C++でpairをキーとするunordered_mapを作成する方法
このチュートリアルでは、C++でpair(ペア)をキーとするunordered_mapを作成する方法について詳しく解説します。
unordered_mapは、デフォルトではpair型に対するハッシュ関数を提供していません。そのため、pairをキーとして使用したい場合は、カスタムハッシュ関数を明示的に指定する必要があります。
カスタムハッシュ関数の実装例
以下のコードでは、hash_pairという構造体を定義し、unordered_mapのテンプレート引数として渡しています。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
// 任意のpairに対するハッシュ値を計算する
struct hash_pair {
template <class T1, class T2>
size_t operator()(const pair<T1, T2>& p) const{
auto hash1 = hash<T1>{}(p.first);
auto hash2 = hash<T2>{}(p.second);
return hash1 ^ hash2;
}
};
int main(){
// ハッシュ関数を明示的に指定
unordered_map<pair<int, int>, bool, hash_pair> um;
// キーとして使用するpairを作成
pair<int, int> p1(1000, 2000);
pair<int, int> p2(2000, 3000);
pair<int, int> p3(2005, 3005);
um[p1] = true;
um[p2] = false;
um[p3] = true;
cout << "Contents of the unordered_map : \n";
for (auto p : um)
cout << "[" << (p.first).first << ", " << (p.first).second << "] ==> " << p.second << "\n";
return 0;
}実行結果
Contents of the unordered_map : [1000, 2000] ==> 1 [2005, 3005] ==> 1 [2000, 3000] ==> 0
コードの解説
1. カスタムハッシュ関数の定義
hash_pair構造体では、関数呼び出し演算子operator()をオーバーロードしています。内部では、pairのfirstとsecondそれぞれに対して標準のstd::hashを適用し、得られた2つのハッシュ値をXOR演算子(^)で組み合わせています。テンプレートを使用しているため、int以外の型の組み合わせにも対応できます。
2. unordered_mapの宣言方法
unordered_mapは3つのテンプレート引数を受け取ります。第1引数がキーの型(pair<int, int>)、第2引数が値の型(bool)、第3引数がハッシュ関数(hash_pair)です。この第3引数にカスタムハッシュを指定することで、pairをキーとして扱えるようになります。
注意点:ハッシュ衝突への対策
単純なXORによるハッシュ結合は、(a, b)と(b, a)が同一のハッシュ値になるなど、衝突が発生しやすいという弱点があります。実務で利用する場合は、以下のようにビットシフトと定数を組み合わせたboost::hash_combine風の手法を採用すると、より分散性の高いハッシュになります。
size_t seed = hash1 + 0x9e3779b9; seed ^= hash2 + 0x9e3779b9 + (seed << 6) + (seed >> 2); return seed;
このようにカスタムハッシュ関数を用意することで、C++のunordered_mapでもpairを自由にキーとして扱うことが可能になります。
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