C++ STLのlist::end()関数の使い方を徹底解説
本記事では、C++標準テンプレートライブラリ(STL)におけるlist::end()関数の動作、構文、そして具体的なコード例について詳しく解説します。
STLにおけるリスト(std::list)とは?
リストは、シーケンス内の任意の位置に対して定数時間での挿入・削除を可能にするデータ構造です。内部実装は双方向連結リストになっており、メモリ上の連続しない領域に要素を配置できます。
配列、vector、dequeといったコンテナと比較すると、リストはコンテナ内の任意の位置への要素の挿入・抽出・移動において優れたパフォーマンスを発揮します。その一方で、要素への直接アクセス(ランダムアクセス)は遅いという特徴があります。
なお、listはforward_listとよく似ていますが、forward_listは単方向連結リストであり、前方方向にしか走査できないという違いがあります。
list::end()とは?
list::end()は、C++ STLに標準で組み込まれている関数で、<list>ヘッダーファイル内で宣言されています。
end()は、リストコンテナの「末尾要素の次の位置」を指すイテレータを返します。つまり、このイテレータが指すのはコンテナ内の実際のどの要素でもありません。これは「過去終端イテレータ」と呼ばれる特殊な位置です。
この関数は主にlist::begin()と組み合わせて使用され、リストコンテナ全体の範囲を表すために活用されます。
構文
list_container.end();
この関数は引数を受け取りません。
戻り値
リストコンテナの末尾要素の次の位置(past-to-end)を指すイテレータを返します。
注意: end()が返すイテレータを逆参照(デリファレンス)した場合の動作は未定義です。あくまでループの終了条件などに使用するためのものです。
使用例1:end()を使ったリストの走査
以下のコードでは、end()関数を利用してリスト内のすべての要素を順番に出力しています。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
int main(){
// リストを作成
list<int> myList;
// push_back()関数で要素を挿入
myList.push_back(67);
myList.push_back(12);
myList.push_back(32);
myList.push_back(780);
myList.push_back(78);
cout<<"elements in the list are :\n";
// begin()からend()までイテレータで走査
for (auto j = myList.begin(); j != myList.end(); j++){
cout << *j << " ";
}
return 0;
}
出力
上記のコードを実行すると、次の出力が得られます。
Elements in the list are: 67 12 32 780 78
使用例2:配列の値からリストを作成してアクセス
次のコードでは、ヘッダーファイルを明示的にインクルードし、end()関数を使ってリスト内の要素にアクセスしています。
#include <iostream>
#include <list>
int main (){
// 要素の配列を作成
int values[] = {67, 12, 32, 780, 78};
// 配列の値をリストに挿入
std::list<int> myList (values, values+5);
std::cout << "elements in the list are :\n";
// end()が返すイテレータを使ってリスト要素にアクセス
for (std::list<int>::iterator i = myList.begin(); i != myList.end(); ++i)
std::cout << ' ' << *i;
return 0;
}
出力
上記のコードを実行すると、次の出力が得られます。
Elements in the list are: 67 12 32 780 78
まとめ
list::end()は、リストの末尾の次の位置を指す重要なイテレータ取得関数です。begin()と組み合わせることで、range-based forループが登場する前から広く使われてきた、リスト走査の基本的なパターンを構成できます。要素の追加・削除が高速なlistの特性を活かしながら、end()を正しく理解して安全に活用しましょう。
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