Webブラウザ(Edge・Chrome・Firefox)のハードウェアアクセラレーションを無効化/有効化する方法
ハードウェアアクセラレーションとは、CPUが担う一部の処理をGPUなどの他のハードウェアへオフロードする機能です。この機能によりブラウザのパフォーマンスが向上し、CPUは他のタスクにリソースを割り当てられるようになります。すべての主要なブラウザでは、ハードウェアアクセラレーションはデフォルトで有効になっています。
しかし、環境によってはこの機能が原因で不具合が発生したり、逆にパフォーマンスが低下したりするケースもあります。そのような場合は、ハードウェアアクセラレーションを無効化して問題が解決するかどうかを確認してみましょう。なお、ON/OFFどちらが快適に動作するかは、お使いのPCのスペックや構成によって異なります。

本記事では、Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefoxの3つのブラウザにおいて、ハードウェアアクセラレーションを無効化(または再有効化)する方法を、「ブラウザ設定」「レジストリエディター」「ローカルグループポリシーエディター」の3つのアプローチから詳しく解説します。無効化後にパフォーマンスの問題が発生した場合は、同じ手順で再度有効化できます。
1. Microsoft Edgeでハードウェアアクセラレーションを有効/無効にする方法
1.1 ブラウザ設定から切り替える方法
最も手軽なのは、Microsoft Edgeの設定画面から切り替える方法です。設定内に「ハードウェアアクセラレーション」の項目が用意されているため、トグルをON/OFFするだけで完了します。ただし、管理者として標準ユーザーに対してこの設定を強制したい場合は、後述のレジストリまたはグループポリシーの方法を使用してください。
- デスクトップのショートカットをダブルクリックするか、Windowsの検索機能からMicrosoft Edgeを起動します。
- 画面右上の「設定など(Settings and more)」をクリックし、一覧から「設定」を選択します。

- 左側のメニューから「システムとパフォーマンス」を選択し、「使用可能な場合はハードウェア アクセラレータを使用する」のトグルをOFFにします。

- 「再起動」ボタンをクリックしてEdgeを再起動すると、変更が適用されます。
1.2 レジストリエディターを使う方法
レジストリを編集することで、Edgeのハードウェアアクセラレーションを強制的に有効/無効化できます。この方法では標準ユーザーが設定を変更できなくなるため、企業環境などでの管理に便利です。レジストリ操作にはある程度の技術的な知識が必要で、値やキーを作成する作業が含まれます。以下の手順に従って進めてください。
なお、設定値はHKEY_LOCAL_MACHINE(コンピューター全体)とHKEY_CURRENT_USER(現在のユーザー)のどちらのハイブにも構成可能です。パスは共通で、ハイブ部分のみが異なります。
- キーボードのWindows + Rキーを同時に押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開き、「regedit」と入力してEnterキーを押すと、レジストリエディターが起動します。
注意: UAC(ユーザーアカウント制御)の確認画面が表示された場合は「はい」をクリックしてください。

- 安全のためバックアップを作成しておきましょう。「ファイル」メニューから「エクスポート」を選択し、名前と保存先を指定して「保存」をクリックします。

注意: バックアップを復元する場合は、「ファイル」メニューの「インポート」から行えます。 - レジストリエディターで以下の場所へ移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Edge
注意: 「Edge」キーが存在しない場合は、「Microsoft」キーを右クリックして「新規 > キー」を選択し、キー名を「Edge」として作成してください。 - 「Edge」キー選択中の右ペインを右クリックし、「新規 > DWORD (32ビット) 値」を選択します。値の名前を「HardwareAccelerationModeEnabled」に変更します。

- 作成した「HardwareAccelerationModeEnabled」をダブルクリックし、値のデータを「0」に変更します。

- レジストリエディターを閉じ、変更を適用するためにPCを再起動します。
- 再度有効化したい場合は、値のデータを「1」に変更するか、レジストリから該当の値を削除してください。
1.3 ローカルグループポリシーエディターを使う方法
最新版のMicrosoft Edge用ポリシーファイルは、システムにプリインストールされていない場合があります。そのため、まずMicrosoftの公式サイトから最新のポリシーファイルをダウンロードし、システムのポリシー定義フォルダに追加する必要があります。少し手間はかかりますが、これにより最新のEdge向けの全ポリシー設定が利用可能になります。この設定は「コンピューターの構成」と「ユーザーの構成」の両方に存在します。
注意: Windows 10 Homeエディションをお使いの場合、グループポリシーエディターは利用できないため、この方法はスキップしてください。
- ブラウザでMicrosoftの公式サイトを開き、お使いのMicrosoft Edgeのバージョン情報を選択して「GET POLICY FILES」ボタンをクリックします。

