【C++】2つの区間リストの共通部分を2ポインタ法で効率よく求める方法
問題の概要
閉区間からなるリストが2つ与えられます。それぞれのリスト内では、区間どうしが互いに重複せず(ペアワイズに素)、昇順にソートされているものとします。このとき、2つの区間リストの共通部分(交差)を求めるのが本記事のテーマです。
閉区間 [a, b] とは、「a ≤ x ≤ b」を満たす実数 x 全体を表す集合のことです。2つの閉区間の共通部分は、空集合になるか、あるいは再び1つの閉区間として表されることが知られています。
たとえば、次のような入力を考えてみましょう。
- A = [[0,2], [5,10], [13,23], [24,25]]
- B = [[1,5], [8,12], [15,24], [25,27]]
この場合の出力は [[1,2], [5,5], [8,10], [15,23], [24,24], [25,25]] となります。
アプローチ:2ポインタ法
両リストともソート済みであるため、2ポインタ法を使うと効率的に解けます。A の i 番目の区間と B の j 番目の区間を先頭から同時に走査し、交差していれば結果に追加し、終点が早い方のポインタを進めていくのが基本戦略です。
アルゴリズムの手順
- 結果を格納する配列 res を用意し、ポインタ i と j を 0 で初期化します。
- i < A.size() かつ j < B.size() の間、以下を繰り返します。
- 共通部分の候補として、始点 lo を max(A[i][0], B[j][0])、終点 hi を min(A[i][1], B[j][1]) とします。
- lo ≤ hi であれば、区間 [lo, hi] は実際に交差しているので res に追加します。
- A[i][1] < B[j][1](A 側の区間が先に終わる)なら i を、そうでなければ j を1進めます。
C++での実装例
#include <iostream>
#include <vector>
#include <algorithm>
using namespace std;
class Solution {
public:
vector<vector<int>> intervalIntersection(vector<vector<int>>& A,
vector<vector<int>>& B) {
vector<vector<int>> result;
int i = 0, j = 0;
while (i < (int)A.size() && j < (int)B.size()) {
// 共通部分の候補:始点は大きい方、終点は小さい方
int lo = max(A[i][0], B[j][0]);
int hi = min(A[i][1], B[j][1]);
if (lo <= hi) { // 実際に交差している場合のみ追加
result.push_back({lo, hi});
}
// 終点が早い側のポインタを進める
if (A[i][1] < B[j][1]) i++;
else j++;
}
return result;
}
};
int main() {
Solution ob;
vector<vector<int>> A = {{0,2},{5,10},{13,23},{24,25}};
vector<vector<int>> B = {{1,5},{8,12},{15,24},{25,27}};
vector<vector<int>> ans = ob.intervalIntersection(A, B);
cout << "[";
for (size_t k = 0; k < ans.size(); ++k) {
cout << "[" << ans[k][0] << ", " << ans[k][1] << "]";
if (k + 1 < ans.size()) cout << ", ";
}
cout << "]" << endl;
return 0;
}
入力
A = [[0,2],[5,10],[13,23],[24,25]]
B = [[1,5],[8,12],[15,24],[25,27]]
出力
[[1, 2], [5, 5], [8, 10], [15, 23], [24, 24], [25, 25]]
動作のポイント
- 交差判定:2つの閉区間 [a1, b1] と [a2, b2] が交差するのは、max(a1, a2) ≤ min(b1, b2) が成り立つときです。
- ポインタの進め方:終点が早い側の区間は、相手側の残りのどの区間ともこれ以上交差しないため、そのポインタを安全に進められます。
- 単一点の区間:[5,5] のように始点と終点が一致する区間も、有効な結果として正しく扱われます。
計算量
- 時間計算量:O(n + m)(n、m はそれぞれ A、B の区間数)。各ステップで必ずどちらかのポインタが1つ進むためです。
- 空間計算量:出力を除き O(1)。入力リストを書き換えることなく処理できます。
まとめ
ソート済みの区間リスト同士の共通部分は、2ポインタ法によって線形時間で求められます。「始点の最大値」と「終点の最小値」を比較して交差を判定し、終点が早い側のポインタを進めるというシンプルなルールだけで実装できるのが魅力です。マージソートのマージ処理に似た発想なので、覚えておくとカレンダーの予定重複チェックなど、さまざまな場面で応用できるテクニックです。
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