データマイニングにおけるクラスタリングの種類とは?代表的な5つの手法を解説
クラスタ分析(クラスター分析)は、レコードに対して行われたさまざまな測定値に基づいて、性質の似たレコード同士をグループ(クラスタ)にまとめるために用いられる手法です。分析の目的に応じて、有益な形でクラスタを定義できる点が大きな特徴です。この技術は、天文学、考古学、医学、化学、教育学、心理学、言語学、社会学など、幅広い分野で活用されています。
クラスタリングの主な種類
データマイニングで用いられるクラスタには、以下のような代表的な種類があります。
1. 明確に分離されたクラスタ(Well-Separated)
これは「クラスタ内のすべての要素が、クラスタ外のどのオブジェクトよりも、クラスタ内の他の要素に近い」というグループを指します。場合によっては、「クラスタ内のすべてのオブジェクトは互いに十分に近い(類似している)必要がある」という閾値(しきい値)で定義されることもあります。
ただし、この定義が有効なのは、データの中に互いに完全に離れた自然なクラスタが存在する場合に限られます。
2. プロトタイプベースのクラスタ(Prototype-Based)
各オブジェクトが、そのクラスタを代表するプロトタイプに最も近く、他のクラスタのプロトタイプより近い場合、そのオブジェクト群をクラスタとみなす考え方です。
連続値属性を持つデータの場合、クラスタのプロトタイプはセントロイド(重心)、つまりクラスタ内の複数のポイントの平均値として表されます。一方、重心が意味を持たない場合(例:カテゴリ型属性を持つレコードなど)は、メドイド(medoid)、すなわちクラスタの代表点がプロトタイプとして採用されます。
3. グラフベースのクラスタ(Graph-Based)
データをグラフとして捉えた場合、ノードがオブジェクト、リンクがオブジェクト間の接続関係を表します。このとき、クラスタは「連結成分」、つまり互いにつながり合っているオブジェクトの集合として表現でき、グループ外のオブジェクトとは接続を持たないという特徴があります。
グラフベースのクラスタの重要な例としては、近接性ベースのクラスタが挙げられます。これは、2つのオブジェクトが指定された距離以内にある場合にのみリンクで結ばれるものです。つまり、近接性ベースのクラスタ内の各オブジェクトは、他のクラスタ内のどのポイントよりも、同じクラスタ内の複数のオブジェクトに近いことになります。
4. 密度ベースの手法(Density-based Methods)
k-meansなどの分割最適化手法は、オブジェクト間の距離に基づいてクラスタリングを行うため、球状のクラスタしか発見できず、任意の形状のクラスタの検出が難しいという課題があります。そこで、密度の概念に基づいた複数のクラスタリング手法が開発されました。
代表的な密度ベースの手法には次のものがあります。
- DBSCAN:密度の閾値に基づいてクラスタを拡張していく、よく使われる密度ベースの手法です。
- OPTICS:拡張クラスタ順序を計算することで、自動的かつ相互的なクラスタ分析を可能にする密度ベースの手法です。
5. グリッドベースの手法(Grid-based Methods)
グリッドベースの手法では、対象空間を有限個のセルに量子化し、グリッド構造を形成します。そして、そのグリッド構造上(量子化された空間上)でクラスタリング処理を実行します。
このアプローチの最大の利点は処理速度の速さです。処理時間はデータオブジェクトの数にほとんど依存せず、量子化された空間の各次元におけるセルの数のみに依存するため、大規模データにも対応しやすいのが特徴です。
まとめ
クラスタリングには、明確に分離されたクラスタ、プロトタイプベース、グラフベース、密度ベース、グリッドベースといった多様なアプローチが存在します。データの特性や分析の目的に応じて適切な手法を選択することが、精度の高いデータマイニングの鍵となります。
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