分子と分母を文字列形式で表現するCプログラムの書き方
問題概要
実行時にユーザーが入力した2つの整数(分子と分母)を受け取り、動的メモリ割り当て(malloc・realloc)を活用しながら、その分数を小数として計算し、結果を文字列形式で表現するCプログラムを作成します。
特に、割り切れない場合に発生する循環小数(例:0.571428571428...)を「0.(571428)」のように括弧付きで表現できる点がこのプログラムのポイントです。
解決策
分子と分母を文字列形式で表現するための基本的なアプローチは以下の通りです。
- 筆算の要領で余りを10倍しながら商を順に求め、小数部分の各桁を導出します。
- 同じ余りが再び現れたら、そこから先が循環すると判断し、該当部分を括弧で囲んで出力します。
- 結果の桁数は事前に分からないため、mallocで初期確保し、不足したらreallocで拡張する動的メモリ管理を行います。
入力例 −
Numerator1 = 3 Denominator1 = 2 numerator2 = 4 denominator2 = 7
出力例 −
Fractional part1: 1.5 Fractional part2: 0.(571428)
Cプログラム例
以下は、分子と分母を文字列形式で表現するCプログラムの完全なコードです。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
#include <stdbool.h>
char* fractionToDecimal(int numerator, int denominator) {
char *p;
int psz, n, *dec, dsz, x;
long long num, den, k, f;
int i, repeat_at;
int neg = 0;
psz = dsz = 100; n = x = 0;
p = malloc(psz * sizeof(char));
//assert(p);
neg = ((numerator > 0 && denominator < 0) ||
(numerator < 0 && denominator > 0)) ? 1 : 0;
num = numerator;
den = denominator;
num = (num < 0) ? -num : num;
den = (den < 0) ? -den : den;
k = num / den;
f = num % den;
if (neg && (k || f)) p[n ++] = '-';
n += sprintf(&p[n], "%lld", k);
if (!f) {
p[n] = 0;
return p;
}
p[n ++] = '.';
dec = malloc(dsz * sizeof(int));
repeat_at = -1;
if (f < 0) f = -f;
while (f) {
for (i = 0; i < x; i += 2) {
if (dec[i] == f) {
repeat_at = i;
goto done;
}
}
if (x + 1 >= dsz) {
dsz *= 2;
dec = realloc(dec, dsz * sizeof(int));
}
dec[x ++] = f;
f *= 10;
k = f / den;
dec[x ++] = k;
f = f % den;
}
done:
for (i = 0; i < x; i += 2) {
if (n + 3 > psz) {
psz *= 2;
p = realloc(p, psz * sizeof(char));
}
if (repeat_at == i) {
p[n ++] = '(';
}
p[n ++] = '0' + dec[i + 1];
}
if (repeat_at != -1) p[n ++] = ')';
p[n ++] = 0;
free(dec);
return p;
}
int main(void){
int n,d;
printf("enter numerator1 and denominator1:");
scanf("%d%d",&n,&d);
printf("n = %d, d = %d ", n, d);
printf("\nFractional part1: %s \n",fractionToDecimal(n, d));
printf("enter numerator2 and denominator2:");
scanf("%d%d",&n,&d);
printf("\nn = %d, d = %d ", n, d);
printf("\nFractional part2: %s\n ",fractionToDecimal(n, d));
return 0;
}コードのポイント
- 符号処理: 分子と分母の符号が異なる場合は結果が負になるため、negフラグで判定し、必要に応じて先頭に「-」を付加します。
- 整数部と小数部の分離: num / den で整数部を、num % den で余り(小数部のもと)を求めます。余りが0なら割り切れたので、その時点で文字列を完成させて返します。
- 循環の検出: 余りの履歴をdec配列に保存し、同じ余りが出現した位置をrepeat_atに記録します。出力時にその位置へ「(」を挿入し、末尾に「)」を付けることで循環部を明示します。
- 動的メモリ拡張: 文字列バッファpと余り配列decは、容量を超えそうになるとreallocで2倍に拡張されます。decは使用後にfreeで解放し、戻り値の文字列は呼び出し元が責任を持って解放します。
実行結果
上記のプログラムをコンパイルして実行すると、以下のような結果が得られます。
enter numerator1 and denominator1:4 5 n = 4, d = 5 Fractional part1: 0.8 enter numerator2 and denominator2:5 9 n = 5, d = 9 Fractional part2: 0.(5)
4÷5=0.8のように割り切れる場合は単純な小数として出力され、5÷9=0.5555...のように循環する場合は「0.(5)」という形式で循環部が括弧付きで表示されることが確認できます。
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