- ダウンロードしたポリシーZIPファイルをWinRARなどのツールで展開します。

- 展開したフォルダ内の「MicrosoftEdgePolicyTemplates\windows\admx」フォルダを開き、「msedge.admx」と「msedge.adml」のファイルをコピーして、「C:\Windows\PolicyDefinitions」フォルダに貼り付けます。

注意: ADMLファイルは言語別フォルダ内にあるため、対応する言語フォルダからコピーしてください。 - Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押すと、ローカルグループポリシーエディターが起動します。

- 以下の場所へ移動します。
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Microsoft Edge

- 「使用可能な場合はハードウェア アクセラレータを使用する」という設定をダブルクリックし、開いたウィンドウで「無効」を選択します。

- 「適用」および「OK」ボタンをクリックし、ローカルグループポリシーエディターを閉じます。
- 再度有効化したい場合は、設定を「未構成」または「有効」に戻してください。
2. Google Chromeでハードウェアアクセラレーションを有効/無効にする方法
2.1 ブラウザ設定から切り替える方法
他のブラウザと同様に、Google Chromeでも設定画面からハードウェアアクセラレーションの切り替えが可能です。設定ページに移動してトグルをON/OFFするだけです。もし項目がグレーアウトされていて変更できない場合は、後述のレジストリまたはグループポリシーの方法を試してください。
- Chromeを起動し、右上の「三点メニュー」をクリックして、一覧から「設定」を選択します。

- 左側のメニューで「詳細設定」をクリックし、続いて「システム」を選択します。
- 「使用可能な場合はハードウェア アクセラレーションを使用する」のトグルをONまたはOFFに切り替えます。

- 「再起動」ボタンをクリックすると、変更が反映されます。
2.2 レジストリエディターを使う方法
Google Chromeのハードウェアアクセラレーションも、レジストリから構成できます。レジストリ内には「Google」キーが複数の場所に存在するため、正しいパスを辿るよう注意してください。ローカルマシンと現在のユーザーのどちらに対しても設定可能です。
- Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力してEnterキーを押すと、レジストリエディターが起動します。
注意: UACの確認画面が表示されたら「はい」をクリックしてください。

- 念のためバックアップを作成しましょう。「ファイル」メニューの「エクスポート」を選択し、名前と保存先を指定して「保存」をクリックします。
注意: 復元する場合は「ファイル」メニューの「インポート」から行えます。 - レジストリエディターで以下の場所へ移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Google\Chrome
注意: 「Google」または「Chrome」キーが存在しない場合は、「Policies」キーを右クリックして「新規 > キー」で作成してください。 - 「Chrome」キー選択中の右ペインを右クリックし、「新規 > DWORD (32ビット) 値」を選択します。値の名前を「HardwareAccelerationModeEnabled」に変更します。

- 「HardwareAccelerationModeEnabled」をダブルクリックし、値のデータを「0」に変更します。

- レジストリエディターを閉じ、PCを再起動して変更を適用します。
- 再度有効化したい場合は、値のデータを「1」に変更するか、値そのものを削除してください。
注意: 値のデータを「1」にすると、ハードウェアアクセラレーションが強制的に有効になります。
2.3 ローカルグループポリシーエディターを使う方法
Google Chromeのポリシーファイルは、Windowsにデフォルトでは含まれていません。Chrome Enterpriseのサイトからダウンロードする必要があり、32ビット版と64ビット版の両方が提供されています。
- ブラウザでGoogle Chrome Enterprise Bundleのページを開き、お使いのOSに対応した「Download」ボタンをクリックします。

- ダウンロードしたZIPファイルをWinRARなどで展開します。
- 展開したフォルダ内の「GoogleChromeEnterpriseBundle64\Configuration\admx」フォルダを開き、「chrome.admx」と「google.admx」をコピーして、「C:\Windows\PolicyDefinitions」フォルダに貼り付けます。

- さらに、言語フォルダ内の「chrome.adml」と「google.adml」を、同じディレクトリ内の自分と同じ言語のフォルダへコピーします。
注意: 今回の例では、ダウンロードした「en-US」フォルダから「en-US」フォルダへコピーしました。日本語環境の場合は「ja-JP」フォルダを使用してください。 - Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押すと、ローカルグループポリシーエディターが起動します。

