Rubyでパーサーを自作する方法!StringScannerを使った実装手順を徹底解説
パース(構文解析)とは、文字列の集まりから意味を読み取り、プログラムが扱える形のデータへと変換する技術です。正規表現でも文字列の解析は可能ですが、すべての場面に適しているわけではありません。
たとえば、正規表現でHTMLを解析するのはあまり良い方法ではないというのは、プログラミング界隈ではよく知られた話です。
Rubyにはnokogiriという強力なライブラリがあり、HTMLの解析はこれに任せられます。しかし、自分でパーサーを一から作ってみると、文字列処理や構文解析の仕組みについて多くのことを学べます。それでは早速始めていきましょう!
Rubyでのパースの基本:StringScannerクラス
今回作成するパーサーの中心となるのが、StringScannerクラスです。
このクラスは対象となる文字列のコピーと位置ポインタを保持しており、ポインタを移動させながら特定のトークン(記号やキーワード)を探していくことができます。
今回使用する主なメソッドは以下の3つです。
.peek— ポインタを進めずに先頭の文字を覗き見る.scan_until— 指定したパターンが見つかるまでスキャンする.getch— 1文字読み取って返す
また、.scan(untilなし)も便利なメソッドなので覚えておくと良いでしょう。
注意:
もしStringScannerが使えない場合は、require 'strscan' を追加してみてください。
このクラスの挙動を理解しやすいよう、ドキュメント代わりにテストを2つ書いてみました。
describe StringScanner do
let (:buff) { StringScanner.new "testing" }
it "can peek one step ahead" do
expect(buff.peek 1).to eq "t"
end
it "can read one char and return it" do
expect(buff.getch).to eq "t"
expect(buff.getch).to eq "e"
end
end
ここで重要なポイントが1つあります。getchやscanなど一部のメソッドは位置ポインタを進めますが、peekは進めません。任意の時点で .inspect や p を使ってスキャナの状態を出力すれば、現在どの位置を指しているかを確認できます。
Parserクラスの設計
実際の処理の大部分を担うのがParserクラスです。解析したいテキストを受け取って初期化すると、内部でStringScannerを生成し、parseメソッドを呼び出す構造になっています。
def initialize(str) @buffer = StringScanner.new(str) @tags = [] parse end
テストコードでは次のように定義します。
let(:parser) { Parser.new "<body>testing</body> <title>parsing with ruby</title>" }
このクラスがどのように動作するのかは後ほど詳しく見ていくとして、まずはプログラムのもう1つの構成要素を確認しましょう。
Tagクラス:解析結果を格納するシンプルなコンテナ
このクラスは非常にシンプルで、主にパース結果を保持するためのデータ格納用クラスとして機能します。
class Tag
attr_reader :name
attr_accessor :content
def initialize(name)
@name = name
end
end
パースを実行してみよう
何かをパースするには、入力テキストの中からパターンを見つけ出す必要があります。たとえば、HTMLのコードは次のような形式になっていますね。
<tag>contents</tag>
この中には明確に2つの要素が含まれています。それはタグ名とタグ内のテキスト(コンテンツ)です。BNF記法を使って正式な文法として定義すると、次のようになります。
tag = <opening_tag> <contents> <closing_tag> opening_tag = "<" <tag_name> ">" closing_tag = "</" <tag_name> ">"
実装では、StringScannerのpeekメソッドを使って、入力バッファの次の記号が開始タグかどうかを判定します。開始タグであれば、Parserクラスのfind_tagメソッドとfind_contentメソッドを呼び出します。
def parse_element
if @buffer.peek(1) == '<'
@tags << find_tag
last_tag.content = find_content
end
end
find_tagメソッドの処理内容は以下の通りです。
- 開始タグの「<」という文字を消費(読み飛ばし)する
- 閉じ記号「>」が見つかるまでスキャンする
- タグ名を持つ新しいTagオブジェクトを生成して返す
コードは次のようになります。chopで最後の1文字を削除している点に注目してください。これはscan_untilの戻り値に「>」が含まれてしまうためで、それを取り除くために必要な処理です。
def find_tag @buffer.getch tag = @buffer.scan_until />/ Tag.new(tag.chop) end
次のステップはタグ内のコンテンツを取得することです。直前のscan_untilが位置ポインタを適切な場所まで進めてくれているので、難しくありません。再びscan_untilを使って終了タグを検索し、その手前までの文字列をコンテンツとして返します。
def find_content
tag = last_tag.name
content = @buffer.scan_until /<\/#{tag}>/
content.sub("</#{tag}>", "")
end
あとは、入力バッファにタグがなくなるまでparse_elementをループで呼び出し続けるだけです。
def parse
until @buffer.eos?
skip_spaces
parse_element
end
end
完全なコードはGitHub(https://github.com/matugm/simple-parser)で公開しています。また、「nested_tags」ブランチには、タグの中に別のタグが入れ子になった構造にも対応できる拡張版があるので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
パーサーを自作するのはとても興味深いテーマであり、同時にかなり複雑になることもあります。
ゼロからパーサーを書きたくない場合は、いわゆる「パーサージェネレーター」と呼ばれるツールを活用するのも良い選択肢です。Rubyの世界ではtreetopやparsletといったライブラリが利用できます。
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