データウェアハウス設計とは?基本概念と4つの設計視点を解説
データウェアハウスとは
データウェアハウスとは、複数の情報源からデータを収集・管理し、ビジネスにおける重要なインサイト(洞察)を支えるための仕組みです。経営層の意思決定を支援することを目的として特別に構築されており、日常業務で使われる運用データベースとは切り離して管理されます。
データウェアハウスシステムは複数のアプリケーションシステムの統合を実現し、分析用に統合された過去のレコードを蓄積する堅牢なプラットフォームを提供することで、データ処理を支えます。
データウェアハウスは、リモートにある基盤データ上に定義された「マテリアライズドビュー(実体化ビュー)」の集合体と捉えることができます。クエリが発行されると、元のデータソースにアクセスすることなく、マテリアライズドビューを利用してローカルで計算が行われます。
また、データウェアハウスは時間の経過とともに絶えず変化していく動的な存在です。時が経つにつれて新たなクエリへの回答が求められます。多くのクエリは既存のマテリアライズドビューだけで処理できますが、一般的には新たなビューをデータウェアハウスに追加していく必要があります。
データウェアハウスシステムの構成要素
データウェアハウスシステムは、主に次の3つの要素で構成されています。
- データベース: ソースとなるデータベースと、データウェアハウス内のマテリアライズドビュー
- データ転送エージェント: あるデータベースから別のデータベースへレコードを移送する機能
- リポジトリ: システムおよびその拡張に関するメタデータを保存する場所
空間データウェアハウスにおける2つの課題
空間データウェアハウスの構築と運用には、いくつかの難しい課題が伴います。
1. 異種ソース間での空間情報の統合
最初の課題は、異種のソースやシステムから得られる空間情報を統一することです。空間データは一般に、多様なデータ形式で民間企業や政府機関などに分散保存されているため、その統合は容易ではありません。
2. 高速かつ柔軟なOLAPの実現
2つ目の課題は、空間データウェアハウスにおいて高速で柔軟なオンライン分析処理(OLAP)を実現することです。スタースキーマモデルは、簡潔で整理されたウェアハウス構造を提供し、OLAPサービスを支援できるため、空間データウェアハウスのモデリングに最も適した選択肢とされています。ただし、空間ウェアハウスではディメンション(次元)とメジャー(尺度)の両方に空間要素が含まれる点に注意が必要です。
データウェアハウス設計における4つの視点
データウェアハウスを設計する際には、「トップダウンビュー」「データソースビュー」「データウェアハウスビュー」「ビジネスクエリビュー」という4つの異なる視点を考慮しなければなりません。
トップダウンビュー
トップダウンビューは、データウェアハウスに必要な関連情報を選択する視点です。ここで扱うデータは、現在および将来のビジネス要件と結び付けられています。
データソースビュー
データソースビューは、運用システムによって取得・保存・処理されるデータを明らかにする視点です。このデータは、単一のデータソーステーブルから統合済みのデータソーステーブルに至るまで、複数の粒度と精度のレベルで文書化できます。
データソースのモデリングには、エンティティ関係モデル(ERモデル)やCASE(コンピュータ支援ソフトウェアエンジニアリング)ツールといった、従来型のデータモデリング手法がよく用いられます。
データウェアハウスビュー
データウェアハウスビューには、ファクトテーブルとディメンションテーブルが含まれます。これはデータウェアハウス内に保存されるデータを定義するものであり、事前計算された合計値や件数などに加え、履歴的な文脈を補うための出所・日付・時刻に関する情報も含まれます。
ビジネスクエリビュー
最後のビジネスクエリビューは、エンドユーザーの視点からデータウェアハウス内のデータを見た場合の姿です。利用者が実際にどのようにデータを参照し、活用するかを表す重要な視点といえます。
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