統計的データマイニングの主な手法とは?代表的な9つの技法を解説
統計的データマイニングの主な手法
統計的データマイニングでは、分析の目的やデータの特性に応じて、さまざまな統計手法が使い分けられています。本記事では、代表的な9つの技法をわかりやすく解説します。
1. 回帰分析(Regression)
回帰分析は、変数が数値である場合に、1つ以上の予測変数(独立変数)から応答変数(従属変数)の値を予測するために用いられる手法です。回帰には、線形回帰、重回帰、加重回帰、多項式回帰、ノンパラメトリック回帰、ロバスト回帰など、複数の形式があります。特にロバスト回帰は、誤差が正規性の条件を満たさない場合や、データに大きな外れ値が含まれる場合に有効とされています。
2. 一般化線形モデル(Generalized Linear Models)
一般化線形モデル、およびその拡張である一般化加法モデルは、線形回帰で数値の応答変数をモデル化するのと同じように、カテゴリ型の応答変数(またはその変換)を複数の説明変数と関連付けることを可能にするモデルです。一般化線形モデルには、ロジスティック回帰やポアソン回帰などが含まれます。
3. 分散分析(Analysis of Variance / ANOVA)
分散分析は、数値の応答変数と1つ以上のカテゴリ変数(因子)によって定義される2つ以上の母集団について、実験データを分析する手法です。一般的に、ANOVA(一元配置分散分析)ではk個の母集団または処理群を比較し、少なくとも2つの平均に有意な差があるかどうかを判定します。
4. 混合効果モデル(Mixed-Effect Models)
混合効果モデルは、グループ化されたデータ(1つ以上のグループ化変数に基づいて分類できるデータ)を分析するためのモデルです。1つ以上の因子に従ってまとめられたデータにおける、応答変数と共変量との間の関係を定義します。マルチレベルデータ、反復測定データ、ブロックデザイン、縦断データなどが、典型的な適用分野として挙げられます。
5. 因子分析(Factor Analysis)
因子分析は、どの変数が組み合わさって特定の因子を構成しているのかを明らかにする手法です。たとえば精神医学のデータでは、「知能」のような関心対象の因子を直接測定することは困難ですが、それを反映する別の指標(学生のテスト得点など)を測定することは可能です。なお、因子分析では、いずれの変数も従属変数として指定されない点が特徴です。
6. 判別分析(Discriminant Analysis)
判別分析は、カテゴリ型の応答変数を予測するための手法です。一般化線形モデルとは異なり、独立変数が多変量正規分布に従うことを前提としています。この分析では、応答変数が表すグループ間を識別するための判別関数(独立変数の線形結合)を導出します。社会科学の分野で広く利用されているのが特徴です。
7. 時系列解析(Time Series Analysis)
時系列データを分析するための統計手法として、自己回帰法、単変量ARIMA(自己回帰和分移動平均)モデリング、長記憶時系列モデリングなどが知られています。売上や気温のように時間とともに変化するデータの傾向把握や将来予測に役立ちます。
8. 生存時間解析(Survival Analysis)
生存時間解析には、確立された統計手法が多数存在します。これらの手法は、もともと医療現場において、治療中の患者が少なくとも時点tまで生存する確率を予測するために開発されました。現在では医療以外の分野でも広く応用されています。
9. 品質管理(Quality Control)
品質管理の分野では、シューハート管理図(Shewhart chart)やCUSUM管理図(いずれもグループごとの要約統計量を表示する)など、品質管理用の管理図を作成するためにさまざまな統計量が用いられます。具体的には、平均、標準偏差、範囲、度数、移動平均、移動標準偏差、移動範囲などの統計量が含まれます。
-
データマイニングの理論的基礎とは?代表的な6つの理論を徹底解説
はじめにデータマイニングは、大量のデータから有用な知識やパターンを抽出する技術ですが、その背後には複数の理論的基盤が存在します。本記事では、データマイニングの基礎となる代表的な理論を6つの観点からわかりやすく解説します。1. データ削減(Data Reduction)この理論では、データマイニングの本質は「データ表現の削減」にあると考えます。巨大なデータベースへの問い合わせに対して高速におおよその回答を得る必要があるため、厳密な確実性をある程度犠牲にしてでも、応答速度を優先するという考え方です。具体的な手法としては、特異値分解(主成分分析の中核を担う技術)、ウェーブレット、回帰分析、対数線形モ
-
統計的データマイニングの主な方法論とは?代表的な8つの手法を解説
統計的データマイニングとは統計的データマイニングの技法は、多次元かつ複雑な複数のデータ型を含みうる大量のデータを効率的に扱うために開発されました。特に数値データの分析については、長年の研究で確立された統計的手法が数多く存在します。これらの手法は、物理学・工学・製造業・心理学・医学などの実験記録といった科学的データや、経済学・社会科学由来の情報に対して幅広く活用されてきました。以下に、統計的データマイニングにおける代表的な方法論を紹介します。1. 回帰分析(Regression)回帰分析は、数値型の予測変数(独立変数)から応答変数(従属変数)の値を予測するための手法です。線形回帰、重回帰、加重回