- 以下の場所へ移動します。
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Google Chrome

- 一覧をスクロールして「使用可能な場合はハードウェア アクセラレーションを使用する」をダブルクリックし、「無効」に変更します。

- 「適用」および「OK」をクリックして、ローカルグループポリシーエディターを閉じます。
- 再度有効化したい場合は、設定を「未構成」または「有効」に戻してください。
注意: 「有効」を選択すると、ハードウェアアクセラレーションが強制的に有効になります。
3. Mozilla Firefoxでハードウェアアクセラレーションを有効/無効にする方法
3.1 ブラウザ設定から切り替える方法
Mozilla Firefoxでは、ブラウザの設定画面から簡単にハードウェアアクセラレーションを切り替えられます。管理者・標準ユーザー問わず誰でもこの設定にアクセス可能です。UIはアップデートによって変わることがありますが、設定項目自体は変わりません。
- Firefoxを起動し、右上の「アプリケーションメニュー」をクリックして、一覧から「設定」を選択します。

- 左側の「一般」を選択し、下へスクロールします。「パフォーマンス」セクションの「推奨のパフォーマンス設定を使用する」のチェックを外します。
- 表示された「使用可能ならばハードウェアアクセラレーションを使用する」のチェックを外すと、無効化されます。
- 再度有効化したい場合は、この項目にチェックを入れてください。

- 設定変更後は、必ずFirefoxを再起動してください。
3.2 レジストリエディターを使う方法
Firefoxについても、レジストリ値を追加してハードウェアアクセラレーションを制御できます。なお、Firefoxの値名は他のブラウザとは異なり「HardwareAcceleration」となる点に注意してください。現在のユーザーとローカルマシンのどちらのハイブにも構成可能です。
- Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力してEnterキーを押します。
注意: UACの確認画面では「はい」をクリックしてください。

- 安全のためバックアップを作成しておきましょう。「ファイル > エクスポート」を選択し、名前と保存先を指定して「保存」をクリックします。
注意: 復元する場合は「ファイル > インポート」から行えます。 - レジストリエディターで以下の場所へ移動します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Mozilla\Firefox
注意: 「Firefox」キーが存在しない場合は、「Mozilla」キーを右クリックして「新規 > キー」を選択し、キー名を「Firefox」として作成してください。 - 「Firefox」キー選択中の右ペインを右クリックし、「新規 > DWORD (32ビット) 値」を選択します。値の名前を「HardwareAcceleration」に変更します。

- 「HardwareAcceleration」をダブルクリックして開き、値のデータを「0」に変更します。

- 変更を適用するためにPCを再起動します。
- 再度有効化したい場合は、値のデータを「1」に変更するか、レジストリから値を削除してください。
3.3 ローカルグループポリシーエディターを使う方法
ローカルグループポリシーエディターを使ってFirefoxのハードウェアアクセラレーションを制御することも可能です。ただし、Firefoxはサードパーティ製アプリケーションのため、ポリシーファイルはシステムに含まれていません。GitHubの公式ページからダウンロードし、最新バージョンのポリシーファイルを取得してシステムにコピーする必要があります。
- ブラウザでFirefoxのGitHubページを開き、最新のポリシーテンプレートZIPファイルをダウンロードします。

- ダウンロードしたZIPファイルをWinRARなどで展開します。
- 展開したフォルダ内の「policy_templates_v2.10\windows」フォルダへ移動し、「firefox.admx」と「mozilla.admx」をコピーして、「C:\Windows\PolicyDefinitions」フォルダに貼り付けます。

- さらに、言語フォルダ内の「firefox.adml」と「mozilla.adml」を、同じディレクトリ内の自分と同じ言語のフォルダへコピーします。
注意: 今回の例では、ある「en-US」フォルダから別の「en-US」フォルダへコピーしました。日本語環境の場合は「ja-JP」フォルダを使用してください。 - Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「gpedit.msc」と入力してEnterキーを押すと、グループポリシーエディターが起動します。

- 以下の場所へ移動します。
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > Mozilla > Firefox

- 一覧をスクロールして「Hardware Acceleration(ハードウェアアクセラレーション)」をダブルクリックし、「無効」に変更します。

- 「適用」および「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。
- 再度有効化したい場合は、設定を「未構成」または「有効」に戻してください。
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