Pythonで全員が集まるための最小ステップ数を求めるプログラム(BFS活用)
問題の概要
2次元グリッド(マトリックス)が与えられ、各セルには次のいずれかの値が格納されています。0は空きセル、1は壁、2は人を表します。人は上下左右の4方向へ移動するか、その場にとどまるかを選択でき、いずれも1時間単位を消費します。ここで、全員が集まるまでにかかる時間を最小化できる「移動可能なセル」を見つけ、その時間(必要な最小ステップ数)を返すことが目的です。
なお、複数の人が同じ空きセルを通過することは許され、任意の2人の間には必ず何らかの経路が存在すると仮定して構いません。
入力例
| 2 | 0 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 0 | 2 |
| 2 | 0 | 2 | 0 |
この場合の出力は 2 となります。すべての人が matrix[1, 1] の位置に最大2ステップで集まることができるためです。
解決のためのアルゴリズム
この問題は、各人を起点として幅優先探索(BFS)で全セルへの距離を求め、全員が到達可能なセルの中で「最大距離」が最小となるものを選ぶことで解けます。集合にかかる時間は、その地点から最も遠い人のステップ数で決まるためです。
BFS関数の手順
- bfs(r, c) 関数を定義します。始点 (r, c) をキューに挿入し、dist マップを {(r, c): 0} で初期化します。
- キューからセルを取り出し、その距離(dist値)が15を超えていたら探索を打ち切ります(探索深度の制限)。
- 上下左右の隣接セル (nr, nc) のうち、壁ではなく未訪問のものに対して dist[nr, nc] = dist[r, c] + 1 を設定し、キューの末尾に追加します。
- 探索完了後、dist を返します。
メイン処理の手順
- dist を None で初期化します。
- グリッドを走査し、値が 2(人)であるセルごとに bfs(r, c) を実行して ndist を取得します。
- 最初の人であれば dist = ndist とし、2人目以降は既存の dist の各キーについて次のように処理します。
- ndist にも同じキーが存在する場合:dist[key] = max(dist[key], ndist[key]) と更新します(全員が揃う時間は最も遠い人に合わせるため)。
- ndist にキーが存在しない場合:そのセルを dist から削除します(誰かが到達できないため集合候補から除外)。
- 最後に、dist が空でなければその値の最小値を返し、空であれば 0 を返します。
なお、隣接セルの判定に使われている A[nr][nc] & 1 == 0 はビット演算によるテクニックです。壁は 1(奇数)、空きセルは 0・人は 2(偶数)なので、この条件で壁だけを効率的に除外できます。
実装例(Python)
class Solution:
def solve(self, A):
R, C = len(A), len(A[0])
def get_neighbor(r, c):
for nr, nc in ((r - 1, c), (r, c - 1), (r + 1, c), (r, c + 1)):
if 0 <= nr < R and 0 <= nc < C and A[nr][nc] & 1 == 0:
yield nr, nc
def bfs(r, c):
queue = [(r, c)]
dist = {(r, c): 0}
for r, c in queue:
if dist[r, c] > 15:
break
for nr, nc in get_neighbor(r, c):
if (nr, nc) not in dist:
dist[nr, nc] = dist[r, c] + 1
queue.append((nr, nc))
return dist
dist = None
for r, row in enumerate(A):
for c, val in enumerate(row):
if val == 2:
ndist = bfs(r, c)
if dist is None:
dist = ndist
else:
for key in list(dist.keys()):
if key in ndist:
dist[key] = max(dist[key], ndist[key])
else:
del dist[key]
return min(dist.values()) if dist else 0
ob = Solution()
matrix = [
[2, 0, 1, 0],
[1, 0, 0, 2],
[2, 0, 2, 0]
]
print(ob.solve(matrix))
入力
[ [2, 0, 1, 0], [1, 0, 0, 2], [2, 0, 2, 0] ]
出力
2
計算量について
人数を P、グリッドのサイズを R×C とすると、各人について BFS を1回実行するため、時間計算量は O(P × R × C) となります。人数やグリッドが大きくなっても線形オーダーで処理できる、効率的なアプローチです。
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