Pythonで行列の転置を求める方法をわかりやすく解説
本記事では、Pythonを使って行列の転置(transpose)を求める方法について、2つのアプローチを交えながら詳しく解説します。
問題の概要
問題設定: 与えられた行列に対して、その転置行列を求めて表示します。
行列の転置とは、行列Aの要素 A[i][j] を A[j][i] と入れ替えることで得られる行列のことです。つまり、行と列を入れ替えた新しい行列が転置行列となります。
それでは、実際のコード実装を見ながら概念を確認していきましょう。
方法1:新しい行列を作成して転置を格納する
1つ目の方法は、入力行列とは別に新しい行列を用意し、そこに転置結果を格納するアプローチです。元の行列を保持したい場合に有効な方法です。
サンプルコード
def transpose(A, B):
for i in range(M):
for j in range(N):
B[i][j] = A[j][i]
# ドライバーコード
M = N = 4
A = [[0, 1, 1, 0],
[0, 2, 0, 2],
[0, 3, 0, 3],
[0, 0, 4, 4]]
B = A[:][:] # 空の行列
transpose(A, B)
print("変換後の行列は")
for i in range(N):
for j in range(N):
print(B[i][j], " ", end='')
print()
実行結果
変換後の行列は 0 0 0 0 0 2 3 0 0 3 0 4 0 0 4 4
このコードでは、二重ループを使って元の行列Aの各要素を読み込み、行と列を入れ替えた位置に新しい行列Bへコピーしています。計算量は O(M×N) となり、追加のメモリとして M×N 分の領域が必要です。
方法2:入力行列自体に転置を上書きする(インプレース転置)
2つ目の方法は、新しい行列を作らずに入力行列そのものを書き換えるアプローチです。j > i の範囲だけをループ処理することで、同じ要素を二重に交換してしまうことを防いでいます。メモリ効率が良いのが特徴です。
サンプルコード
# 関数定義
def transpose(A):
for i in range(M):
for j in range(i + 1, N):
A[i][j], A[j][i] = A[j][i], A[i][j]
M = N = 4
A = [[0, 1, 1, 0],
[0, 2, 0, 2],
[0, 3, 0, 3],
[0, 0, 4, 4]]
transpose(A)
print("変換後の行列は")
for i in range(M):
for j in range(N):
print(A[i][j], " ", end='')
print()
実行結果
変換後の行列は 0 0 0 0 0 2 3 0 0 3 0 4 0 0 4 4
Pythonのタプル代入(A[i][j], A[j][i] = A[j][i], A[i][j])を活用することで、一時変数なしで要素をスワップできる点もポイントです。なお、この方法は正方行列(M=N)でのみ正しく動作することに注意してください。
補足:zip()を使った簡潔な書き方
Pythonでは、組み込み関数 zip() を使うことで、転置を1行で実現できます。
transposed = [list(row) for row in zip(*A)]
*A で行列の各行を展開し、zip() がそれらを列ごとにまとめ直す仕組みです。NumPyを使用している場合は A.T や np.transpose(A) でも同様の結果が得られます。
まとめ
本記事では、Pythonで行列の転置を求める2つの基本的な方法を学びました。
- 方法1: 新しい行列を作成する方式 ― 元の行列を保持でき、長方形行列にも対応可能
- 方法2: 入力行列を直接書き換える方式 ― メモリ効率が良いが、正方行列限定
用途に応じて適切な方法を選択しましょう。また、実務では zip(*A) やNumPyの .T 属性を使うと、より簡潔かつ高速に転置を実現できます。
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