Kali Undercoverとは?仕組みとLinuxへのインストール方法を徹底解説
お気に入りのペネトレーションテスト用OS「Kali Linux」を公共の場で使っているところを想像してみてください。ターミナルからネットワークスキャンを実行している最中に、周囲の人から怪しい目で見られたくはないですよね。
そんな悩みを解決する手軽なソリューションを、Kali Linuxを開発・維持しているOffensive Securityが提供しています。それが「Kali Undercover(アンダーカバーモード)」です。このモードを使えば、デスクトップの見た目を一瞬で従来型のWindows風に変えられます。ほとんどの人にとって馴染み深い外観になるため、余計な注目を集めることなく作業を続けられます。
本記事では、Kali Undercoverの概要や使い方、そして自分のLinuxシステムへのインストール手順について詳しく解説します。
Kali Undercoverとは?
前述のとおり、Kali UndercoverはKali Linuxのデフォルトデスクトップ環境であるXfceの外観を変更するスクリプト集です。このスクリプトを実行すると、システム全体にWindows風のテーマが適用され、公共の場での作業中に余計な注目を浴びるのを防げます。
アンダーカバーモードへの切り替えはとても簡単です。ターミナルを開いて以下のコマンドを入力するだけです。
kali-undercover
コマンドを実行すると、スクリプトがフォント、アイコンパック、画面レイアウトの変更を順次進めていきます。Xfceから「偽物」のWindowsデスクトップへの切り替えにかかる時間は、わずか5秒ほどです。
元のデスクトップ環境に戻したいときも、同じくターミナルでkali-undercoverコマンドを実行するだけです。
Kali Undercoverを使うメリット
kali-undercoverが開発された主な目的は、サイバーセキュリティの専門家が公共の場でも快適に作業できるようにすることです。
ペネトレーションテスターの仕事の大部分は、クライアントのネットワークへの侵入を試みることで潜在的な脆弱性を発見することにあります。この作業には隠密性が求められますが、Kali特有の怪しげなデスクトップ環境を通行人に覗き見られては、業務に支障をきたしかねません。
そこで活躍するのがKali Undercoverです。2つのデスクトップを素早く行き来できるため、使用しているOSを簡単に隠せます。ただし、画面をじっくり観察されると、Windowsではないことに気づかれる可能性はあります。
LinuxにKali Undercoverをインストールする方法
kali-undercoverスクリプトはKali Linuxにプリインストールされています。しかし、だからといって他のLinuxディストリビューションでアンダーカバーモードの恩恵を受けられないわけではありません。Xfceデスクトップ環境を使用していれば、誰でもこのスクリプトを自分のシステムに導入できます。
Debian/Ubuntuにインストールする
UbuntuやLinux MintなどのDebian系OSをお使いの場合は、Kaliの公式リポジトリからkali-undercoverのDEBパッケージをダウンロードするだけでOKです。
ダウンロード: Kali Undercover
次に、cdコマンドでDownloadsディレクトリへ移動します。
cd /Downloads
dpkgを使って、kali-undercoverのDEBパッケージを以下のようにインストールします。
sudo dpkg -i kali-undercover_x.x.x_all.deb
あるいは、ダウンロードしたファイルを実行してGUIからインストールすることも可能です。Ubuntuではファイルをダブルクリックすると「ソフトウェアのインストール」ウィンドウが開くので、インストールボタンをクリックすればスクリプトが導入されます。
その他のLinuxディストリビューションにインストールする
その他のディストリビューションでは、Gitリポジトリからスクリプトを取得しましょう。
git clone https://gitlab.com/kalilinux/packages/kali-undercover
cdコマンドで、新しく作成されたフォルダに移動します。
cd kali-undercover
shareフォルダの中身を/usr/ディレクトリにコピーします。このフォルダには、アイコン、フォントパック、壁紙など、Windowsテーマに関連するすべてのアセットが含まれています。
sudo cp -r share /usr
最後に、kali-undercoverバイナリファイルを/usr/binフォルダにコピーします。
sudo cp /bin/kali-undercover /usr/bin
スクリプトをシステムから削除する
不要になった場合は、rmコマンドでkali-undercover関連のファイルをすべて削除すればOKです。まずは/usr/binディレクトリからバイナリファイルを削除します。
sudo rm /usr/bin/kali-undercover
続いて、Windowsのアイコンとテーマを削除します。
sudo rm -r /usr/share/icons/Windows-10-Icons
sudo rm -r /usr/share/themes/Windows-10
最後に、デスクトップファイルとkali-undercoverのshareフォルダをrmコマンドで削除します。
sudo rm /usr/share/applications/kali-undercover.desktop
sudo rm -r /usr/share/kali-undercover
Kali Linuxでアンダーカバーを維持しよう
Kali Undercover以外にも、Kali Linuxには数多くのスクリプトやコマンドラインツールが搭載されています。ネットワーク分析、脆弱性検出、デジタルフォレンジックなど、サイバーセキュリティ関連の作業に必要なものはすべて揃っていると言っても過言ではありません。
まだ乗り換えを迷っているなら、まずはハイパーバイザー上にKali Linuxをインストールしてみるのがおすすめです。VirtualBoxのような仮想マシンソフトを使えば、ホストマシンのパフォーマンスを損なうことなく快適な体験を得られます。
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