MySQLのトリガーで DELIMITER // は何をする?区切り文字変更の役割を実例で解説
はじめに:DELIMITER // の役割とは
MySQLでは、DELIMITER // コマンドを使用することで、ステートメントの区切り文字を通常のセミコロン(;)から「//」へ変更できます。これにより、トリガー本体の中にセミコロンを含む複数のステートメントを問題なく記述できるようになります。
本記事では、トリガーの動作をデモ形式でわかりやすく解説します。この例では、EmployeeSalary(従業員給与)カラムに1000未満の値が入力された場合、自動的に10000が設定されるトリガーを作成します。
ステップ1:テーブルを作成する
まず、サンプル用のテーブルを作成しましょう。テーブル作成のクエリは以下の通りです。
mysql> create table EmployeeTable -> ( -> EmployeeId int, -> EmployeeName varchar(100), -> EmployeeSalary float -> ); Query OK, 0 rows affected (0.76 sec)
ステップ2:トリガーを作成する
テーブルを作成したら、次にINSERTコマンドに対してトリガーを定義します。トリガー作成のクエリは以下の通りです。
mysql> delimiter // mysql> create trigger CheckSalary before insert on EmployeeTable -> for each row if new.EmployeeSalary < 1000 then set -> new.EmployeeSalary=10000; -> end if; -> // Query OK, 0 rows affected (0.40 sec) mysql> delimiter ;
ここで注目すべきは、IF文の中にセミコロンが含まれている点です。delimiter // によって一時的に区切り文字を変更しているため、MySQLクライアントは途中のセミコロンを文の終端と誤認せず、トリガー全体を正しく登録できます。定義が完了したら、忘れずに delimiter ; で元の区切り文字へ戻しておきましょう。
ステップ3:トリガーの動作を確認する
それでは、INSERTコマンドでトリガーの挙動をチェックしてみます。EmployeeSalaryに1000未満の値を挿入してもエラーは発生せず、代わりにデフォルト値として設定した10000が格納されます。
レコード挿入のクエリは以下の通りです。
mysql> insert into EmployeeTable values(1,'Carol',500); Query OK, 1 row affected (0.25 sec)
SELECT文でテーブル内の全レコードを確認します。
mysql> select *from EmployeeTable;
実行結果は以下のようになります。
+------------+--------------+----------------+ | EmployeeId | EmployeeName | EmployeeSalary | +------------+--------------+----------------+ | 1 | Carol | 10000 | +------------+--------------+----------------+ 1 row in set (0.00 sec)
挿入時には500という値を指定しましたが、結果には10000が保存されていることがわかります。これがトリガーによる自動変換の効果です。
ステップ4:1000以上の値を挿入した場合
一方、1000以上の値を挿入した場合は、入力した数値がそのまま保存されます。まず、TRUNCATEコマンドで先ほどのレコードを削除しておきます。
mysql> truncate table EmployeeTable; Query OK, 0 rows affected (1.44 sec)
続けて、新しいレコードを2件挿入します。
mysql> insert into EmployeeTable values(2,'Bob',1000); Query OK, 1 row affected (0.14 sec) mysql> insert into EmployeeTable values(3,'Carol',2500); Query OK, 1 row affected (0.19 sec)
SELECT文で全レコードを確認してみましょう。
mysql> select *from EmployeeTable;
実行結果は以下の通りです。
+------------+--------------+----------------+ | EmployeeId | EmployeeName | EmployeeSalary | +------------+--------------+----------------+ | 2 | Bob | 1000 | | 3 | Carol | 2500 | +------------+--------------+----------------+ 2 rows in set (0.00 sec)
まとめ
上記の出力例からわかるように、EmployeeSalaryが1000以上の場合は入力された給与額がそのまま反映されます。逆に、1000未満の値が入力された場合のみ、デフォルト値として10000が自動的に設定される仕組みです。
重要なポイント: DELIMITER // は、トリガーやストアドプロシージャなど、内部にセミコロンを含む複合ステートメントを定義する際に必須となるコマンドです。これにより、MySQLクライアントがトリガー本文中のセミコロンを誤って文の終端として扱うのを防げます。作業後は必ず元の区切り文字に戻すことを忘れないようにしましょう。
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