C++でソート済み連結リストを高さ平衡な二分探索木に変換する方法
はじめに
要素が非減少順(昇順)に並んでいる単方向連結リストが与えられたとき、それを高さ平衡な二分探索木(BST)へ変換する問題を考えてみましょう。例えば、リストが [-10, -3, 0, 5, 9] の場合、変換後の木は次のようになります。

この問題では、リストの中央の要素を根(ルート)として選び、その左右の部分リストをそれぞれ再帰的に変換することで、自然にバランスの取れた木を構築できます。以下の手順で解いていきましょう。
アルゴリズムの手順
- リストが空の場合は null を返します。
- リストの先頭ノードを受け取る再帰メソッド sortedListToBST() を定義します。
- 高速ポインタ・低速ポインタ法により、リスト a の中央ノードを求めます。
- x := 中央ノードの直前のノードのアドレス
- mid := 中央ノードそのもの
- mid の値を持つ新しいツリーノードを作成します。
- nextStart := mid の次のノードとし、mid の next を null に設定してリストを分割します。
- node の右の子 := sortedListToBST(nextStart)
- x が null でない場合(左側に部分リストが残っている場合)
- x の next を null に切り離し、node の左の子 := sortedListToBST(a)
- node を返します。
それでは、実際の実装を見て理解を深めましょう。
C++での実装例
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class ListNode{
public:
int val;
ListNode *next;
ListNode(int data){
val = data;
next = NULL;
}
};
ListNode *make_list(vector<int> v){
ListNode *head = new ListNode(v[0]);
for(int i = 1; i<v.size(); i++){
ListNode *ptr = head;
while(ptr->next != NULL){
ptr = ptr->next;
}
ptr->next = new ListNode(v[i]);
}
return head;
}
class TreeNode{
public:
int val;
TreeNode *left, *right;
TreeNode(int data){
val = data;
left = right = NULL;
}
};
void inord(TreeNode *root){
if(root != NULL){
inord(root->left);
cout << root->val << " ";
inord(root->right);
}
}
class Solution {
public:
pair <ListNode*, ListNode*> getMid(ListNode* a){
ListNode* prev = NULL;
ListNode* fast = a;
ListNode* slow = a;
while(fast && fast->next){
fast = fast->next->next;
prev = slow;
slow = slow->next;
}
return {prev, slow};
}
TreeNode* sortedListToBST(ListNode* a) {
if(!a)return NULL;
pair<ListNode*, ListNode*> x = getMid(a);
ListNode* mid = x.second;
TreeNode* Node = new TreeNode(mid->val);
ListNode* nextStart = mid->next;
mid->next = NULL;
Node->right = sortedListToBST(nextStart);
if(x.first){
x.first->next = NULL;
Node->left = sortedListToBST(a);
}
return Node;
}
};
main(){
vector<int> v = {-10,-3,0,5,9};
ListNode *head = make_list(v);
Solution ob;
inord(ob.sortedListToBST(head));
}入力
[-10,-3,0,5,9]
出力
-10 -3 0 5 9
解説のポイント
この実装では、getMid() 関数内で「高速ポインタ(fast)」と「低速ポインタ(slow)」を使用しています。fast は1回で2ノード先へ進み、slow は1ノードずつ進むため、fast がリスト末尾に到達したとき、slow はちょうど中央のノードを指しています。これにより、リストの長さを事前に計算することなく中央を効率よく特定できます。
中央ノードを根とした後、リストを「中央より前」「中央より後」の2つの部分リストに分割し、それぞれに対して再帰的に同じ処理を適用します。こうして得られる木は、左右の部分木の高さの差が最大1以内に収まる高さ平衡な二分探索木となります。
出力は木を中順走査(in-order traversal)した結果であり、元のリストと同じ昇順の並びになっていることから、正しく二分探索木が構築されていることが確認できます。
計算量
- 時間計算量: O(n log n) — 各再帰レベルでリスト全体の走査(中央探索)が発生するためです。
- 空間計算量: O(log n) — 再帰呼び出しのスタックの深さが木の高さ(log n)に相当します。
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