内蔵グラフィックスと専用グラフィックス(GPU)の違いとは?どちらを選ぶべきか徹底解説
ゲーミングPCにおいて、グラフィックスカード(GPU)は最も重要なパーツのひとつです。PCに搭載できるグラフィックスには「内蔵グラフィックス(iGPU)」と「専用グラフィックス(ディスクリートGPU)」の2種類があります。前者はCPUやシステムメモリなどPC本体のリソースを共有して動作するトレードオフ型のソリューションで、後者は独立した専用ハードウェアを持つ本格的な選択肢です。どちらが自分に合っているのか迷っている方も多いでしょう。実は、それぞれに明確なメリットとデメリットがあります。
この記事では、内蔵グラフィックスと専用グラフィックスの違いを詳しく解説し、あなたに最適な選択ができるよう判断材料をまとめました。ぜひ参考にしてください。
専用グラフィックスカードとは?
専用グラフィックスカードは、PCのグラフィックス性能を担う独立したハードウェアパーツで、「ビデオカード」「グラフィックボード」とも呼ばれます。市場には多種多様な製品があり、いずれも独自のVRAM(ビデオメモリ)、GPUチップ、そして過熱を防ぐための冷却ファンを備えています。
専用グラフィックスのメリットは、ほぼすべてのタスクを高いパフォーマンスでこなせる点と、システムメモリを共有しないためアップグレードが容易な点です。一方で、サイズが大きく、価格も高く、発熱量も多いというデメリットがあります。ミドルクラス以上のデスクトップPCやノートPCに搭載されていることが一般的です。
内蔵グラフィックスとは?
CPUと同じダイ(半導体チップ)上にGPUが組み込まれているものを「内蔵グラフィックス」と呼びます。同一ダイ上にあるため小型で、安価かつ省エネルギーであるのが大きな特徴です。
かつて内蔵グラフィックスは性能面であまり評価されていませんでしたが、近年は大幅に進化しています。日常的な作業、4K動画の視聴、カジュアルゲーム程度であれば十分快適に楽しめます。ただし弱点もあります。最新の大作ゲームやグラフィックス負荷の高いアプリケーションの動作は困難です。
また、内蔵グラフィックスはシステムメモリを共有するため「シェアードグラフィックス」とも呼ばれます。たとえばRAM 4GBのPCの場合、内蔵グラフィックスに1GBが割り当てられ、残り3GBしか他の処理に使えません。
現在の多くのプロセッサは内蔵グラフィックスを搭載しており、専用GPUも併せ持つPCでは、ソフトウェアが自動的に両者を切り替えて効率とパフォーマンスを最適化します。内蔵グラフィックスは、タブレットやスマートフォンなど省スペース性が重視されるデバイスで広く採用されており、コストを抑えたい方にとっても有力な選択肢となるでしょう。
専用グラフィックスは消費電力が大きい
グラフィックスカードに冷却ファンが内蔵されているのは、動作時に非常に高温になるためです。あるテストでは、NVIDIA Titan XPが高負荷時に約85度(華氏185度)に達したという報告もあります。さらにCPUやその他のパーツからの熱もあるため、PC全体の過熱対策は重要です。
一方、内蔵グラフィックスを搭載したIntel Core Mプロセッサでは、ゲーム中でも華氏160度程度までしか温度が上がらず、ファンレス設計でも省電力で動作します。
もちろんグラフィックス性能そのものは専用GPUが優れていますが、ゲーマーではなく省エネ性を重視するなら、内蔵グラフィックスが適した選択といえるでしょう。
専用グラフィックス搭載ノートPCも存在する
専用グラフィックスを搭載したノートPCは存在しますが、選択肢は限られ、多くは大型化したり価格が高くなったりしがちです。Acer Swift 7のような内蔵グラフィックス搭載機は非常に薄型・軽量です。ただし、薄型でありながら専用GPUを積む例もあります。たとえばAsus ZenBook 13は、13インチのベゼルレスNanoEdgeディスプレイを備えたコンパクトなノートPCです。
ゲーミング向けやプロ向けのハイエンドマシンを除き、多くのノートPCは内蔵グラフィックスを採用しています。性能は欲しいけど携帯性も妥協したくない場合は、外付けGPU(eGPU)という選択肢も検討してみてください。
内蔵グラフィックスはコストパフォーマンスに優れる
内蔵グラフィックスはシステムメモリを共有するものの、予算を抑えたい場合には比較的安価な選択肢となります。ただし、すべての内蔵グラフィックス搭載ノートが安いわけではありません。Apple MacBook Pro 15インチモデルなどがその代表例です。
デスクトップPCを購入後に自由に構成・アップグレードできる環境であれば、内蔵グラフィックスは非常に予算に優しい選択肢です。専用GPUは追加費用が必要なため、予算を圧迫しがちです。
専用グラフィックスが不要だと言っているわけではありません。内蔵グラフィックスにも十分コスパの良い優れた選択肢がある、ということです。
専用グラフィックス=高性能なグラフィックス
最新の専用グラフィックスカードは、内蔵グラフィックスよりも明確に高いグラフィックス性能を提供します。ただし、まず自分の優先順位を整理することが大切です。専用ハードウェアの方が優れているのは事実ですが、具体的にどの程度差があるのでしょうか。
第8世代Intel Core i7プロセッサには、AMD製Radeon RX Vega Mグラフィックスを統合したモデルがあります。ベンチマークサイトによると、Vega Mは約199ドルのミドルレンジ専用カードRX 570に匹敵する性能を発揮するとされています。
一方、Core i7/i5以下のプロセッサに搭載されるのは、Intel Iris ProやエントリークラスのIntel HDといったミドル〜ローエンドの内蔵グラフィックスです。最高峰のIris Proでも、ベンチマークスコアはVega Mの3分の1未満にとどまります。対照的に、NVIDIA Titan XPシリーズなどの最上位の専用カードは圧倒的な性能を発揮しますが、その分価格も高額になります。
ゲーミングには専用グラフィックスが有利
内蔵グラフィックスでゲームができないわけではありません。Steamの調査によれば、内蔵グラフィックスでオンラインゲームをプレイしているユーザーは非常に多く、Intelの内蔵グラフィックスは人気の選択肢のひとつです。
しかし、ヘビーゲーマーであれば専用グラフィックスを選ぶべきです。すべてのゲームタイトルを快適にプレイすることはできず、4Kゲーミングも現実的ではなくなるからです。
まとめ:どちらを選ぶべきか
ここまで様々な観点から比較してきましたが、すでに答えが見えてきた方も多いのではないでしょうか。それでも迷っている方のために、判断基準を整理します。
ゲーミングのプロフェッショナルやVR(バーチャルリアリティ)を扱う方、さらにグラフィックソフト、CAD、アニメーション、動画編集などを業務で行う方は、専用グラフィックスカードを選びましょう。
逆に、これらに該当しない方であれば、内蔵グラフィックスで十分満足できます。Adobe製品の操作や普段のゲームも問題なくこなせます。自分の用途と予算に合わせて、最適な一台を選んでください。
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