JavaScriptで2つの配列の合計を等しくする!要素交換アルゴリズムの解説
問題の概要
数値を格納した2つの配列 arr1 と arr2 を、それぞれ第1引数・第2引数として受け取るJavaScript関数を実装することを考えます。
ここで、arr1 の要素の合計と arr2 の要素の合計は互いに異なっています。この関数には次のような役割を持たせます。
まず arr1 から1つの要素を取り出して arr2 へ移動させ、同時に arr2 から1つの要素を取り出して arr1 へ移動させます。この操作によって、両方の配列の要素の合計が等しくなるようにします。最後に、交換した2つの要素を配列として返します。
例として、関数への入力が以下の場合を確認してみましょう。
入力
const arr1 = [1, 2, 5]; const arr2 = [2, 4];
出力
const output = [5, 4];
出力の解説
arr1 から 5 を取り除いて arr2 に追加し、arr2 から 4 を取り除いて arr1 に追加すると、両方の配列の合計はそれぞれ 7 となり、見事に一致します。そのため、答えは [5, 4] となります。
解法のアプローチ
全ての要素の組み合わせを総当たりで調べる方法もありますが、数学的な性質を利用すれば、より効率的に解けます。考え方は以下の通りです。
- まず、両方の配列の合計値
sumAとsumBをそれぞれ計算します。 - 交換後の目標となる合計値は、全体の合計の半分、つまり
(sumA + sumB) / 2です。 arr1から要素xを抜き、arr2から要素yを受け取ったとき、条件式はsumA − x + y = (sumA + sumB) / 2と表せます。これを変形するとy = x + difference(ただしdifference = (sumA + sumB) / 2 − sumA)というシンプルな関係になります。- そこで、
arr2の各要素をあらかじめハッシュマップ(オブジェクト)に登録しておけば、「x + differenceがarr2に存在するか」をO(1)で判定でき、全体の計算量はO(n)に抑えられます。
実装コード
const arr1 = [1, 2, 5];
const arr2 = [2, 4];
const balanceArrays = (arr1 = [], arr2 = []) => {
const sumA = arr1.reduce((acc, v) => acc + v, 0)
const sumB = arr2.reduce((acc, v) => acc + v, 0)
const difference = (sumA + sumB) / 2 - sumA
const map = arr2.reduce((acc, v) => {
acc[v] = true
return acc
}, {})
for(let i = 0; i < arr1.length; i++) {
if(map[arr1[i] + difference] === true) {
return [arr1[i], arr1[i] + difference]
}
}
return []
};
console.log(balanceArrays(arr1, arr2));
出力結果
[5, 4]
コードのポイント
reduce()を使うことで、配列の合計値やハッシュマップの生成を簡潔に記述できます。- 条件を満たす組み合わせが存在しない場合は、空の配列
[]を返す仕様になっています。 - ハッシュマップによる検索により、二重ループを使う総当たり方式(O(n × m))と比べて大幅に高速化でき、大きな配列でも実用的なパフォーマンスを発揮します。
このように、差分の関係式を導き出しハッシュマップと組み合わせることで、一見複雑に思える配列のバランス調整問題も、線形時間でエレガントに解くことができます。
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