SWIGを使ってC/C++コードをPython向けにラッピングする方法を徹底解説
既存のC/C++の機能をPythonから利用できるようにする(ラップする)方法は複数あります。この記事では、その中でもSWIGを使ったラッピング手法を詳しく解説します。SWIG以外にも、以下のような選択肢が存在します。
- 手動でのラッピング
- Pyrexを使ったCコードのラッピング
- Ctypes
- SIP
- Boost.Python
SWIG(Simple Wrapper Interface Generator)は、C言語のコードをPythonだけでなく、Perl、PHP、Ruby、Tcl、C#、Common Lisp(CLISP、Allegro、CL、UFFI、CFFI)、Java、Modula-3、OCAMLなど、非常に多くの言語向けにラップできる強力なツールです。さらに、Guile、MzScheme、Chickenなど、複数のScheme処理系(インタプリタ型・コンパイル型の両方)にも対応しています。
ただし、この記事ではPython向けの実装に絞って説明を進めます。
SWIGは基本的には一種のマクロ言語であり、Cコードを解析したうえで、指定した言語用のラッパーコードを自動的に生成してくれます。
インストール
ここではWindows用のSWIGインストーラー「swigwin-3.0.12」を使用します。以下の公式サイトからダウンロードできます。
https://www.swig.org/download.html
また、Windows環境でSWIGを動作させるには、「Microsoft Visual Studio 14.0」以降が必要になる場合があります。
SWIGの使い方を説明するために、「既存のC言語の関数を、Tcl、Perl、Python(本記事ではPythonと連携)、Java、C#などの言語から利用できるようにしたい」という状況を想定しましょう。
Cファイル(example.c)
#include "example.h"
int fact(int n) {
if (n < 0) { /* 本来はエラーを返すべきだが、ここではシンプルに */
return 0;
}
if (n == 0) {
return 1;
} else {
/* オーバーフローのチェックを入れるのが望ましい */
return n * fact(n-1);
}
}
インターフェースファイル
Cファイルをお好みの言語から使えるようにするには、SWIGへの入力となる「インターフェースファイル」を記述する必要があります。example.c用のインターフェースファイルは次の通りです。
example.i
/* File: example.i */
%module example
%{
#define SWIG_FILE_WITH_INIT
#include "example.h"
%}
%include "example.h"
ヘッダーファイル
先ほどの例ではヘッダーファイルを読み込んでいます。ヘッダーファイルの内容は以下の通りです。
example.h
int fact(int n);
セットアップファイル
from distutils.core import setup, Extension
example_module = Extension('_example',
sources=['example_wrap.c', 'example.c'],
)
setup (name = 'example',
version = '0.1',
author = "SWIG Docs",
description = """Simple swig example from docs""",
ext_modules = [example_module],
py_modules = ["example"],
)
ラッパーの生成
次に、インターフェースファイル(example.i)を使ってPython用のラッパーを作成します。ラッパーを生成するには、コマンドラインで以下のコマンドを実行するだけです。
>swig -python example.i
コマンド実行後、カレントディレクトリを確認すると、新しいファイルが生成されているはずです。上記と同じファイル名を使用していれば、ラッパーファイルは「example_wrap.c」となります。別のファイル名の場合は、次のような形式で命名されます。
「ファイル名」+「_wrapper」+「対象言語の拡張子」
たとえば、サンプルファイルがtest.cであれば、ラッパーファイルは「test_wrapper.c」という名前になります。
拡張モジュールのビルド
>python setup.py build_ext running build_ext building '_example' extension creating build creating build\temp.win32-3.6 creating build\temp.win32-3.6\Release ….
これで、C言語の機能をPython向けにラップする作業は完了です。動作確認はそのまま実行しても構いませんし、仮想環境を作成して独立した環境で試すこともできます。
C:\Users\rajesh>mkdir swigExample && cd swigExample C:\Users\rajesh\swigExample>virtualenv swigenv Using base prefix 'c:\\python\\python361' New python executable in C:\Users\rajesh\swigExample\swigenv\Scripts\python.exe Installing setuptools, pip, wheel...done. C:\Users\rajesh\swigExample>.\swigenv\Scripts\activate (swigenv) C:\Users\rajesh\swigExample>python
準備完了です。あとはモジュールから関数をインポートして実行するだけです。
>>> from example import fact >>> fact(6) 720
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