暗号化ディスクのロック解除に失敗する原因と対処法
iBoysoft Data Recovery for Macを使って暗号化されたディスクをスキャンし、失われたデータを復元する際には、まず正しいパスワードを入力してディスクのロックを解除する必要があります。ロック解除後、ディスク上のデータが復号化され、スキャンと復元が可能になります。
ところが、正しいパスワードを入力したはずなのに「パスワードが正しくありません」というエラーメッセージが表示され続けることがあります。なぜ暗号化ディスクのロックを解除できないのでしょうか?本記事では、ディスクやボリュームの暗号化方式ごとに、その原因と解決策を詳しく解説します。

ヒント: 「スキップ」ボタンをクリックすると、パスワードの入力をスキップできます。iBoysoft Data Recoveryは、選択したストレージ内の暗号化されていないデータのスキャンを続行します。ただし、暗号化されているデータを復元したい場合は、後ほど正しいパスワードまたはリカバリーキーが必要になります。
目次:
- 1. ディスクまたはボリュームが暗号化APFSファイルシステムを使用している
- 2. サードパーティ製の暗号化アプリケーションで暗号化されている
- 3. FileVault 2で暗号化されている
- 4. Apple T2セキュリティチップおよびAppleシリコンによって暗号化されている
ディスクまたはボリュームが暗号化APFSファイルシステムを使用している場合
ディスクやボリュームのファイルシステムとして暗号化APFSを選択した場合、作成時に手動でパスワードを設定する必要があります。
ロック解除に失敗する最も可能性の高い原因は、パスワードが間違っていることです。ファイルからパスワードをコピーした場合は、余分な空白までコピーしていないか確認してください。また、パスワードを変更した覚えがある場合は、新しいパスワードを思い出してみてください。
もう一つの原因として考えられるのは、ディスクやボリュームが再フォーマットされているケースです。暗号化APFSディスクを再フォーマットすると、正しいパスワードの入力時に復号される中間キーが破壊または消去されます。その結果、正しいパスワードを入力しても、暗号化されたAPFSボリュームやハードドライブのロックを解除できなくなり、iBoysoft Data Recovery for Macはパスワードが無効であると報告します。
ハードドライブまたはボリュームがサードパーティ製の暗号化アプリケーションで暗号化されている場合
サードパーティ製ソフトウェアを使ってデータを暗号化・保護するのは一般的な手法ですが、こうしたツールで暗号化されたドライブは、対応するソフトウェアがないとMac上で認識・ロック解除できないことがあります。iBoysoft Data Recovery for Macも例外ではありません。
この場合は、ドライブの暗号化に使用したのと同じアプリケーションをインストールし、そのアプリ経由でロックを解除してください。その後、iBoysoft Data Recovery for Macを使って失われたデータをスキャンできるようになります。
ディスクがFileVault 2で暗号化されている場合
FileVaultで保護されたハードディスクは、正しいパスワードまたはリカバリーキーのいずれかでロック解除できます。ディスクの種類に応じて、適切なパスワードとリカバリーキーを確認しましょう。
起動ディスクがFileVault 2で暗号化されている場合
OS X 10.7以降のmacOSに標準搭載されているフルディスク暗号化機能「FileVault 2」を有効にして、Macの内蔵起動ディスクを暗号化した場合、お使いのmacOSのバージョンに応じて、以下の2〜3つの方法でロック解除が可能です。
- Macのログインパスワードを使用する(FileVault有効後に変更していなければ、ログインパスワードがデフォルトでFileVaultのパスワードになっています)
- iCloudでリカバリーキーにアクセスする、またはパスワードをリセットする
- FileVaultを初めて有効にした際に作成し、安全な場所に保管したリカバリーキーを使用する
外付けディスクがFileVault 2で暗号化されている場合
iBoysoft DiskGeekerなど、FileVault機能を備えたサードパーティ製ソフトウェアを使って外付けハードドライブを暗号化した場合は、次の2つの方法でロック解除できます。
- 暗号化時に自分で設定したパスワードを使用する
- ファイルにバックアップした、または印刷して保管しておいた生成済みのリカバリーキーを使用する
正しいパスワードやリカバリーキーを使ってもFileVault暗号化ドライブのロック解除と復号ができない場合はどうすればよいのでしょうか?暗号化APFS形式のディスクと同様に、FileVaultの中間キー(ボリュームキーKEK)が、再フォーマットやディスクの物理的損傷によって破壊・消去されている可能性があります。この状況では、iBoysoft Data Recoveryはパスワードやリカバリーキーを使ってロック解除やファイルの復号を行うことができません。
ドライブがApple T2セキュリティチップおよびAppleシリコンによって暗号化されている場合
T2セキュリティチップやAppleシリコンを搭載したMacは、Secure Enclaveサブシステムを利用してMacに追加のセキュリティ層を提供し、起動ディスク上の機密データを保護します。FileVaultや暗号化ファイルシステムなどで起動ディスクを明示的に暗号化していなくても、ハードディスク自体はAppleプロセッサによって自動的に暗号化されています。
さらに、このハードディスクはユーザーパスワードではなく、Secure EnclaveのTRNG(真性乱数ジェネレータ)によってランダムに生成され、製造段階でSoCに組み込まれたUID(一意識別子)ルート暗号鍵と、Secure Enclave AESエンジンによるGID(デバイスグループID)によってロック解除されます。
T2セキュリティチップやAppleシリコン搭載Macのハードドライブのロック解除ができない最も可能性の高い原因は、「探す(Find My)」アプリを使って別のAppleデバイスからディスクがリモートワイプされたことです。Macの盗難・紛失時や、デバイスの売却・譲渡前のデータ漏洩を防ぐため、AppleはUIDルート暗号鍵を完全に消去する形でのMacのリモート消去をユーザーに許可しています。これは、第三者からのアクセスを遮断する最も迅速かつ安全な方法です。
その結果、T2セキュリティ搭載またはAppleシリコン搭載Macの起動ディスクをiBoysoft Data Recovery for Macでスキャンしようとしても、どのパスワードも受け入れられません。また、暗号化された起動ディスクを別のT2またはAppleシリコンMacに接続しても、UIDルート暗号鍵はデバイス固有のものであるため、ロック解除することはできません。
まとめ
ディスクの種類や暗号化方式によって、ロック解除に失敗する原因は異なります。多くの場合、正しいパスワードまたはリカバリーキーがあれば、暗号化されたストレージデバイスのロックを解除できます。しかし、暗号化ディスクが再フォーマットされていたり、Macがリモートワイプされていたりする場合は、ロック解除とデータ復元は事実上不可能です。
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