UbuntuにMicrosoft OneDriveをインストールする完全ガイド|ステップバイステップ解説
WindowsからLinuxへ移行した方の中には、以前Microsoft OneDriveを利用していたという人が多いはずです。OneDriveはWindows 10および11に標準搭載されているため、個人ファイルの多くがすでにクラウド上に同期されている可能性があります。
ところが、Linux OSにはOneDriveがプリインストールされておらず、公式アプリさえ存在しません。では、OneDrive上のデータをどうやってLinux PCに取り込めばよいのでしょうか。答えは専用ソフトウェア「OneDrive Client for Linux」です。主要なLinuxディストリビューションのほぼすべてに対応しています。
なぜLinuxでOneDriveが必要になるのか?
Linuxと大手クラウドストレージサービスの関係はやや複雑です。Linux対応クライアントを提供するサービスもあるものの、ownCloudやNextCloudで自前のクラウド環境を構築したほうが手軽だと感じるユーザーも少なくありません。
とはいえ、LinuxでOneDriveを使ってはいけない理由はありません。プロプライエタリなソフトウェアである点にオープンソース精神が抵抗を感じるかもしれませんが、長年OneDriveを利用してきた履歴を持つ人は多いでしょう。Microsoftのサーバーからデータを取り出すには、まずそのデータへアクセスできることが前提となります。Linux OSからOneDriveにアクセスすることがその近道であり、LinuxにMicrosoft Officeを導入するよりもはるかに簡単です。
ブラウザ経由でOneDriveを開くという選択肢もありますが、動作が非常に遅く、実用的とは言えません。
筆者がこの作業を行った理由はシンプルです。何年もOffice 365の月額サブスクリプションを支払ってきましたが、ついに不要と判断しました。失いたくない50GB分のデータ(Windows Phone端末で撮影した子供たちの写真など)があるため、データの同期は最優先事項でした。
(ちなみに「無料」プランの保存容量はわずか5GBです)
最良の選択肢:OneDrive Client for Linux
これまでにも何度かLinux向けOneDriveクライアントが登場しましたが、その大半は開発が停止しています。現在も活発に開発が続けられているのが、このOneDrive Client for Linuxです。
本ソフトウェアはGitHubから入手でき、ほぼすべてのLinuxディストリビューションにインストール可能です。GitHubページには数分でセットアップを完了できる詳しい手順が記載されています。ここでは、その簡単さを実証するべく、Ubuntu 22.04 LTSへのインストール方法を紹介します。
このソフトウェアを導入すれば、OneDriveへの限定的なアクセスが手に入るだけでなく、本格的なLinux向けOneDriveクライアントとして使えます。Android版と同等、場合によってはWindows版クライアントにも匹敵する完成度です。
主な機能としては、状態キャッシュ、リアルタイムのファイル監視と同期、アップロード/ダウンロード時の整合性検証、通信速度制限、再開可能なアップロードなどが挙げられます。無料のOneDrive、有料プランのOneDrive、OneDrive for Business、各国向けクラウド展開(米国政府クラウドなど)、その他のOffice 365系サービス、SharePointおよびOffice 365ライブラリ、共有フォルダにも幅広く対応しています。
要するに、短期・長期を問わずLinuxでOneDriveにアクセスしたいなら、OneDrive Client for Linux一択と言えるでしょう。
Ubuntu 22.04 LTSへのOneDrive Client for Linuxインストール手順
OneDrive Client for Linuxは多くのディストリビューションで動作しますが、以下ではDebianベースのシステム(具体的にはUbuntu 22.04 LTS)へのインストール手順を説明します。
まず、システムを最新の状態に更新しておきましょう。
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade -y
sudo apt-get dist-upgrade -y
sudo apt-get autoremove -y
sudo apt-get autoclean -y
更新が完了したら、システムを再起動します。
reboot
Ubuntu 22.04 LTSへのインストールには、OpenSuSE Build Serviceのリポジトリを利用します。最初にリリースキーを追加してください。
wget -qO - https://download.opensuse.org/repositories/home:/npreining:/debian-ubuntu-onedrive/xUbuntu_22.04/Release.key | gpg --dearmor | sudo tee /usr/share/keyrings/obs-onedrive.gpg > /dev/null
続いて、リポジトリを登録します。
echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/usr/share/keyrings/obs-onedrive.gpg] https://download.opensuse.org/repositories/home:/npreining:/debian-ubuntu-onedrive/xUbuntu_22.04/ ./" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/onedrive.list
その後、aptキャッシュを更新します。
sudo apt-get update
最後に、OneDrive Client for Linuxをインストールしましょう。
sudo apt install --no-install-recommends --no-install-suggests onedrive
なお、手順はディストリビューションによって多少異なります。たとえばUbuntu 22.10では、バージョンに応じた別のキーおよびリポジトリ追加コマンドが必要です。
その他のディストリビューションへのインストール
前述のとおり、上記の手順はUbuntu向けのものです。
Arch LinuxやManjaroの場合は、pamacコマンドでインストールできます。
pamac build onedrive-abraunegg
ソースコードからのビルドによるインストールも可能です。詳細はOneDrive Client for LinuxのGitHubページを参照してください。
OneDriveをLinuxと同期する方法
OneDrive Client for Linuxは、デフォルトではコマンドラインツールとして動作します。多数のコマンドが用意されており、ヘルプコマンドで一覧を確認できます。
onedrive --help
オプションはかなり豊富ですが、よく使われるものはリストの上部にまとめられているので安心です。
OneDriveをLinuxと同期するには、たった1つのコマンドを実行するだけです。
onedrive destination-directory [FILEPATH] --synchronize
データの保存先となるファイルパスを指定し、「synchronize」オプションの前にハイフン2つ(--)が付いている点に注意してください。同期先に十分な空き容量があれば、OneDriveアカウントのデータがLinux側へ同期されます。
同期を実行するには、認証作業が必要です。OneDrive Client for Linuxがブラウザで開くためのURLを表示するので、Microsoftアカウントでサインインしてください。サインイン後、表示されたURL(通常は空白ページ)をコピーし、ターミナルウィンドウの入力待ち箇所に貼り付けると、認証が完了します。
また、同期状況(新規データの追加やファイルの削除など)は、以下のコマンドで随時確認できます。
onedrive display-sync-status
あらゆる規模・種類のOneDriveを扱うために必要な情報は、すべてヘルプファイルに記載されています。
OneDriveGUIでマウス操作を実現しよう
コマンドラインでの操作に不安がある、あるいはGUIのほうが好みという方は、OneDriveGUIツールの利用をおすすめします。これはOneDrive Client for Linuxのフロントエンドで、マウスとキーボードによる直感的な操作画面を提供します。
まず、OneDriveGUIのGitHubページにアクセスし、AppImage形式のファイルをダウンロードしてください(AppImageファイルとは?)。
ダウンロード:OneDriveGUI(無料)
ダウンロード後、ターミナルウィンドウをダウンロードフォルダで開き、以下のコマンドを実行します。
chmod +x ./OneDriveGUI-[VERSION]-x86_64.AppImage
[VERSION]の部分は、ダウンロードしたOneDriveGUI AppImageファイルのバージョン番号に置き換えてください。
(なお、Arch Linux向けのOneDriveGUIも公開されています)
OneDriveGUIを使用する際は、まずプロファイルを作成します。すでにターミナルツールで同期を開始している場合は、該当ディレクトリのファイルパスを指定します。
設定が済んだら、認証を行います(OneDrive Client for Linuxで認証済みでも、改めて必要です)。見た目はぐっと洗練されていますが、手順自体は同じです。これで、従来型のデスクトップ環境でOneDrive Client for Linuxを快適に使えるようになります。
まとめ:OneDrive for Linuxは実用レベルで使える
コマンドラインインターフェースも決して使いにくいわけではありませんが、OneDriveGUIを組み合わせれば、OneDrive Client for Linuxはさらに扱いやすくなります。このアプリさえあれば、OneDriveからデータを取り出して、お好みのクラウドサービスへ移行・同期するのに必要な機能はすべて揃っています。もちろん、手間をかけたくない方は、このままOneDriveを使い続けるのも選択肢の一つです。
ただし、Microsoftは認証方式を頻繁に変更することで知られているため、長期的な運用としてはやや不安が残る点は留意しておきましょう。
いずれにせよ、OneDrive Client for Linuxは、OneDriveのデータにアクセスし、Linux PCへ同期するための優れたソリューションです。
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