます。
#include<iostream>
#include <queue>
#include <cstdlib>
using namespace std;
int main() {
priority_queue<int> pq;
int c, i;
while (1) {
cout << "1.Size of the Priority Queue" << endl;
cout << "2.Insert Element into the Priority Queue" << endl;
cout << "3.Delete Element from the Priority Queue" << endl;
cout << "4.Top Element of the Priority Queue" << endl;
cout << "5.Exit" << endl;
cout << "Enter your Choice: ";
cin >> c;
switch (c) {
case 1:
cout << "Size of the Queue: " << pq.size() << endl;
break;
case 2:
cout << "Enter value to be inserted: ";
cin >> i;
pq.push(i);
break;
case 3:
if (!pq.empty()) {
i = pq.top();
pq.pop();
cout << i << " Deleted" << endl;
} else {
cout << "Priority Queue is Empty" << endl;
}
break;
case 4:
if (!pq.empty()) {
cout << "Top Element of the Queue: " << pq.top() << endl;
} else {
cout << "Priority Queue is Empty" << endl;
}
break;
case 5:
exit(0);
default:
cout << "Wrong Choice" << endl;
}
}
return 0;
}実行例
1.Size of the Priority Queue 2.Insert Element into the Priority Queue 3.Delete Element from the Priority Queue 4.Top Element of the Priority Queue 5.Exit Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 10 (メニュー再表示) Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 30 (メニュー再表示) Enter your Choice: 2 Enter value to be inserted: 20 (メニュー再表示) Enter your Choice: 4 Top Element of the Queue: 30 (メニュー再表示) Enter your Choice: 1 Size of the Queue: 3 (メニュー再表示) Enter your Choice: 3 30 Deleted (メニュー再表示) Enter your Choice: 4 Top Element of the Queue: 20 (メニュー再表示) Enter your Choice: 5
実行結果から、挿入した値の中で最も大きい30が常に先頭に配置され、削除時にも最大値から順に取り出されていることが確認できます。
補足:priority_queueを扱う際のポイント
- 計算量:
top()はO(1)、push()とpop()はO(log n)で高速に動作します。 - 最小ヒープにしたい場合:
priority_queue<int, vector<int>, greater<int>>のように比較関数を指定します。 - 制限事項:ランダムアクセスやイテレータによる走査はできません。先頭要素のみ参照可能です。
- 注意点:空のキューに対して
top()やpop()を呼び出すと未定義動作となるため、必ずempty()チェックを行いましょう。
-
C++のSTLでset_intersectionを実装し、2つの集合の積集合を求める方法
2つの集合の積集合(インターセクション)とは、両方の集合に共通して含まれる要素だけを集めたものです。set_intersection関数によってコピーされる要素は、必ず最初の集合から取り出され、元の順序がそのまま維持されます。また、この関数を正しく動作させるためには、処理前に両方の集合がそれぞれソート済みである必要があります。 集合に対する代表的な操作には、以下のようなものがあります。 和集合(ユニオン) 積集合(インターセクション) 対称差(排他的論理和・XOR) 差集合(減算) アルゴリズム Begin 結果を格納するvector型変数vとイテレータstを宣言する。 st =
-
【C++】STLのset_differenceを使って2つの集合の差分を求める方法
2つの集合の「差(差集合)」とは、1つ目の集合には存在するが、2つ目の集合には存在しない要素だけから構成される集合のことです。set_difference関数によってコピーされる要素は、必ず1つ目の集合から取り出され、元の順序が保たれます。また、この関数を正しく動作させるためには、両方の集合があらかじめソート(整列)されている必要があります。代表的な集合演算には以下のようなものがあります。和集合(Union)積集合(Intersection)対称差(Symmetric Difference / 排他的論理和)差集合(Difference / 減算)アルゴリズムBegin 集合用のvec