Pythonの組み込みクラス属性とは?__dict__・__doc__・__name__などの使い方を実例付きで解説
Pythonの組み込みクラス属性とは
Pythonでは、すべてのクラスが標準でいくつかの組み込み属性(built-in attributes)を持っています。これらは通常の属性と同じように、ドット演算子(.)を使ってアクセスできます。
主な組み込みクラス属性は以下の通りです。
- __dict__ … クラスの名前空間(namespace)を格納した辞書。
- __doc__ … クラスのドキュメンテーション文字列(docstring)。定義されていない場合は
None。 - __name__ … クラス名。
- __module__ … クラスが定義されているモジュール名。対話モードでは
"__main__"になります。 - __bases__ … 基底クラス(親クラス)を格納したタプル。基底クラスがない場合は空のタプルになります。並び順は定義時の記述順に従います。
各属性のまとめ表
| 属性名 | 内容 |
|---|---|
| __dict__ | クラスの名前空間を保持する辞書 |
| __doc__ | クラスのdocstring(未定義ならNone) |
| __name__ | クラス名 |
| __module__ | クラスが定義されたモジュール名 |
| __bases__ | 基底クラスのタプル(継承元の一覧) |
サンプルコード
以下は、Employee クラスに対してこれらの組み込み属性へアクセスする例です(Python 3系の構文で記述しています)。
#!/usr/bin/python
class Employee:
'Common base class for all employees'
empCount = 0
def __init__(self, name, salary):
self.name = name
self.salary = salary
Employee.empCount += 1
def displayCount(self):
print("Total Employee %d" % Employee.empCount)
def displayEmployee(self):
print("Name : ", self.name, ", Salary: ", self.salary)
# インスタンスを2つ生成
e = Employee("Taro", 300000)
f = Employee("Hanako", 400000)
print("Employee.__doc__:", Employee.__doc__)
print("Employee.__name__:", Employee.__name__)
print("Employee.__module__:", Employee.__module__)
print("Employee.__bases__:", Employee.__bases__)
print("Employee.__dict__:", Employee.__dict__)
実行結果
上記のコードを実行すると、次のような出力が得られます(関数のアドレス部分は環境によって異なります)。
Employee.__doc__: Common base class for all employees
Employee.__name__: Employee
Employee.__module__: __main__
Employee.__bases__: ()
Employee.__dict__: {'__module__': '__main__', 'displayCount': <function displayCount at 0xb7c84994>, 'empCount': 2, 'displayEmployee': <function displayEmployee at 0xb7c8441c>, '__doc__': 'Common base class for all employees', '__init__': <function __init__ at 0xb7c846bc>}
実行結果のポイント
__doc__には、クラス冒頭に記述したdocstring「Common base class for all employees」がそのまま格納されています。__name__にはクラス名「Employee」、__module__にはスクリプトとして直接実行されたことを示す「__main__」が入っています。__bases__は空のタプル()です。これはEmployeeクラスが明示的にどのクラスも継承していないためです。__dict__を見ると、クラス変数empCountや各メソッド、__init__など、クラスに属するすべての要素が辞書形式で登録されていることが分かります。
これらの組み込み属性を活用すると、クラスの内部構造を動的に調べたり、リフレクション的な処理を実装したりすることが可能になります。デバッグやメタプログラミングの際にも役立つので、ぜひ覚えておきましょう。
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