OS起動前にウイルスを駆除する方法|ブータブルアンチウイルス完全ガイド
多くのウイルスは、アンチウイルスソフトでスキャンして検出結果を確認し、見つかった脅威を削除するだけで簡単に駆除できます。しかし中には、通常のセキュリティ対策ソフトではどうしても除去できない、しつこいウイルスも存在します。
そんな厄介なウイルスに対処するための手段が、「OSが起動する前」にスキャンを実行するタイプのツールです。一般に「ブータブルアンチウイルス」と呼ばれるこの種のソフトウェアは、ウイルスが活動を始める前にファイルをスキャンし、駆除することができます。
本記事では、オペレーティングシステムの起動前にウイルスを削除する最適な方法を詳しく解説します。スキャナーのダウンロード方法から、OSの代わりに起動させるための手順まで、初めての方でも安心して進められるよう丁寧にご紹介します。
ヒント: ウイルス感染を繰り返してしまう場合は、ハッカーやマルウェアからパソコンを守る正しい対策方法についても学んでおきましょう。
ブータブルアンチウイルスの仕組み
ブータブルアンチウイルスには、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、単体で動作するスタンドアローン型です。USBメモリや光学ディスクにインストールし、パソコンの起動時にそのデバイスからブートします。すると、OSの代わりにデバイス内のセキュリティソフトが立ち上がり、そこからスキャンとウイルス駆除を行える仕組みです。
2つ目は、通常のアンチウイルスソフトとしてパソコンにインストールし、その機能の一部として「起動時スキャン(ブートタイムスキャン)」を実行するタイプです。パソコンを再起動するだけでスキャンが自動的に走るため、こちらの方が手軽です。ただし、ウイルスの被害が深刻すぎてOS自体が正常に起動できない場合は、この方法は使えません。
状況に応じて使い分ける必要があるため、以下では両方の方法を順番に説明していきます。
方法1: ディスクまたはUSBメモリを使う
最初のタイプは、ISOファイルとして配布されているブータブルアンチウイルスです。パソコンにダウンロードした後、別のデバイスに書き込んで、そこから起動できるようにします。
代表的な製品には、Trend Micro Rescue Disk、Comodo Rescue Disk、Anvi Rescue Disk、Kaspersky Rescue Disk、Windows Defender Offlineなどがあります。ディスクが必要なものと、フラッシュドライブで使えるものがあるので、自分の環境に合ったものを選びましょう。
ここでは例として「Adaware Rescue USB」を使用します。Windows 7以降に対応しており、スキャン前に定義ファイルを更新でき、カスタムスキャンにも対応しているのが特徴です。
- 上記のリンクからISOファイルをダウンロードします。64ビット版のパソコンならamd64、32ビット版ならx86を選択してください。なお、このソフトウェアは1GBを超えるサイズのため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。時間を短縮したい場合は、上記の他のブータブルアンチウイルスの方が軽量なのでおすすめです。
- 次に、USBメモリへ書き込むために使用する「Rufus」もダウンロードします。インストールせずに使いたい方は、ダウンロードページにあるポータブル版を利用しましょう。
注意: このソフトウェアはディスクからも起動可能です。CDから起動したい場合は、ImgBurnなどでプログラムをCDに書き込み、後述のBIOS設定のステップまで進んでください。
- USBメモリをパソコンに接続します。ドライブ全体が消去されるため、中に必要なデータがある場合は事前に別の場所へコピーしておきましょう。
- Rufusを開き、一番上のドロップダウンメニューから対象のUSBデバイスを選択します。
- SELECTをクリックし、先ほどダウンロードしたISOファイルを指定します。
- 必要に応じてその他のオプションを調整します。
- STARTボタンを押します。
- フォーマット警告画面でOKを選択すると、ブータブルアンチウイルスツールのコピーが始まります。
- 処理が完了したらRufusを終了します。
