【C言語】fork()とpipe()を使って2つのプロセス間で文字列を連結する方法
本記事では、Linux環境で動作するC言語プログラムを作成し、fork()とpipe()の動作を実際に確認します。題材は「2つのプロセスによる文字列連結」です。一方のプロセスがユーザー入力を受け取ってもう一方へ送信し、受け取った側がその文字列を事前に定義しておいた文字列と連結して、結果を元のプロセスへ返すという流れになります。
fork()とpipe()のおさらい
fork() … 子プロセスを新しく生成するシステムコールです。生成された子プロセスは、新しいPID(プロセスID)とPPID(親プロセスID)を持ちます。
pipe() … Unix・Linuxにおけるシステムコールの一つで、プロセス間通信(IPC)を実現するために使われます。パイプはデータを一方向にしか流せないため、双方向のやり取りには2本のパイプが必要です。
処理の流れを理解するための例
入力
Learn programming Predefined string: at tutorialspoint
出力
Learn programming at tutorialspoint
解説
P1が文字列「Learn programming」の入力を受け取る
P1はこの文字列をパイプ経由でP2へ送信します。P2は受け取った文字列と定義済みの文字列を連結し、再びパイプ経由でP1へ返します。最後にP1がその結果を出力します。
プログラムの仕組み
このプログラムでは、fork()関数を使ってP1とP2という2つのプロセスを生成します。fork()の戻り値は次の3通りがあり、それぞれプログラムの状態を表しています。
- 戻り値 < 0 … プロセスの生成に失敗したことを示します。
- 戻り値 = 0 … 現在実行中のコードが子プロセス側であることを示します。
- 戻り値 > 0 … 子プロセスのプロセスIDが親プロセスに返されます。つまり、この分岐では親プロセスが実行されます。
また、パイプは一方向の通信しかできないため、P1からP2への通信用と、P2からP1への通信用の、合計2本のパイプを作成します。
fork()とpipe()をデモンストレーションするCプログラム
サンプルコード
#include<stdio.h>
#include<stdlib.h>
#include<unistd.h>
#include<sys/types.h>
#include<string.h>
#include<sys/wait.h>
int main(){
int p12[2];
int p21[2];
char fixed_str[] = " at tutorialspoint";
char input_str[100];
pid_t P;
if (pipe(p12)==-1 || pipe(p21)==-1 ){
fprintf(stderr, "Failed to create pipe");
return 1;
}
scanf("%s", input_str);
P = fork();
if (P < 0){
fprintf(stderr, "fork Failed");
return 1;
}
else if (P > 0){
char concat_str[100];
close(p12[0]);
write(p12[1], input_str, strlen(input_str)+1);
close(p12[1]);
wait(NULL);
close(p21[1]);
read(p21[0], concat_str, 100);
printf("Concatenated string %s\n", concat_str);
close(p21[0]);
}
else{
close(p12[1]);
char concat_str[100];
read(p12[0], concat_str, 100);
int k = strlen(concat_str);
int i;
for (i=0; i<strlen(fixed_str); i++)
concat_str[k++] = fixed_str[i];
concat_str[k] = '\0';
close(p12[0]);
close(p21[0]);
write(p21[1], concat_str, strlen(concat_str)+1);
close(p21[1]);
exit(0);
}
}出力
Concatenated string Learn at tutorialspoint
補足:出力が「Learn」だけになる理由
サンプルコードでは入力にscanf("%s", ...)を使用しています。%sは空白を含む文字列を読み込めないため、「Learn programming」と入力しても実際に読み込まれるのは最初の単語「Learn」だけです。そのため、実行結果は「Learn at tutorialspoint」となります。スペースを含む行全体を読み込みたい場合は、scanf(" %[^\n]", input_str)のように書き換えるとよいでしょう。
まとめ
このように、fork()で複数のプロセスを生成し、pipe()でプロセス間のデータのやり取りを実現できます。パイプが一方向の通信チャネルである点に注意し、双方向の通信が必要な場合はパイプを2本用意するのがポイントです。プロセス間通信の基礎を理解するうえで、非常に良い学習教材となるサンプルと言えるでしょう。
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