変動係数(CV)を求めるC++プログラムの実装方法
サイズnのfloat型の値を要素とする配列が与えられ、その変動係数(Coefficient of Variation:CV)を計算して結果を表示するのが本記事の課題です。
変動係数とは?
統計学において、変動係数は与えられたデータ全体のばらつき(散らばり)の度合いを相対的に評価するための指標です。単位やスケールが異なるデータ同士でも、変動の大きさを比較できる点が大きな特徴です。
金融の分野では、投資額に対するリスクの大きさを測るために活用されます。標準偏差と平均の比率が小さいほど、投資に伴うリスクは低いと判断できます。変動係数は「標準偏差を平均で割った値」として、次の式で定義されます。
変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均
入力例と出力例
入力: array[] = { 10.0, 21, 23, 90.0, 10.5, 32.56, 24, 45, 70.0 }
出力: 変動係数 : 0.75772
入力: array[] = { 15.0, 36.0, 53.67, 25.45, 67.8, 56, 78.09 }
出力: 変動係数 : 0.48177
プログラムで使用するアプローチ
- float型の値を含む配列を入力として受け取る
- 与えられた配列から平均値と標準偏差を計算する
- 標準偏差を平均値で割ることで変動係数を求める
- 計算結果を変動係数として表示する
アルゴリズム
開始
ステップ1 → 平均値を計算する関数を宣言する
float cal_mean(float arr[], int size)
float sum = 0 を宣言
ループ: i = 0 から i < size まで i++ ずつ繰り返す
sum = sum + arr[i] とする
ループ終了
return sum / size を返す
ステップ2 → 標準偏差を計算する関数を宣言する
float StandardDeviation(float arr[], int size)
float sum = 0 を宣言
ループ: i = 0 から i < size まで i++ ずつ繰り返す
sum = sum + (arr[i] - cal_mean(arr, size)) * (arr[i] - cal_mean(arr, size)) とする
ループ終了
return sqrt(sum / (size - 1)) を返す
ステップ3 → 変動係数を計算する関数を宣言する
float CoefficientOfVariation(float arr[], int size)
return StandardDeviation(arr, size) / cal_mean(arr, size) を返す
ステップ4 → main() 内で以下を実行する
float型配列 arr[] = { 10.0, 21, 23, 90.0, 10.5, 32.56, 24, 45, 70.0 } を宣言
配列のサイズを int size = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]) として求める
CoefficientOfVariation(arr, size) を呼び出す
終了
C++サンプルコード
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
// 平均値を計算する関数
float cal_mean(float arr[], int size) {
float sum = 0;
for (int i = 0; i < size; i++)
sum = sum + arr[i];
return sum / size;
}
// 標準偏差を計算する関数
float StandardDeviation(float arr[], int size) {
float sum = 0;
for (int i = 0; i < size; i++)
sum = sum + (arr[i] - cal_mean(arr, size)) * (arr[i] - cal_mean(arr, size));
return sqrt(sum / (size - 1));
}
// 変動係数を計算する関数
float CoefficientOfVariation(float arr[], int size) {
return StandardDeviation(arr, size) / cal_mean(arr, size);
}
int main() {
float arr[] = { 10.0, 21, 23, 90.0, 10.5, 32.56, 24, 45, 70.0 };
int size = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]);
cout << "coefficient of variation is : " << CoefficientOfVariation(arr, size);
return 0;
}
出力結果
coefficient of variation is : 0.75772
コードの解説
このプログラムは、以下の3つの関数で構成されています。
cal_mean関数
配列の全要素を合計し、要素数で割ることで平均値を算出します。
StandardDeviation関数
各要素と平均値の差を2乗して合計し、その値を「要素数 - 1」で割った平方根を標準偏差として返します。分母に n - 1 を用いているため、ここでは不偏標準偏差(標本標準偏差)が計算されます。
CoefficientOfVariation関数
StandardDeviation関数の結果をcal_mean関数の結果で割ることで、変動係数を求めます。
注意点
平均値が0に近い、または0の場合、変動係数が極端に大きな値になったり、ゼロ除算エラーが発生したりするため注意が必要です。また、データに負の値が含まれる場合も、変動係数の解釈には慎重さが求められます。
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