RubyとRailsの#nil?、#empty?、#blank?、#present?の違いを徹底解説
RubyとRailsには、値の存在確認やオブジェクトの状態チェックに使えるメソッドがいくつかあります。Rubyには#nil?と#empty?が用意されており、RailsのActiveSupportはさらに#blank?と#present?を追加しています。これらはそれぞれ異なる挙動をするため、各メソッドがどのようにデータを評価するのかを理解しておくことが重要です。誤ったメソッドを選ぶと、予期しない結果やバグにつながる可能性があります。
この記事では、これら4つのメソッドについて知識を整理します。それぞれのメソッドがどのような条件でtrue/falseを返すのか、またどの種類のオブジェクトに対して使えるのかを(再)学びましょう。記事の最後には、ブックマークしておくと便利なチートシートもご用意しています!
#nil?とは
#nil?はRubyのObjectクラスに定義されたメソッドです。すべてのクラスはこのクラスを継承しているため、#nil?はあらゆるオブジェクトに対して使用できます。nil(NilClassクラスのインスタンス)に対してはtrueを返し、それ以外のすべての値に対してはfalseを返します。
nil.nil?
=> true
true.nil?
=> false
5.nil?
=> false
"".nil?
=> false
[].nil?
=> false#empty?とは
#empty?は、文字列・配列・ハッシュ・セットに対して使用できるメソッドで、オブジェクトの長さがゼロの場合にtrueを返します。
文字列の場合
空文字列に対してはtrueを返します。
"".empty?
=> trueただし注意点があります。空白文字も立派な「1文字」であるため、空白のみを含む文字列に#empty?を使うとfalseが返されます。このため、テキストのバリデーションには必ずしも最適なメソッドとは言えません。例えば、ユーザー入力の検証にこのメソッドだけを使っていると、空白しか含まない入力をそのまま処理してしまう恐れがあります。
" ".empty?
=> false
"\t\n".empty?
=> false配列・ハッシュ・セットの場合
要素がひとつもない場合にtrueを返します。
[].empty?
=> true
{}.empty?
=> true
require 'set'
Set.new.empty?
=> trueNoMethodErrorに注意
#empty?をnilや、このメソッドを定義していない他のクラスのオブジェクトに対して呼び出すと、NoMethodError例外が発生します。そのため、データチェックに使う場合は、プログラムがクラッシュしないように事前のチェックを組み込む必要があります。
if !my_var.nil? && !my_var.empty?
# my_var を安全に使用できる
endより良い方法として、Railsの#blank?メソッドを使う手があります。次はこれを見ていきましょう。
#blank?とは
#blank?はRails(ActiveSupport)が提供するメソッドで、任意のオブジェクトに対して動作します。
文字列の場合
空文字列に加えて、空白文字のみを含む文字列に対してもtrueを返します。
"".blank?
=> true
" ".blank?
=> true
"\n\t".blank?
=> true配列・ハッシュ・セットの場合
#empty?と同様に、要素がなければtrueを返します。
[].blank?
=> true
{}.blank?
=> true
Set.new.blank?
=> true
[nil].blank?
=> false
["", ""].blank?
=> false
person = {:firstName => "John", :lastName => "Doe"}
person.blank?
=> false真偽値の場合
trueに対してはfalseを返し、偽と評価される値(つまりnilとfalse)に対してはtrueを返します。
true.blank?
=> false
false.blank?
=> true
nil.blank?
=> trueご覧のとおり、#blank?はすべてのオブジェクトで利用可能なため、一部のオブジェクトに対してNoMethodErrorが発生することはありません。さらに、空白のみの文字列も正しく判定できます。データのバリデーションにおいては、#empty?よりも#blank?の方が安全で便利だと言えます。
#present?とは
#present?もRailsのメソッドで、#blank?のちょうど逆の結果を返します。
!my_var.blank? == my_var.present?
=> true以下にいくつか例を示します。
"".present?
=> false
" ".present?
=> false
[].present?
=> false
nil.present?
=> false
true.present?
=> true
false.present?
=> false
{}.present?
=> false
person = {:firstName => "John", :lastName => "Doe"}
person.present?
=> true
5.present?
=> true#blank?と同じ理由から、バリデーション用途では#empty?よりもこちらの方が優れた選択肢となります。
まとめ:チートシートで一目でわかる違い
これらのメソッド名は紛らわしく混乱しやすいため、ブックマークしておくと便利なチートシートを用意しました。
| 対象の値 | #nil? | #empty? | #blank? | #present? |
|---|---|---|---|---|
5 | false | NoMethodError | false | true |
"" | false | true | true | false |
" " | false | false | true | false |
"\t\n" | false | false | true | false |
[] | false | true | true | false |
["a"] | false | false | false | true |
{} | false | true | true | false |
{a: "b"} | false | false | false | true |
Set.new | false | true | true | false |
nil | true | NoMethodError | true | false |
true | false | NoMethodError | false | true |
false | false | NoMethodError | true | false |
当然ながら、#nil?、#empty?、#blank?、#present?のどれを選ぶべきかは状況によって異なります。例えば、ユーザーの名前が登録されているかどうかを確認して呼びかけたいようなケースでは、#present?が適しているでしょう。一方で、#blank?と#present?はすべてのオブジェクトに対してbooleanを返すため、値の型が想定と違っていてもエラーが発生せず、コード中のバグを見逃してしまう可能性がある点には注意が必要です。
Rubyでの値チェックに関する知識の再確認になれば幸いです。ご質問やコメントがあれば、お気軽に@AppSignalまでお寄せください。
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