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シークレットモードの神話――プライベートブラウジングは本当に「秘密」を守ってくれるのか?

「たとえ何も悪いことをしていなくても、あなたは監視され、記録されている」――エドワード・スノーデン

バレていた、テイラー・スウィフト好き

ある朝のこと、同僚に「ねえ、テイラー・スウィフトの最新MV観た?」と聞かれました。私は鼻で笑ってこう返しました。「ポップスは聴かない主義でね。僕はクラシックロック派なんだ」。でも、これは嘘でした。「Shake It Off」は数え切れないほどの月曜の朝を支えてくれた、心のソングだったのです。

その週の後半、会社のネットワークエンジニアがふと私の「テイラー・スウィフト中毒」について言及してきました。青ざめました。どうやって知ったのか? 私はいつもChromeのシークレットモードを使ってポップミュージックを楽しんでいたはずです(いや、中毒なんかじゃありません。クラシックロック派だと言ったでしょう?)。

実はそれからずっと後になって、ようやくChromeのシークレットモードのトップページに小さく書かれた免責事項に、真剣に目を向けることになったのです。

シークレットモードで隠せるもの、隠せないもの

プライベートモードは、訪問したウェブサイト、勤務先や学校、さらにはインターネットプロバイダ(ISP)からブラウザ履歴を隠してはくれません。では、誰にも見られていないのに、なぜ「シークレット」「プライベート」などと呼ぶのでしょうか?

「自分の検索傾向を誰も知らない」と思い込んでいるなら、それは無知かもしれません。プロバイダがアクセスできる(そしておそらく実際にアクセスしている)IPアドレスが、日常生活で問題になることは確かに少ないでしょう。政府やハッカーが私のブラウザ履歴から「サテン派かシルク派か」を把握している可能性は、私たち一般人にとって遠い世界の話のように思えます。

しかし、専門家たちは異なる意見を持っています。彼らにとっては、個人の生活のあらゆる側面はプライベートかつセキュアであるべきもの。サービス提供者のオフィスにいる見知らぬ社員に自分の内面を覗き見されるという発想は、まさに「ビッグ・ブラザーが見ている」ような不気味さがあります。ハッカーはサイバーセキュリティの隙間につけ込み、データを暗号化して身代金を要求するランサムウェア攻撃を仕掛けてきます。

交差点の監視カメラが撮影しているのは、信号無視の車だけではありません。近所のスターバックスに入り出店するあなたや私の姿も捉えています。常時監視。一体なぜ?

私たちは境界線を引きたいと願います。特に職場においては。だからこそ「シークレット」に頼ってしまうのです。

各ブラウザの「プライベートモード」の名称

「プライベートモード」は、プラットフォームごとにさまざまな名前で呼ばれています。

  • Google Chrome:「シークレットモード(Incognito Mode)」
  • Mozilla Firefox:「新規プライベートウィンドウ」
  • Microsoft Edge:「InPrivateウィンドウ」

どれも「ネットから切り離され、誰の目も気にせず自由に閲覧できる」という幻想を売っています。しかし、それらは決してプライベートではありません。高度な広告トラッキング技術は、マウスのスクロールが止まった位置まで記憶しています。ネットサーフィン中にバッグへ注いだわずか10秒間の視線は、2ヶ月近くにわたって追いかけてくるCookieとなって現れるのです。Cookieとは、ウェブサイトから送信され、ブラウザを通じてユーザーのコンピュータに保存される小さなデータ片のこと。どのモードを使っていても関係なく、データは転送されていくのです。

それでもシークレットモードには使い道がある

ならば、なぜこんなモードを作るのでしょうか? なぜ「プライバシーの聖杯」であるかのように宣伝するのでしょうか? 実は、ちゃんと役に立つ場面があるのです。ここでは代表的な活用シーンを紹介します。