- パソコンを再起動し、BIOS画面を開きます。起動順序を変更して、OSではなくUSBデバイスから起動するように設定してください。
- Adaware Live CDの画面が表示されたらOKを選択します。
- UPDATE DEFINITIONSを選択して、最新の脅威検出技術を取得しておきましょう。
- スキャン方式を選択します。Adaware Live CDでは、ブートセクタースキャン、クイックスキャン、フルスキャン、カスタムスキャンの4種類に対応しています。ウイルスが潜んでいそうなフォルダがわかっているならカスタムスキャンが便利ですが、隠れた場所を問わず確実にマルウェアを検出したい場合は、フルスキャンをおすすめします。
方法2: 起動時スキャン対応の通常アンチウイルスを使う
上記の手順は時間がかかったり複雑だったりするほか、ディスクドライブや空きUSBメモリがない場合もあるでしょう。そんなときは、もう一つの選択肢があります。
一部の通常のアンチウイルスソフトには、再起動時にスキャンを実行してウイルスを削除する機能が搭載されています。仕組みは先ほどのブータブルツールとほぼ同じですが、操作がはるかに簡単で、スキャンから削除まですべて自動的に行ってくれます。
起動時スキャンに対応している無料アンチウイルスには、Avast Free Antivirus、Adaware Antivirus、AVG AntiVirus Freeなどがあります。それぞれ挙動が少し異なり、AvastとAVGでは機能を明示的に有効化する必要がありますが、Adawareは自動的に起動時スキャンを実行してくれます。
ここでは、Avastの無料スキャナーを使ってOS起動前にウイルスを駆除する手順を見ていきましょう。
- 上記のリンクからプログラムをダウンロードし、インストールします。セットアップ中に関係のないソフトウェアの追加インストールなどを提案されることがあるので、不要なオファーには注意しましょう。ウイルス駆除に必要なのはAvast本体だけです。
- 左側のパネルからProtection(保護)を選択します。
- Virus Scans(ウイルス スキャン)を選びます。
- Boot-Time Scan(起動時スキャン)セクションのOPEN NOW(今すぐ開く)をクリックします。
- 右上の歯車アイコン(設定)を選択すると、Avastの起動時スキャン設定画面が開きます。
- 設定をお好みに合わせて変更します。スクリーンショットのとおり、スキャナーの感度調整、望ましくない可能性のあるプログラム(PUP)の検出、圧縮ファイル内部のスキャン、接続されたすべてのハードドライブまたはシステムドライブのみのスキャン、OSと一緒に自動起動するプログラムのウイルスチェックなどが可能です。
また、脅威が検出されたときの処理も選べます。ファイルを削除せずに修復を試みるか、隔離エリアへ移動するか、完全に削除するかを指定できます。
- 設定画面左上の終了ボタンを押して、起動時スキャンの画面に戻ります。
- RUN ON NEXT PC REBOOT(次回PC再起動時に実行)を選択します。この画面にはInstall specialized definitions(専門定義のインストール)というリンクもあり、クリックすると起動プロセス中のウイルス検出に役立つ追加の定義ファイルをダウンロードできます。
- 次回パソコンを再起動すると、OSが起動する前にAvastがウイルスをスキャンし、設定で指定した方法に従って脅威を処理します。なお、スキャンが実行されるのは次の再起動時のみです。再度起動時スキャンを行いたい場合は、同じ手順を繰り返してください。
これがAvastの起動時ウイルススキャン実行中の様子です。チェックするファイル数によっては、完了まで数時間かかることもあります。
Report file(レポートファイル)の行に表示されるTXTファイルには特に注目してください。どのパソコンでも共通の場所に保存されており、OSが起動した後にそこを確認すれば、Avast Free Antivirusが何を検出・削除したのかを把握できます。
スキャン中にEscキーを押せば、いつでも中断できます。スキャンしたファイル数と感染の有無が簡潔に表示され、その後パソコンは通常どおりOSへと再起動します。
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