C++でオイラー路・オイラー閉路を出力するFleuryのアルゴリズム
Fleuryのアルゴリズムとは
Fleury(フルーリー)のアルゴリズムは、与えられたグラフからオイラー路またはオイラー閉路を求めて表示するための古典的なアルゴリズムです。ある辺から出発し、通過した辺を削除しながら隣接する頂点へ移動していくことで、各ステップでグラフを単純化し、オイラー路・オイラー閉路を見つけやすくします。
オイラー路・オイラー閉路を求めるためのルール
経路や閉路を正しく求めるには、あらかじめ次のルールを確認しておく必要があります。
- グラフはオイラーグラフ(連結グラフであり、奇数次の頂点が0個または2個)であること。
- 候補となる辺が2つあり、一方が橋(ブリッジ)、もう一方が非橋である場合は、必ず非橋の辺を先に選択すること。
始点の選び方
始点の選択も重要なポイントです。どの頂点でも始点にできるわけではありません。
- グラフに奇数次の頂点が存在しない場合:任意の頂点を始点として選べます。
- 奇数次の頂点が存在する場合:その頂点を必ず始点として選ぶ必要があります。
入力
グラフの隣接行列:
| 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 1 | 1 | 1 |
| 1 | 1 | 0 | 1 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 1 | 0 |
出力
オイラー路またはオイラー閉路:1--0 0--2 2--1 1--3 3--0 0--4 4--3 3—2
アルゴリズム
findStartVert(graph) 入力:与えられたグラフ 出力:アルゴリズムの開始頂点を見つける Begin グラフ内のすべての頂点 i について deg := 0 i に隣接するすべての頂点 j について deg := deg + 1 繰り返し終了 もし deg が奇数なら return i 終了 すべての次数が偶数の場合は 0 を返す End isBridge(u, v) 入力:始点ノードと終点ノード 出力:u と v が橋を形成する場合 true Begin deg := 0 v に隣接するすべての頂点 i について deg := deg + 1 繰り返し終了 もし deg > 1 なら return false return true End fleuryAlgorithm(start) 入力:開始頂点 出力:オイラー路またはオイラー閉路を表示 Begin edge := グラフ内の辺の本数を取得 // 次の再帰呼び出しでは初期化されない start に隣接するすべての頂点 v について もし edge <= 1 または isBridge(start, v) が false なら start から v への経路を表示 グラフから辺 (start, v) を削除 edge を 1 減らす fleuryAlgorithm(v) 繰り返し終了 End
C++による実装例
#include<iostream>
#include<vector>
#define NODE 5
using namespace std;
int graph[NODE][NODE] = {{0, 1, 1, 1, 1},
{1, 0, 1, 1, 0},
{1, 1, 0, 1, 0},
{1, 1, 1, 0, 1},
{1, 0, 0, 1, 0}
};
int tempGraph[NODE][NODE];
int findStartVert(){
for(int i = 0; i<NODE; i++){
int deg = 0;
for(int j = 0; j<NODE; j++){
if(tempGraph[i][j])
deg++; // 接続する辺が見つかったら次数を増やす
}
if(deg % 2 != 0) // 頂点の次数が奇数の場合
return i; // i は奇数次の頂点
}
return 0; // すべての頂点の次数が偶数の場合は 0 から開始
}
bool isBridge(int u, int v){
int deg = 0;
for(int i = 0; i<NODE; i++)
if(tempGraph[v][i])
deg++;
if(deg>1){
return false; // この辺は橋を形成していない
}
return true; // 辺が橋を形成している
}
int edgeCount(){
int count = 0;
for(int i = 0; i<NODE; i++)
for(int j = i; j<NODE; j++)
if(tempGraph[i][j])
count++;
return count; // グラフ内の辺の本数を数える
}
void fleuryAlgorithm(int start){
static int edge = edgeCount();
for(int v = 0; v<NODE; v++){
if(tempGraph[start][v]){ // 辺 (u,v) が存在し、橋を形成していない場合
if(edge <= 1 || !isBridge(start, v)){
cout << start << "--" << v << " ";
tempGraph[start][v] = tempGraph[v][start] = 0; // グラフから辺を削除
edge--; // 辺の数を減らす
fleuryAlgorithm(v);
}
}
}
}
int main(){
for(int i = 0; i<NODE; i++) // 元のグラフを tempGraph にコピー
for(int j = 0; j<NODE; j++)
tempGraph[i][j] = graph[i][j];
cout << "Euler Path Or Circuit: ";
fleuryAlgorithm(findStartVert());
}
実行結果
Euler Path Or Circuit: 1--0 0--2 2--1 1--3 3--0 0--4 4--3 3—2
計算量について
Fleuryのアルゴリズムでは、各ステップで「その辺が橋かどうか」の判定を行うため、辺数を E、頂点数を V とすると、全体の計算量は O(E·(V+E)) 程度になります。より高速な Hierholzer のアルゴリズム(O(V+E))も知られていますが、Fleuryのアルゴリズムは「橋を最後に残す」という発想が直感的で、仕組みを理解しやすいのが大きな特徴です。
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