C#におけるprotected(保護された)メンバー変数のスコープとは?
protectedアクセス修飾子の基本
C#のprotectedアクセス修飾子は、そのクラス自身と、そこから派生した子クラス(派生クラス)に対してのみメンバーへのアクセスを許可するものです。つまり、protectedを付けたメンバー変数やメソッドは、外部のコードからは直接アクセスできませんが、継承関係にある子クラスからは自由に利用できます。
この仕組みにより、基底クラスの機能を子クラスに安全に引き継ぐことができ、オブジェクト指向プログラミングにおける継承(インヘリタンス)の実装を支える重要な要素となっています。
protectedメンバー変数の定義例
以下は、クラスAの中でprotectedメンバー変数を宣言した例です。
class A {
protected int a2 = 87;
}このa2はprotectedとして宣言されているため、クラスAの外部から直接アクセスすることはできません。しかし、クラスAを継承したクラスからであればアクセス可能です。
派生クラスからのアクセス例
次に、クラスAを継承したクラスBから、この変数にアクセスしてみましょう。派生クラスのオブジェクトを通じてアクセスすれば、コンパイルエラーなく正常に動作します。
サンプルコード
using System;
class A {
protected int a2 = 87;
}
class B : A {
static void Main() {
A a = new A();
B b = new B();
b.a2 = 10;
}
}このコードでは、b.a2 = 10;のように、派生クラスBのオブジェクトを介して基底クラスAのprotectedメンバー変数a2に値を代入しています。これは問題なく実行できます。
注意点
一方、もしMainメソッド内でa.a2 = 10;のように、基底クラスAのオブジェクトに対して直接アクセスしようとすると、コンパイルエラーが発生します。protectedメンバーは「同じクラス内」または「その派生クラス」からしかアクセスできないためです。
まとめると、C#におけるprotectedメンバー変数のスコープは以下の通りです。
- 宣言されたクラス自身の内部からアクセス可能
- そのクラスを継承した派生クラスからアクセス可能
- 継承関係のない外部コードや、基底クラスのオブジェクト経由での直接アクセスは不可
継承とアクセス修飾子の組み合わせについては、継承の章でさらに詳しく解説します。
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