欠損値を含むPython Pandasの2つのDataFrameを比較する方法
はじめに
Pandasでは、欠損値(missing value)を表すためにNumPyのNaN(np.nan)オブジェクトを使用します。このNumPyのNaN値には、興味深い数学的な特性がいくつかあります。例えば、NaNは自分自身と等しくないという性質を持っています。一方、PythonのNoneオブジェクトは、自分自身と比較するとTrueと評価されます。
np.nanの基本的な挙動
まず、いくつかの例を見て、np.nanがどのように振る舞うのかを理解しましょう。
import pandas as pd
import numpy as np
# PythonのNoneオブジェクトを自分自身と比較
print(f"Output \n *** {None == None} ")出力
*** True
次に、NumPyのNaNを自分自身と比較してみます。
# NumPyのnanを自分自身と比較
print(f"Output \n *** {np.nan == np.nan} ")出力
*** False
さらに、NaNが10より大きいかどうかを確認してみます。
# nanは10より大きい?
print(f"Output \n *** {np.nan > 10} ")出力
*** False
サンプルDataFrameの作成
従来、SeriesやDataFrameの比較には等価演算子「==」が使われてきました。比較の結果はオブジェクトとして返されます。まずは、テニス選手とそのグランドスラム優勝回数を含むDataFrameを作成しましょう。
# テニス選手とグランドスラム優勝回数のDataFrameを作成
df = pd.DataFrame(data={"players": ['Federer', 'Nadal', 'Djokovic', 'Murray', 'Medvedev', 'Zverev'],
"titles": [20, 19, 17, 3, np.nan, np.nan]})
# インデックスを設定
df.index = df['players']
# インデックスを昇順でソート
df.sort_index(inplace=True, ascending=True)
# インデックスが設定されているか確認
df.index.is_monotonic_increasing
# レコードを表示
print(f"Output \n{df}")出力
players titles players Djokovic Djokovic 17.0 Federer Federer 20.0 Medvedev Medvedev NaN Murray Murray 3.0 Nadal Nadal 19.0 Zverev Zverev NaN
==演算子による比較
1. 理解を深めるために、まずすべてのプレイヤーをスカラー値「Federer」と比較して、結果を確認してみましょう。
print(f'Output \n {df == "Federer"}')出力
players titles players Djokovic False False Federer True False Medvedev False False Murray False False Nadal False False Zverev False False
2. これは期待どおりに動作しますが、欠損値を含むDataFrame同士を比較しようとすると問題が発生します。この様子を確認するために、dfをそれ自身と比較してみましょう。
df_compare = df == df
print(f'Output \n {df_compare}')出力
players titles players Djokovic True True Federer True True Medvedev True False Murray True True Nadal True True Zverev True False
3. 一見すると、すべての値が期待どおりに見えるかもしれません。しかし、.allメソッドを使って各列にTrueのみが含まれているかどうかを確認すると(同じオブジェクト同士を比較しているのですから、そうなるはずですよね?)、予期しない結果が得られます。
print(f'Output \n {df_compare.all()}')出力
players True titles False dtype: bool
4. 前述のとおり、これは欠損値同士が互いに等しいと評価されないために起こります。MedvedevとZverevには優勝タイトルがない(つまりNaNである)ことは明らかなので、各列の欠損値の数を合計すれば、titles列では2、players列では0になるはずです。実際に何が起こるか見てみましょう。
print(f'Output \n {(df_compare == np.nan).sum()}')出力
players 0 titles 0 dtype: int64
5. 上記の結果は予期しないものです。これはnanが非常に特殊な振る舞いをするためです。
.equals()メソッドによる正しい比較方法
6. 2つのDataFrame全体を正しく比較する方法は、等価演算子(==)ではなく、.equalsメソッドを使用することです。このメソッドは、同じ位置にあるNaN同士を等しいものとして扱います。
重要な注意点として、.eqメソッドは.equalsではなく、==と同等であることに注意してください。
print(f'Output \n {df_compare.equals(df_compare)}')出力
True
assert_frame_equalによる単体テスト
7. 単体テストの一環として2つのDataFrameを比較したい場合には、もう一つの方法があります。assert_frame_equal関数は、2つのDataFrameが等しくない場合にAssertionErrorを発生させます。2つのDataFrameが等しい場合はNoneを返します。
from pandas.testing import assert_frame_equal
print(f'Output \n {assert_frame_equal(df_compare, df_compare) is None}')出力
True
まとめ
欠損値(NaN)を含むDataFrameを比較する際には、==演算子ではなく.equals()メソッドを使用することが重要です。また、単体テストではpandas.testing.assert_frame_equal関数を活用することで、安全にDataFrameの等価性を検証できます。NaNの特殊な性質(自分自身とも等しくない)を理解しておくことで、データ分析における予期しないバグを防ぐことができます。
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