選択ソートを改良した「双方向選択ソート」とは?仕組みとC++実装例を解説
ここでは、選択ソートに少し手を加えた改良版アルゴリズム「双方向選択ソート(Two-way Selection Sort)」を紹介します。通常の選択ソートは、配列から最小値(または最大値)を取り出して正しい位置へ配置することで並べ替えを行います。本手法ではこれを発展させ、最大値と最小値を同時に取得し、配列を両端から同時に整列させていきます。それでは、理解を深めるためにアルゴリズムの流れを見てみましょう。
アルゴリズム
twoWaySelectionSort(arr, n)
begin
for i := 0, j := n-1 とし、i を 1 ずつ増加、j を 1 ずつ減少させながら i >= j になるまで繰り返す
min := インデックス i 〜 j の範囲内の最小値
max := インデックス i 〜 j の範囲内の最大値
i_min := 最小値のインデックス
i_max := 最大値のインデックス
arr[i] と arr[i_min] を交換する
もし arr[i_min] が max と等しいならば
arr[j] と arr[i_min] を交換する
そうでなければ
arr[j] と arr[i_max] を交換する
end if
end for
end
C++による実装例
#include<iostream>
using namespace std;
void twoWaySelectionSort(int arr[], int n) {
//i は左端から、j は右端から中央に向かって移動する
for (int i = 0, j = n - 1; i < j; i++, j--) {
int min = arr[i], max = arr[i];
int i_min = i, i_max = i; //i_min と i_max はそれぞれ最小値・最大値のインデックスを保持する
for (int k = i; k <= j; k++) {
if (arr[k] > max) {
max = arr[k];
i_max = k;
} else if (arr[k] < min) {
min = arr[k];
i_min = k;
}
}
swap(arr[i], arr[i_min]); //最小値をインデックス i の位置へ配置する
if (arr[i_min] == max) //交換によって最大値が i_min の位置へ移動していた場合
swap(arr[j], arr[i_min]);
else
swap(arr[j], arr[i_max]);
}
}
main() {
int arr[] = { 25, 45, 14, 10, 23, 29, 65, 21, 78, 96, 30 };
int n = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]);
twoWaySelectionSort(arr, n);
cout << "Sorted array: ";
for (int i = 0; i < n; i++)
cout << arr[i] << " ";
}
実行結果
Sorted array: 10 14 21 23 25 29 30 45 65 78 96
解説:このアルゴリズムのポイント
1回の走査で最小値と最大値を同時に確定
通常の選択ソートでは、1回の走査につき最小値(または最大値)を1つだけ確定します。一方、双方向選択ソートでは、未ソート領域を1回走査するだけで最小値と最大値の両方が求められます。そのため、ソート済みの領域が配列の両端から同時に広がっていくのが特徴です。
max の位置を確認する理由
コード中の if (arr[i_min] == max) という条件が重要なポイントです。最小値を先頭位置 i へ交換した時点で、もし最大値が元々インデックス i に存在していた場合、その最大値は i_min の位置へ移動してしまいます。この状態で古い i_max を使って交換すると、誤った要素を操作することになるため、「最大値が移動済みかどうか」を判定して処理を切り替えているのです。
計算量について
外側のループの繰り返し回数は約 n/2 回となり、従来の選択ソートの半分のパス数で済みます。ただし、各パスで行う比較処理の総量はほぼ同じであるため、全体の時間計算量は O(n²) のまま変わりません。それでもパス数が減る分、実際の動作はわずかに高速化されます。
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