1. 複数アカウントへの同時ログイン

シークレットモードを使えば、仕事用のメールアカウントをログアウトさせることなく、別のメールやSNSアカウントにアクセスできます。仕事の情報とプライベートの情報を、互いに干渉させずに両方チェックできるのが便利です。

2. 中立的な検索結果を得たいとき

検索エンジンは検索履歴を保存し、それをもとに検索結果をパーソナライズします。履歴に引きずられた偏りのない検索結果が欲しいときは、シークレットモードの出番です。

3. サプライズギフトの準備

配偶者への結婚記念日のプレゼント探しやチケット予約は、意外とデリケートな問題です。サプライズを守るのは一苦労。シークレットモードなら、共有端末の履歴から予定を悟られる心配がありません。

4. 共用PCでの閲覧や、痕跡を残したくないサイト访问

一部のサイトはCookieを発行し、その痕跡が職場での閲覧時に表示されて困ることがあります。シークレットモードなら、そうした事態を避けられます。子どもと家庭のPCを共有しているなら、なおさらシークレットモードがおすすめです。

プライバシーモードが与える心理的安心感

心理的な面では、プライバシーモードは「自分のデータは覗き見や評価の目から守られている」という安心感を与えてくれます。しかし、そのモードの中身が実は透明である(=保護されていない)という事実が明らかになり、多くの人を動揺させています。確かに、勤務時間中にフットボールの試合を見ることを支持する人はいないでしょう。気が散りますし、雇用主の労働時間を奪うことになります。ただし、気分をリフレッシュして生産性を上げるために使う分なら、正当化できる範囲でしょう(イ・ルマの「River Flows in You」を聴けば、金曜日はあっという間に過ぎていきます)。

本当のプライバシーを求めて

私たちは何度も、他人のプライバシーを尊重しようとしてきました。それが文明人のすることだからです。しかし、うっかりその人のブラウザ履歴の迷宮に迷い込み、奇妙で好奇心旺盛な検索キーワードを目にしてしまえば、その人に対する印象はきっと曇ってしまうでしょう。

私たちにはヒーローが必要です! 立ち上がって「ノー」と言う必要があります! 「ビッグ・ブラザー」に音楽の好みを審判されたり、トレントで映画をダウンロードしたことが知られたりする心配のない、フェイルセーフなプライベートブラウザが必要なのです。(ねえApple、聞いてる?)

ちなみに私の好きな映画は『きみに読む物語』です。スターウォーズじゃない! ほら、言っちゃった。まあ、「ビッグ・ブラザー」はもう知っていることですが。

  1. シークレットモードを使うべき8つの理由|意外な活用法を徹底解説

    プライベートブラウジング、いわゆる「シークレットモード」をご存じない方はいないでしょう。2010年にChromeへ搭載されて以来、シークレットモードは多くのユーザーに愛用されるようになりました。Chromeを開いた瞬間に「Ctrl + Shift + N」を押してしまう——もはや反射的な習慣になっている方も多いのではないでしょうか。 Cookieも閲覧履歴も残らず、オンライン上の足跡も記録されない。その仕組みは周知のとおりです。だからこそ、ストレスフリーなブラウジング体験のためにシークレットモードを活用する人が多いのです。 しかし実は、シークレットモードの魅力は「履歴を隠す」だけではありません

  2. シークレットモードは本当に安全?プライバシー保護の限界と対策を徹底解説

    インターネットは、何十億ものユーザーをひとつの共通空間でつなぐ巨大なプラットフォームであり、まるで並行宇宙のような存在です。そして他のあらゆるものと同様に、インターネットにも光と影があります。世界で起きているあらゆる情報にアクセスし、人々とつながれる一方で、サイバー犯罪者があらゆる手段を駆使してプライバシーを侵害しようとする場でもあるのです。 私たちは時間の大半をインターネット上で過ごしています。オンラインショッピング、記事の閲覧、メールのチェックなど、その用途は多岐にわたります。宣伝目的のマーケターから身を守り、閲覧活動を安全に保つために、シークレットモード(インコグニートモード)を選ぶのが